面接で求職者の適性を見極める「良い質問」とは
採用面接は求職者の意欲や経験、社風に合うかなどを見極めるためのものです。判断材料となる情報を集めるためには、適切な質問を投げかける必要があります。
意味のない質問ばかりでは、求職者の適性を測ることができず、内定を出してもミスマッチが起こります。また、求職者にとってもなぜ自分が採用されたのか分からないでしょう。内定を辞退したり、企業に対する興味が失われることになりかねません。
採用面接における良い質問とは、聞く必要性があり、求職者に意図が分かる質問です。
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面接の進め方も良い質問をするには大切
良い質問をスムーズに投げかけるためには、面接の進め方も重要です。面接は、不採用の理由を探すためのものではなく、採用の決め手を見つけるためのもの。求職者が本領を発揮できるように配慮が必要です。
また、面接官は採用の可否を判断するだけでなく、自社の魅力をアピールして入社意欲を高めることも大切な仕事です。円滑な面接は、たとえ不採用にしたとしても企業に対して良い印象を抱いて貰えることでしょう。
せっかく良い質問を用意していても、いきなり本題に入っては面接がスムーズに進みません。まずは「アイスブレイク」と呼ばれる、求職者をリラックスさせるための質問を投げかけましょう。
アイスブレイクに相応しい質問は、下記の通りです。
- 本日はどのような交通手段でお越しになりましたか?
- 寒くないですか?/暑くないですか?
- 昨晩は良く眠れましたか?
- ご自宅からは何分くらいで来られましたか?
- 本日はあいにくの雨ですが、濡れずに来られましたか?
このように、採用の基準とは無関係の質問である程度面接の空気を温めてから本題に入りましょう。求職者の話には適切な相槌を打ち、話しやすい雰囲気を作ることも重要です。
また、適性を判断するためであっても圧迫面接はNG。もはや時代遅れでさまざまなデメリットをもたらします。詳しくは、以下の記事をご参照ください。
面接官のやる気がない意地悪な態度がもたらす採用活動へのデメリット
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
面接における良い質問は求職者から良い答えを導き出せるか
アイスブレイクが終わったら、いよいよ本題に入ります。採用可否の判断材料として引き出すべき情報・その情報を引き出すためにはどのような質問が適切なのか見ていきましょう。一問一答ではなく、背景や理由を探ることが重要です。
志望動機
どの企業の採用面接でも、志望動機は必ず質問しますよね。ダイレクトに「なぜ弊社を志望したのですか」と聞くだけでは、紋切り型の答えが返って来ることが多いのではないでしょうか。
求職者の真意を探るには、以下のように聞き方を工夫しましょう。
- 「何を基準に応募する企業を選んだのですか?」
- 「弊社のどこに魅力を感じたのですか?」
- 「弊社での仕事を通して実現したいのはどのようなことですか?」
具体的な質問を投げかければ、具体的な答えが返って来るはずです。志望動機は採用可否の判断において非常に重要な情報です。掘り下げて聞きましょう。
職務の適性を見極める
職務に適性があるかどうかは、以下の質問で判断できるはずです。
- 「前職での担当業務の内容を詳しく教えてください」
- 「前職での経験を弊社でどのように活かせると思いますか?」
- 「業務の経験は何年くらいですか?」
- 「業務に必要な知識はどのくらいありますか?」
中途採用の場合は即戦力となる人材を採用したいですよね。こうした質問をすればある程度、仕事のスキルを推測することができます。
退職理由の本音を探る
退職した理由について、本当のことを話したがる人はあまり居ないでしょう。ましてや面接の場なら、なおさらです。第三者の目線に立って話してもらう、転職を決めた背景を探る聞き方をしてみましょう。
- 「前職の仲間はあなたの転職についてどう感じると思いますか?」
- 「転職することにご家族・ご友人の反対はありませんでしたか?
