レストランはキャンセル料を請求できる?
キャンセルによって損害を与えられたときは、「債務不履行(民法第415条)」「不法行為(民法第709条)」という民法が成立します。
そのため、レストランは損害分を損害賠償請求としてキャンセル料を請求することが可能です。
まずは、きちんとキャンセルポリシーを設け、その上で規定についてお客様に把握してもらう必要があります。
キャンセル料の算定は、レストランごとにさまざまです。コース料理の予約の場合だったり席のみの予約の場合だったり、予約状況によっても異なります。
請求するときは電話やメール、SNS、書類の郵送などで相手に連絡を入れましょう。キャンセル料の請求に特化したサービスも展開されていますので、活用するのもひとつの手です。
請求の催促をしても一向に支払われる様子がない場合は、法的な手続きをおこなう必要があります。
出典:民法/e-Gov法令検索
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レストランのキャンセル料の設定方法
キャンセル料を設定しようと考えても、どのように決めれば良いのか悩むこともありますよね。ここでは、レストランのキャンセル料の設定方法を紹介します。
法律的なキャンセル料
消費者契約法の第九条の第1項には、以下のように明記されています。
次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
上記はお客様に請求できるキャンセル料はレストランが損害を受けた分の金額のみということを示しています。
レストラン側が自由にキャンセル料を定められるわけではないということですね。
また、お客様側はレストランが事前にキャンセルについて規定を設けていた場合は、そのルールにしたがわなければなりません。だからこそ、キャンセルポリシーの確立が重要なのです。
キャンセル料の基準
キャンセル料は、レストランが受けた損害額に応じて設定しましょう。
キャンセル料を設定する際の基準として、一般的には以下のような要素を踏まえて考えられています。
【1】人数
人数によって損害額は異なりますよね。
「少人数の場合」「団体予約または座席を広く占める場合」など、人数・座席に応じてキャンセル料を設定したほうが被害を抑えられるでしょう。
【2】タイミング
- 3日前までは予約時の合計金額の0%~30%
- 前日までは予約時の合計金額の30%~50%
- 当日は予約時の合計金額の50%~100%
というようにキャンセルが入った日時によって、料金を変動させます。
「予約前日〇時までに電話を入れればキャンセル料は無料」としているレストランもあります。
【3】予約状況
コース料理の予約だったり席のみの予約だったりと、レストランによって予約プランはさまざまです。
予約状況に応じて個々にキャンセル料を設定したほうが、妥当に取引ができるため、お客様とのトラブルも避けられます。
例えば、コース料理の場合は事前に食材を用意し、下準備をしてしまっていることもありますよね。そのため、「当日または前日〇時以降のキャンセルは50%〜100%を請求」としているレストランが一般的です。
席のみの予約では、キャンセル料は取らないところが多いように見受けられます。
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レストランで無断キャンセルされた場合
無断キャンセルとは、お客様がキャンセルの連絡をお店に入れず、当日になっても来店しないことを指します。「ノーショー」と呼ばれることも多いです。
お客様の中には、きちんと電話でキャンセルを入れる方もいれば、無断でキャンセルをする方も少なからず存在します。
無断キャンセルが起きたときは、予約時の合計金額のうち50%〜100%をキャンセル料として請求するところが多いようです。
無断キャンセルが起こるということは、その分空席ができてしまうということ。
空席にしている間に新規のお客様が訪れても、満席であれば案内することができません。
レストランによっては、料理や食材を破棄しなければならなかったり、大人数に対応するために余裕をもってスタッフを配置したりしていることもあるはずです。
無断キャンセルによってさまざまな損害が発生するため、キャンセル料の規定の中でも、無断キャンセルの扱い方については注意して取り決めましょう。
レストランのキャンセル料に関する対策
キャンセルが発生しないためにレストラン側ができる対策には、次のようなものがあります。
- キャンセルポリシーをお客様にきちんと伝える
- キャンセル料に関するルールを設ける
- 連絡先を控えておく
- 予約のリマインドでメールを送る
キャンセルポリシーは口頭で伝えることはもちろん、予約ページなどに記載しておくことも大切です。
また、ルールがざっくりしていると、何かとトラブルが起こるおそれがあります。「当日キャンセルの場合」「無断キャンセルの場合」など、細かく規定を設けましょう。
滅多に起こりませんが、無断キャンセルが何度も続いて注意しても直らないときは、入店拒否を考える必要があるかもしれません。
レストランで働くならキャンセル料をきちんと設けよう
レストランの経営者はもちろん、携わる従業員もきちんとキャンセルの取り扱いについて理解しておかなければなりません。
損害を出さないためにも、規定をしっかりと設けたり対策を取ったり、工夫を施していきましょう。