働く上で知っておきたい鹿塩温泉の特徴
鹿塩温泉は、長野県の赤石山脈と塩見岳の間にある大鹿村の温泉地です。
大鹿村は標高約750mに位置し、そこに湧く温泉は、まさに「秘湯」といえるでしょう。ここでは、鹿塩温泉の概要やアクセス、泉質などについて焦点をあてていきます。
鹿塩温泉の概要とアクセス
「鹿塩温泉」は、鹿がこの地に湧き出た塩分を含む水を飲んでいたことから、その名がついたといわれる温泉です。
山奥の温泉地でありながら、アクセスは比較的便利です。公共交通機関の場合はJR伊那大島駅からバスに乗り、「大鹿村鹿塩バス停」に向かいます。温泉地はバス停から徒歩10分ほどで、宿によっては送迎サービスを利用できることも。
自家用車の場合は中央自動車道の松川ICで降り、県道59号線を走行します。ただし、季節や天候によっては道路が封鎖されることもあるので、道路交通情報はしっかりチェックしてくださいね。
鹿塩温泉の開湯伝説
鹿塩温泉にはふたつの開湯伝説が残されています。
ひとつは昔、諏訪大社(すわたいしゃ)から、「建御名方命(たてみなかたのみこと)」という神がこの地に移り住み、温泉を見つけたという話です。
「建御名方命」は、鹿狩りをするのが大好きだったといわれています。ある日、いつもの通り鹿狩りをしていると、鹿が湧き出ている水を好んで飲んでいる姿がありました。「建御名方命」は不思議に思い調べると、塩分が含まれていることがわかったといわれています。
そしてもうひとつは、弘法大師にまつわる伝説です。この地を訪れた弘法大師が、塩のない生活に苦しむ村人をみて嘆き悲しみ、持っていた杖で地を突きました。すると、塩水が湧き出たという伝説です。
鹿塩温泉の泉質と効能・温泉と鉱泉
鹿塩温泉は標高約750mに位置しているにもかかわらず、強い塩分が含まれており、その濃度は海水並みと言われています。しかし、塩水が湧き出る原因は現代でもわかっていないそう。謎に包まれた不思議な温泉といえるでしょう。
鹿塩温泉の泉質は、ナトリウム-強塩化物泉です。この泉質は塩分が主成分で、温泉に入浴すると塩分により汗の蒸発を防ぐ効果があるといわれておいます。そのため、保温効果が高く、湯冷めしにくいことが特徴。「熱の湯」とも呼ばれることもあり、切り傷や冷え性などへの効果も期待できます。
また、塩分が主成分のため口に含むと塩辛く感じます。塩分の濃度が濃い場合やマグネシウムが多い場合は、苦く感じることもあるそう。
鹿塩温泉の特産品
海水と変わらないほどの塩分濃度を持つ「鹿塩温泉」。その塩水を使って作られた塩は、大鹿村の特産品「山塩」として販売されています。一般的な塩に比べて作ることが難しいため、「幻の塩」とも呼ばれています。
山塩作りは明治時代から始まりました。しかし、「塩専売制度」という制度ができ、民間での塩作りができなくなり途絶えてしまいます。その後、平成に入り、昔ながらの塩作りを復活させ、現在に至ります。
「塩」は料理には欠かせない調味料です。そのため、鹿塩温泉周辺にある宿泊施設では、この「山塩」を使った料理が振る舞われます。ここで作られている塩は、他の塩と比べて塩気の中にほのかな甘みがあることが特徴です。
鹿塩温泉周辺の観光地
山々に囲まれた標高約750mにある温泉地周辺には、「大池高原」という高原があります。標高が高いことから、澄んだ空気と目の前に広がる大自然を満喫できる場所。夜は天体観測を楽しめます。
また、「大池高原」の敷地内には農園があります。初夏になると「幻の花」といわれている、青いケシ(ブルーポピー)の花が咲き誇るそう。多くの写真家や愛好家たちが訪れる場所です。
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鹿塩温泉の旅館・ホテルでの働き方
鹿塩温泉は「秘湯」と呼ぶにふさわしい温泉です。宿泊施設は非常に少なく、求人情報はレアかもしれません。
しかしチャンスをつかめば、独特の魅力を持つこの地の温泉旅館で働ける可能性はあります。旅館は日本の良き文化「おもてなし」を感じることができる場所のひとつ。ホテルのように役割分担が明確でなく、お客様と接する機会が多いことが特徴です。
また、日本では外国人観光客が増え、旅館でもお品書きなどを英語表記にする工夫がされています。旅館で働くのに必要な資格はありませんが、英語ができると役に立つでしょう。
接客スキルや語学スキルをみがきながら、鹿塩温泉周辺の求人情報をこまめにチェックしてみてくださいね。
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山奥でありながら海水と同じ濃度を持つ温泉が湧きだし、昔からこの地に住む人たちの身体を癒やしてきた鹿塩温泉。「こんな温泉地で働いてみたい!」という方は、おもてなしHRにご登録ください。