人手不足が深刻なホテルの客室清掃係。業務効率化や人材確保のためにできる工夫とは

客室清掃係はホテルにとって必要不可欠な存在です。しかし、深刻な人手不足の状況にあるという施設も多いかもしれません。客室清掃係の人手不足が続くことで、ホテルにはどのような悪影響があるのでしょうか。少人数で業務を効率的に進める方法や、人材を確保するためにできる工夫と併せて見ていきましょう。

目次

    【ホテルの客室清掃係】人手不足の現状

    客室清掃係

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    人手不足が深刻といわれる宿泊業界。フロントスタッフやベルスタッフなどの接客業務だけでなく、客室清掃係などのバックヤード業務においても人材確保に苦心しているホテルが多いようです。

     

    人手不足がどのくらい深刻なのか、データで見ていきましょう。

     

    生産年齢人口

     

    生産年齢とは、生産活動の中心となる15歳〜65歳の人口のことです。

     

    日本の生産年齢人口は、1995年をピークに減少しています。社会に出て働ける年齢の人が少ないため、どの業界も人員確保が困難になっているのではないでしょうか。

     

    また、2025年には800万人が75歳以上の後期高齢者となり、生産年齢人口がますます減ることが予測されています。

     

    出典:生産年齢人口の減少/総務省

     

    宿泊業の有効求人倍率

     

    2024年3月における全産業の有効求人倍率は平均1.17倍。ホテル業が含まれる「接客・給仕職業従事者」の有効求人倍率は平均3.06倍で、平均よりもはるかに多くの人材が求められている状況です。

     

    そしてホテルや旅館における客室清掃係や整備担当者のみの有効求人倍率では、2022年時点のデータで2.74倍でした。こちらもやはり高い数値で、人手不足の深刻さが伺えます。

     

    出典:

    2024年3月の有効求人倍率/厚生労働省
    客室清掃係・整備担当者の有効求人倍率/職業情報提供サイト jobtag

     

    【ホテルの客室清掃係の人手不足】引き起こされる悪影響

     

    ホテルの客室清掃係が不足することで、どのような問題が起こるのでしょうか。代表的な例を見ていきましょう。

     

    既存の客室清掃係の負担が増える

     

    客室清掃係には「何時間でひとり何部屋」というノルマが決められていることが一般的。人手不足のホテルでは、1人あたりのノルマが重くなりがちです。

     

    その分待遇を手厚くするなど工夫できる部分もありますが、この仕事はどうしても体力勝負です。ノルマをこなすだけの体力がない人から辞めていき、残った人の負担がさらに増えるといった悪循環に陥るホテルもあるでしょう。

     

    顧客満足度が低下する

     

    お客様にとって、ホテルが清潔であることは当たり前です。人手不足で清掃が行き届かず、髪の毛や埃などの汚れが残っていたら、ホテル全体の印象が非常に悪くなることでしょう。

     

    口コミサイトやSNSを通じ、悪い評判が広がるおそれもあります。

     

    販売可能な客室数が減る

     

    客室を清掃できるタイミングは、チェックアウトとチェックインの間の時間帯のみです。

     

    作業時間が限られているため、客室清掃係の人数が少なければ清掃できる客室の数は少なくなります。客室清掃が間に合わず、空室があっても販売できないといったケースもあるでしょう。

     

    【ホテルの客室清掃係人手不足】対処方法

     

    客室清掃係の人手不足が常態化しているホテルでは、どのような対処が必要なのでしょうか。業務効率化と人材確保の2つの視点で考えていきましょう。

     

    業務効率化のための工夫

     

    少ない人材で効率的に客室清掃を行うためには、業務効率化が不可欠です。以下のような取り組みを検討してはいかがでしょうか。

     

    【清掃マニュアルの作成・見直し】

     

    清掃マニュアルがない場合は作成を、何年も同じマニュアルを使っている場合は見直しを行いましょう。

     

    効率的に清掃するための手順や、ひとつの工程の標準時間などを明確にすることで、手順に迷ったり時間をかけすぎたりすることを防げるはずです。

     

