接客における身だしなみとは?
お客様と会社の接点となる接客業では、表情や言葉遣い、身だしなみ、立ち居振る舞いなど、「お客さまをお迎えする」という姿勢や意識を示すことが大切です。
その中でも重要なものが、身だしなみ。人は視覚情報からその人の第一印象を決めるとも言われ、接客に携わるスタッフの身だしなみによってお店や会社の印象は大きく変わります。
「身だしなみ」と似たものに「おしゃれ」がという言葉がありますが、二つの言葉は似ているようで全く違うものです。
その違いとは、おしゃれは自分基準のものであることに対し、身だしなみは相手が基準であること。つまり、相手がどう思うかどうかによって判断されるのが「身だしなみ」なのです。
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接客の身だしなみで気をつけるポイント
接客といってもさまざまな職種があり、そのルールは店舗や施設によって異なります。ここでは、どの接客業においても大事なポイントとなる身だしなみのマナーについてご紹介します。
頭髪
頭髪で気をつけたいのは、髪の色や長さ、そして清潔に保つことでしょう。明るすぎない髪色や長髪の場合には髪を結ぶことなども大事なポイントですが、きちんと洗髪し整えてあることが重要です。
頭髪は容姿の中でも目に入りやすい場所の一つであり、瞬間にその人を印象を判断されることも多いもの。そのため、一目で清潔感を与えられるように気を配る必要があります。
服装・靴
服装は、全身の中でも大きな割合を占める部分です。制服がある場合は店舗や施設のイメージを守るよう汚れやシワに注意し、私服の場合は汚れやシワのほかに形や色などにも気を配ります。
そして、お客様に意外と見られているのが靴です。仕事に適した靴であることはもちろん、汚れの有無や底のすり減り、革靴であればきちんと磨かれているかなども重要なポイントとなります。
顔周り・メイク
顔は、その人の印象を最も左右する部分です。人に接する際、いちばん最初に顔や表情を確認するという方も少なくないでしょう。そのため、顔周りの身だしなみには注意が必要です。
男性であればヒゲの処理、そして女性であればメイクのマナーがポイントとなります。店舗や施設の雰囲気にもよりますが、ノーメイクや派手過ぎるメイクを避け、自然なメイクを目指してください。
手・爪
お客様に対して差し出したり触れたりする部分が「手」でしょう。飲食店であれば食べ物に最も近づく部分でもあるので、見た目はもちろん衛生面にも気を配る必要があります。
手洗いや消毒のほか、爪をきちんと切り揃えておくことも大切です。また、ネイルアートを許可している店舗であれば、ネイルが剥がれていないか、派手すぎないかなどにも注意しましょう。
装飾品
装飾品として挙げられる代表的なものは、時計やアクセサリー、メガネ、香水などでしょう。
時計やアクセサリーは業務に適しているものか、メガネのレンズは綺麗に保たれているか、香水はきつすぎないかなどが大事なポイントとなります。
飲食業での接客の場合、料理の匂いと香水が混ざりお客様に不快感を与えてしまう恐れがあるので、香水をつけない場合がほとんどです。
装飾品の多くはおしゃれに繋がるものであるため、接客の身だしなみを考えるならデザイン重視ではなく、目的に合わせて選ぶようにしましょう。
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接客の身だしなみチェックリスト
接客で心得るべき身だしなみのチェックリストをご紹介しますので、ぜひ勤務前に確認してくださいね。
頭髪
- 汚れはないか
- 寝ぐせはないか
- カラーリングの色は適しているか
- 髪の長さは適切か、まとめているか
服装・靴
- TPOに合った服装か
- 着崩れしていないか
- ほつれやほころびはないか
- シミやシワがないか
- 折り目がとれていないか
- 襟や袖口が汚れていないか
- ネクタイは緩んでいないか
- 靴はきれいに磨いてあるか
- 靴のかかとがすり減っていないか
顔周り・メイク
- 洗顔や歯磨きをしているか
- 肌や唇は荒れていないか
- ひげの剃り残しはないか
- 派手すぎない自然なメイクか
手・爪
- 手は汚れていないか(手洗い・消毒)
- 爪は適切な長さに切りそろえてあるか
- マニキュアやネイルアートは派手すぎないか
装飾品
- 眼鏡は汚れていないか
- 時計は機能的で派手すぎないものか
- アクセサリーは派手すぎないものか
- 香水をつけすぎていないか
身だしなみは接客マナーの一つ
接客業における身だしなみは、お客様からの第一印象を決める大事なものです。
どんなに美味しい料理や良い雰囲気の店舗であっても、接客スタッフの身だしなみがだらしなければ、お店全体の印象が悪くなってしまいます。
身だしなみは言葉では語らなくても、視覚を通して伝わるメッセージです。どういった身だしなみでお客様をお迎えするかにより、相手にどれくらい配慮しているかが分かります。
清潔感・機能性・調和に注意し、身だしなみもおもてなしの一つと考え、お客様に「また来たい!」と思ってもらえるよう心がけことが大切です。