第二新卒の異業種転職は可能?
新卒で入社した企業を3年以内に離職した転職者を「第二新卒」と呼ぶことがあります。
新卒入社3年以内の転職となると、転職のタイミングとしては早い印象があるかもしれません。
しかし、2023年10月に発表された厚生労働省の調べによれば、3年以内に離職した新卒はおよそ3割を超えています。数字からも見て取れるように、意外にも3年以内に離職する方は多いものなのです。
転職市場では一般的に、中途採用者は即戦力として期待されると言われているため、同業種・同業界への転職が有利と言われています。
しかしそれは、長期的な実務経験があり、十分な経験が身についている場合の話です。
第二新卒の転職の場合は企業が求める要素が異なるため、その限りではありません。難易度が高くなると言われる異業種への転職でも、転職成功のチャンスがつかみやすいと言われることもあります。
第二新卒の時期が異業種転職に適しているのはなぜなのでしょうか。
ここからは、第二新卒の異職種転職が有利とされる理由・転職活動のポイントを紹介します。第二新卒での転職を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
こちらの記事では、厳しいと言われることもある第二新卒の転職を成功させるポイントを紹介しています。あわせてお読みください。
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第二新卒の異業種転職が有利なのはなぜ?
第二新卒で異業種転職を行うのが良いとされているのは、いくつかの理由があります。企業側から見る第二新卒採用のメリットから、有利と言われる理由を考えていきましょう。
教育コストが少なく済むから
第二新卒は、新卒で入社した企業で「仕事に向き合う姿勢」や「ビジネスマナー」を教わり、社会人としての基礎ができている状態になっています。
つまり、企業からすればゼロから教える必要がないため、新卒ほどの教育コストがかからないと考えられているのです。
そのため、新卒採用よりも第二新卒採用に力を入れている企業も一定数存在します。
企業風土に馴染みやすいから
社歴が長くなればなるほど、仕事へのこだわりやルーティンなどの働く型ができていくものですが、第二新卒では良くも悪くもその型が形成されていません。
型が形成されることで柔軟性に欠けてしまったり、変化に対応しづらくなったりすることがありますが、第二新卒の場合はその心配が少なく済みます。
たとえ、型ができているとしても社歴の長い人物よりも変えるのは容易でしょう。
社歴が浅い人物ほど転職先の企業風土に馴染みやすいと考えられているため、転職者を迎え入れる企業にとっては好都合なのです。
ポテンシャルを重要視しているから
中途採用では、即戦力となる人材が採用されることが多いものです。しかし、新卒とさほど大差のない第二新卒は、即戦力となるほどの能力を求められることは少ないでしょう。
第二新卒を迎え入れる企業では、仕事への意欲やポテンシャルを重視した採用活動を行う企業も多く、そのような企業は「未経験歓迎」という形で求人募集を行います。
年齢が上がるほど、同業種・同業界でいかされるスキルが重要視されるため、異業種転職の難易度は上がります。
そのため、異業種へ転職するのであればポテンシャル採用が多い第二新卒時がチャンスと言われているのです。
こちらの記事では、第二新卒のポテンシャル採用について詳しく紹介しています。あわせてお読みください。
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第二新卒の異業種への転職活動におけるポイント
「異業種へ転職をする!」と心に決めた第二新卒は、どのような点に気をつければ転職活動を成功させることができるのでしょうか。転職活動の3つのポイントをご紹介します。
転職理由をポジティブに変換する
企業が第二新卒の採用を進める中で最も懸念するのは「またすぐに退職をしないか?」という点です。
中には「同職種の仕事が辛い」「職場環境が良くない」というようなマイナスな転職理由がある方もいるはずです。しかし、仕事の意欲で評価されることが多い第二新卒の中で、ネガティブな思いをさらしてしまっては転職活動も軌道に乗りません。
転職理由は志望動機とも整合性のあるポジティブな表現を用いて、新しい職場では長く勤めたいという話に繋げるよう心がけましょう。
こちらの記事では、第二新卒の転職理由を好印象に伝えるポイントについて紹介しています。あわせてお読みください。