- 「転職のきっかけとなった出来事は何ですか?」
- 「こうだったら転職しなかった、と思うことはありますか?」
「なぜ転職しようと思ったのですか?」と聞くよりも、深い所まで引き出せるのではないでしょうか。また「それは転職を考えますよね」「気持ちは分かります」など、共感の言葉を投げかけると、さらに本音を話しやすくなり、効果的です。
メンタルの強さを測る
仕事を長く続けるためには、メンタルの強さは必要不可欠です。以下のような質問で、求職者のメンタル強度を測りましょう。
- 「前職ではどんなことがストレスで、どうやって発散していましたか?」
- 「仕事で失敗したらどうやって気持ちを持ち直しますか?」
- 「人生で一番悔しかったことは何ですか?どのように立ち直りましたか?」
- 「これまでの人生で最も頑張ったのはどんなことですか?」
ホテルなどのサービス業では、ストレス耐性は特に重要です。ストレスを上手く消化できる人材でないと、なかなか長続きしないものですよね。こうした質問で、適性を判断しましょう。
仕事観を探る
仕事観を探ることは、雇用のミスマッチの防止に役立ちます。優秀な人材であっても合う・合わないはありますよね。以下のような質問で、適性を判断できます。
- 「3年後・5年後にはどうなっていたいですか?」
- 「弊社に対してどのようなイメージを持っていますか?」
- 「他にはどんな企業に応募していますか?」
- 「働くモチベーションを高めるものは何ですか?」
求職者が抱いているイメージと、企業の実態の乖離が大きいほどギャップを感じて早期離職のリスクが高いため、2番目の質問は特に有効です。
想定外の事態への対処能力を見る
求職者は、志望動機や仕事観を聞かれることを想定し、答えを準備しているものです。そこに、想定できないような質問を投げかけることによって、咄嗟の事態に対処する能力の有無を見ることができます。
- 「無人島にひとつだけ持っていくなら何にしますか?」
- 「あなたを文房具に例えると何ですか?」
- 「特殊能力をひとつだけ身に着けられるとしたらどんな能力が欲しいですか?」
こうした質問は、何と答えるかではなく、しどろもどろにならず筋道の通った回答ができるかどうかが重要です。
入社意欲を高める質問
入社の意欲を高めることも、面接官の重要な仕事でしたよね。以下のような質問は、求職者に企業をより魅力的なものだと思わせます。
- 「入社したらどのような仕事をしたいですか?」
- 「弊社の今後の展望をどう考えますか?」
- 「弊社の仕事にどのような社会的意義を感じますか?」
求職者にポジティブなことを語らせる質問を投げかけることで、仕事観を確認できるとともに、入社意欲を高める効果が期待できるのです。
逆質問
面接官から求職者への質問が一通り終わったら、必ず「逆質問」を投げかけましょう。逆質問とは、求職者から企業側へ、聞きたいことを聞いてもらうための質問です。
- 「こちらからの質問は以上ですが、○○様から弊社に対する質問はありますか?」
- 「採用となった場合、入社後の不安に思っていることはありませんか?」
- 「業務内容などについて聞いておきたいことはありますか?」
こうした逆質問が無いまま面接を終えると、一方的な面接だったとう印象を与えます。また、求職者が疑問を抱えていても質問の機会が与えられないため、内定を出しても「あのことが不安だから辞退しよう」と思われるリスクを生んでしまいます。
面接の締めくくりには、必ず逆質問を設けてくださいね。
ホテル・旅館業界の面接における良い質問とは?
宿泊業界は、突出して離職率の高い業界です。離職する理由は、勤務時間の長さや体力が持たないといったこともありますが「憧れ・イメージと現実の業務のギャップ」も多く上げられています。
ホテル・旅館の仕事に夢や希望をも持つ前向きな人材ほど、このギャップに苦しむ傾向があると言われています。このミスマッチを未然に防ぐためには、宿泊業界においての自分の未来をどう描いているかを質問することが有効です。
「5年後、10年後にはどうなっていたいですか?」「このホテルをこんな風にしたい、という考えはありますか?」といった質問に、具体的かつ実現可能な回答ができる人材は有望です。
また、求職者の思い描くイメージと、現実の業務がかけ離れすぎているのであれば、実際はどうなのかを伝えてください。そこで目標を新たにして宿泊業界で頑張るという人も居れば、就職を考え直す人も居るでしょう。
採用したいと思っていた人材が辞退する恐れがありますが、入社・即退職を防ぐためには有効な質問です。
面接時は良い質問で求職者の良い部分を引き出そう
採用活動をスムーズに進めるためには、意義のある質問・円滑な面接の雰囲気づくりが大切です。面接官のみなさんはぜひ、求職者の良い部分を引き出せるように工夫しましょう。
より効率的な採用支援サービスの活用が有効ですが、ホテル・旅館の採用活動にぜひおすすめしたいのは、おもてなしHRのサービスです。おもてなしHRが他の採用支援サービスと異なるのは、ホテル・旅館に特化している点です。
登録している求職者は、宿泊業界を志望している人材、興味を持っている人材が中心。求人広告を宿泊業界に関心のある人材に向けて発信することができるのです。
また、専任アドバイザーが希望条件に合った人材を紹介し、面接日時の調整を行います。採用活動に関わる時間や手間をカットでき、最も重要な選考に力を注げるようになるでしょう。日本全国をカバーするサービスですので、ぜひ導入をご検討ください。