女性の仕事にハイヒールは必要か?

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フォーマルな身だしなみが必要な仕事において、女性はハイヒールの着用を義務付けられることが多いですよね。しかし、ハイヒールは体に掛かる負担が大きい靴であり、ハイヒールの強要に反発する声が高まっています。
SNSでは「靴」と「苦痛」を掛けた造語のハッシュタグ「#KuToo」の投稿が話題です。女性が仕事をするのに、ハイヒールの着用は本当に必要なことなのでしょうか。
女性がハイヒールの着用を義務付けられやすい職業

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ハイヒールを履く女性の仕事と言うと、どんな職業を思い浮かべますか?
代表的なのは外回りの営業、銀行員や秘書などの真面目なイメージが求められる仕事や、キャビンアテンダントやアパレル店員、美容師などの華やかさを大切にする仕事ですね。内勤のOLでも、ハイヒールを指定されることもあります。
そして、ホテルウーマンもハイヒールの着用を義務付けられることが多いです。
仕事でハイヒールを履くことによるデメリット

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ハイヒールは、スタイルを良く見せ、フォーマルな雰囲気を演出できるというメリットがあります。働く女性のハイヒールは社会通念として浸透しているため、着用の義務付けに特に疑問を感じていないという人も居ます。
しかし、長時間着用することによるデメリットは大きく、♯KuTooのように悲鳴を上げる女性が増えています。ハイヒールを履くことによるデメリットを見ていきましょう。
ケガや病気の原因になる恐れ
つま先が細く、常に背伸びをした姿勢になるハイヒールは、ケガや足腰の病気の原因となる恐れがあります。靴ずれや爪割れ、捻挫などの他、外反母趾などの足の変形がひどくなって、外科手術を受けることになったケースもあります。
ケガや病気を防ぐために、通勤中はスニーカーにするなどの工夫をしている人も居ます。職場での履き替えは、荷物が増えて大変ですよね。
本人も周りも危ない
ハイヒールは不安定で、バランスを崩しやすい靴です。転んだり、階段から落ちたり、周りを巻き込み被害が拡大することもあります。
また、ブレーキペダルやアクセルペダルを踏み込む感覚が鈍るなど、自動車の運転にも危険が伴います。
非常時の避難が遅れる
突然の火事や地震で避難をする際も、ハイヒールは危険です。平常時でも転倒や転落のリスクが高くありますが、災害の転倒・転落は特に恐ろしく、命を危険に晒します。
東日本大震災や熊本地震を期に、ハイヒールの着用義務付けを見直す企業が増えています。従業員の身の安全を最優先に考えましょう。
ヒールの消耗が激しい
仕事中の服装は、ヒール部分の消耗はどうしても激しくなり、頻繁な買い替えが必要になります。ユニフォームは支給されても靴は自前の場合が多いですよね。毎日長時間ハイヒールを履けば、体重が掛かるヒールの部分が激しく消耗します。
かかとの低いパンプスやローファーなどであれば、もっと長持ちしますがハイヒールは大体1ヵ月半くらいで買い替えが必要となり、費用を負担に感じる女性が多いのです。
ホテルの仕事にハイヒールの着用は適切?

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仕事中にハイヒールを履き続けることのデメリットを見てきましたが、ホテルの業務においてもハイヒールの着用義務付けにはさまざまなデメリットがあります。
身なりをフォーマルに整えることはもちろん必要ですが、重い荷物を運んだり、お客様を案内して歩くことが多いホテルでは、ハイヒールの着用は少なからず負担になるでしょう。
足腰を痛めて労災となったり、転倒・転落にお客様を巻き込んで、ケガをさせるようなことがあっては一大事です。また、足音が響いて耳障りになるなど、快適さの提供という観点からしても良くない面があります。
ヒールが低くても、ホテルのパリッとした制服に似合う靴はあるはずです。そもそもハイヒールでなければならない理由がありませんよね。ホテル業でハイヒールの着用を義務付けるのは、合理的とは言えないのではないでしょうか。
服装規定について企業に確認しよう

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身体への負担や安全面を考えると、ハイヒール着用の強要は適切とは言えないことです。せっかく就職しても、ハイヒールの強要が辛くて仕事を辞めてしまう女性が後を絶ちません。
応募を考えている企業にハイヒール強要の不安がある場合は、入社前に服装の規定について確認するようにしてくださいね