    【清掃道具の買い替え・置き場所の見直し】

     

    壊れて使いにくくなっている清掃道具を新しいものにする、便利な機能がついた道具をそろえるなどで効率があがることが期待できるでしょう。

     

    また、清掃道具を置く場所を変えることで清掃がスムーズになるかもしれません。客室への動線を考えて、今の置き場が適切かどうか見直してみましょう。

     

    【ICTツールの活用】

     

    チェックアウト済みの客室をひと目で把握できるシステムや、中身の回収が必要なことを知らせてくれるゴミ箱などもあります。

     

    活用すれば、スタッフ同士のやりとりや、確認作業にかかる時間を削減し、客室清掃に使える時間が増えるかもしれません。

     

    【清掃ロボットの導入】

     

    自動で清掃してくれるロボットの活用も選択肢のひとつです。カーペットのごみを吸引したり床をみがいたりといった作業は、ロボットに任せられます。

     

    ロボットが床の清掃を行っている間に、清掃係が調度品の埃をはらったりアメニティを補充したりといった業務をすることで、効率的に役割分担ができるでしょう。

     

    人材確保のための工夫

     

    効率化によって解消できない部分は、人手確保のための工夫が必要です。人材確保の競争が激しい中で十分な人手を確保するためにどのような工夫ができるのか見ていきましょう。

     

    【雇用条件を見直す】

     

    仕事を選ぶ上で賃金を重視する人は多いはず。

     

    2022年におけるホテルや旅館の客室清掃係・整備担当者の求人賃金は月21万6000円が平均でした。時給制の場合は1100円前後が相場といわれています。賃金は地域によって開きがありますが、この賃金を下回っている求人には応募が集まらないかもしれません。

     

    また、通勤手当の有無など、福利厚生の見直しも重要です。

     

    出典:客室清掃係・整備担当者の求人賃金/職業情報提供サイト jobtag

     

    【人材確保の方法を見直す】

     

    ホテルの客室清掃係を採用する手段はさまざまです。直接雇用するほか、派遣社員を雇ったり外注の清掃会社に依頼したりといった方法もあります。

     

    例えば「過疎地域でぜんぜん応募がこない……」という場合、直接雇用よりも清掃会社に依頼した方がスムーズにいくこともありそうです。ホテルの立地場所や周辺住民の年齢層なども考慮し、適切な方法を選びましょう。

     

    また、「直接雇用したいけど、よい人が見つからない」という場合は、採用支援サービスの活用もおすすめ。おもてなしHRは、宿泊業界に特化した採用支援サービスです。客室清掃の経験がある求職者や、ホテルの仕事に関心を持っている求職者が多数登録しているので、ぜひご相談ください。

     

     

    【働きやすい環境を整える】

     

    2022年上半期における宿泊業・飲食サービス業の離職率は、15.0%。全産業で最も高い数値です。

     

    採用しても、すぐに辞めてしまっては意味がありません。雇い入れた人材に長く働いてもらうためには働きやすい環境を整えることが大切でしょう。丁寧な研修や定期的な面談など、不安や悩みを解消できる機会を作ることが重要です。

     

    また、客室清掃はペアで行うことが多く、対人関係のトラブルが起こりやすいといわれています。きめ細やかなフォローで気持ちよく働ける環境にしていきましょう。

     

    出典:産業別の入職と離職の状況/厚生労働省

     

    ホテルの客室清掃係の人手不足は放置NG

    客室

    ImageFlow- stock.adobe.com

     

    客室清掃係の人手不足は、ホテルの存続を左右する問題です。清潔な客室を保つことは、ホテルの運営において基本中の基本です。それを十分にできない状況を放置することは避けましょう。

     

    「客室清掃係を募集しても応募がない……」「雇い入れてもすぐに辞めてしまう……」といった状況に悩んでいるのであれば、おもてなしHRにご相談ください。宿泊業に関心の高い求職者に向けた求人掲載のほか、求人広告の作成や人材紹介といったサポートを提供しています。

     

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