前職の経験・スキルを結び付ける
第二新卒で異業種への転職を検討している方が悩んでしまうのは、前職の経験やスキルが次の仕事に結び付けられないということでしょう。
しかし、前職で何も得られなかったという方はいませんよね。
勤続年数が短いため、実績や役職などをアピールするのには限界がありますが、採用活動を行う企業もそれは重々承知しています。そのため、前職での経験や身に付けたスキルを通して、企業へどんな貢献ができるのかを自分なりに表現するようにしましょう。
中には、短い期間で退職をしたことに引け目を感じて、学生時代のことばかりを伝えてしまうケースもあるようですが、それでは「前職の経験を活かせない人物」と捉えられかねません。
経験やスキルについて伝える場合は、前職やアルバイト経験などの、実務に結びつきそうなものに焦点をあてるようにしましょう。
転職先でのビジョンを明確にする
新しい職場での仕事は入社するまでわかりませんが、求人情報や企業のホームページからある程度推測は可能です。SNSなどを活用して、積極的に社内の様子を発信している企業も増えています。
先に述べたように、第二新卒は仕事に対する意欲・ポテンシャルが重要視される傾向にあります。意欲やポテンシャルの高さは、入社後のビジョンが明確かどうかで量られることも多いものです。
足りないスキルを補うためにも応募企業の情報収集を入念に行い、入社意欲の高さ、入社後に思い描く働き方やキャリアビジョンを伝えるようにしましょう。
第二新卒・異業種への転職検討者が考えるべきことは?
「本当に異業種に転職すべきなのか…」と、転職に迷いがある第二新卒も少なからずいることでしょう。そんな第二新卒は転職活動を始める前に、どのようなことを考えておけば良いのでしょうか。迷いのある第二新卒の方に考えて欲しい3つのポイントを紹介します。
この先の生き方
特に、学生時代の就職活動にあまり時間を割けなかった、積極的に就職活動を行ってこなかったという第二新卒の方は、今一度自分自身がどんな生き方をしていきたいのかを考えてみることをおすすめします。
実際に社会に出たことで、仕事への価値観やプライベートの大切さに気付いたという方も少なくないはずです。
今後、10年・20年とキャリアを積むにあたって、どのような生き方をしていきたいのかを明確にすることで、仕事に対する考え方や思いにも気づけるはずです。
希望職種・業界についての知識
業界・職種に迷いがあるという方は、現職に籍を置きながら業界・職種の研究を進めてみましょう。
別の業界・職種に就くことで自身のキャリアプランが達成できる目途が立てば、ぜひ転職活動を進めてください。
業界・職種研究を進めてもいまいちしっくり来ないという方にとっては、異業種転職を行うのは時期尚早かもしれません。ストレスを抱える環境下であれば逃げ道を探したくなるものですが、配置変え・企業の方針変更により働きやすい環境へ変わることも考えられます。
環境も重要ですが、仕事の良し悪しは自分のとらえ方によっても変わる部分もあります。
現職場のメリットとデメリット、他の業界・職種・企業のメリット・デメリットを比較したうえで、転職するかどうかを決定するようにしてくださいね。
迷いが消えない時はエージェントに相談する
初めての転職であれば「転職すべきなのか」「転職活動をどう進めるべきか」などわからないことも多いでしょう。そのような場合は、転職エージェントに相談をするのがおすすめです。
多くの転職者からの相談を受けている転職アドバイザーであれば、行きたい業界・職種についての疑問を解消してくれるはずです。また適性があるかどうかや、選考に通過しやすい職務経歴書の書き方なども教えてくれるでしょう。
相談料がかからないサービスが大半ですので、1人で思い悩まず、立ち止まってしまった際には相談をして自分自身を整理してみてはいかがでしょうか。
宿泊業界への転職を検討している方にはこちらの記事もおすすめです。転職のメリットや注意点も紹介していますのであわせてお読みください。
第二新卒の異業種転職は転職エージェントを使おう!
ポテンシャル採用が多い第二新卒は、異業種転職が成功しやすいタイミングでもあります。目指したい職種が明確になっている方は、転職活動をスタートしてみましょう。
転職することを迷ったり、業種や業界が決められなかったりする場合は、転職エージェントを活用しましょう。第二新卒ならではの転職のポイントもアドバイスしてもらえるはずです。
ホテル・旅館など宿泊業への転職を検討している第二新卒の方は「おもてなしHR」にご相談くださいね。