パティシエを辞めたくなる理由
パティシエの新卒離職率は非常に高く、1年以内に辞める人が7割、10年以内でほとんどの人が辞めてしまうと言われています。
「すてきな洋菓子を作りたい!」という希望を抱いてパティシエになったはずなのに、多くの人が辞めてしまうのはどうしてなのでしょうか。パティシエを辞めたくなる理由を見ていきましょう。
労働時間が長い
パティシエは朝早くから清掃や仕込みのために出社し、帰宅は夜おそくになることが珍しくありません。クリスマスやバレンタインといったイベントの時期は家に帰れないほど忙しくなることも。
また、パティシエは職人の世界なので、技術を磨くことが最優先事項。休憩時間や退勤後に自主練習をするなど、休んだりプライベートを楽しんだりする時間が取れないこともあるでしょう。
身体がきつい
立ち仕事が基本で手先を使うパティシエは、身体にかかる負担が大きくなりがちです。
切り傷や火傷は日常茶飯事。腰痛や腱鞘炎がひどくなり、辞めざるを得なくなることもあるでしょう。
対人関係がむずかしい
パティシエの職場には、師弟関係・上下関係があることが一般的です。「厳しい指導」は育成のために必要なことですが、いじめやパワハラが起こりやすい環境かもしれません。
また、お菓子作りに対する考え方の違いで衝突することもあるでしょう。チームワークでお菓子を作る職場において、対人関係がこじれると非常に苦労することになります。
給料が低い
パティシエは仕事がハードな割に、給料が低い傾向が見られます。洋菓子製造業・パティシエの平均年収は、約345万円(2022年)。
一般的な会社員と比べて極端に低いわけではありませんが、朝から晩まで働いてこの収入では「割に合わない」と感じる方もいるでしょう。また、平均年齢は43.6歳で、大ベテランとなって高い収入を得ているパティシエは、そう多くないことが伺えます。
参考:洋菓子製造業・パティシエの年収と平均年齢について/職業情報提供サイト Jobtag
下積みがつらい
就業先によっては、新人には掃除やフルーツの皮むきといった雑用しかやらせない方針の場合もあります。
昔ながらの職人修行に疑問を抱いたり「これでは洋菓子作りが上達しない……」とあせりを感じてつらくなったりすることもあるでしょう。
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パティシエを辞めたいと思ったらどうする?
パティシエを辞めたいと思う理由として多く挙げられるのは「お菓子作りが嫌いになった」ではなく「労働環境がきつい」ということではないでしょうか。
プロになるほど好きだったお菓子作りの道をあきらめるのは、もったいないかもしれません。パティシエを辞めたいと思った時の対処方法を見てみましょう。
上司や責任者に相談する
労働環境がつらいのであれば、「みんな我慢して働いているから」「この店ではこれが当たり前だから」と思い込まず、上司や責任者に相談してみることをおすすめします。
パティシエは離職率が高く、人手不足の職業。雇う側としても辞められては困るはずです。何とかして負担を減らす方法を考えてくれるかもしれません。
労働基準監督署に相談する
パティシエが「職人の世界」だとは言っても、労働基準法は守らなければなりません。
タイムカードを切った後や、休憩時間の自主練習を強要されたり、月45時間を超える残業が常態化していたりする場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。
転職する
労働環境が整った職場への転職も、ひとつの選択肢です。チェーン展開している洋菓子店や大きなホテルなどは、労働基準法を遵守している傾向にあります。転職情報サイトの口コミなどを参考に、働きやすい職場を探して転職を検討してもよいでしょう。
なお、ホテルのパティシエも非常にやりがいのある仕事です。ウエディングケーキの制作など、ホテルならではの経験ができる場合もあるので、ぜひ視野に入れてくださいね。
洋菓子作りとの関わり方を見直す
パティシエという職業でなくとも、洋菓子作りと関わることはできるはずです。たとえば、製菓材料店の販売員や食品メーカー勤務、料理教室の講師といった道を探ってみてはいかがでしょうか。
また、他の仕事をしながら副業としてワークショップを開いたり、イベントに出展したりといったやり方もあります。自分が幸せを感じられる、洋菓子作りとの関わり方を検討してくださいね。
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パティシエを辞めたい方は転職エージェントへの相談もおすすめ
「パティシエを辞めたい……」と悩んでいる方は、転職エージェントへの相談をおすすめします。この先、洋菓子作りとどのように関わっていきたいのかも含めて相談すれば、新しい道が開けるかもしれません。
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