タビマエ・タビナカ・タビアトとは?
これからの観光業では「タビマエ・タビナカ・タビアト」の対応が重要と言われています。タビマエ・タビナカ・タビアトとは旅行の段階を表す言葉で、主にインバウンド客に対して使用され、それぞれの意味は以下の通りです。
- タビマエ=旅行に行く前
- タビナカ=旅行中
- タビアト=旅行が終わった後
インバウンド客の誘致やリピーターの獲得を成功させる鍵は、それぞれの段階に適した対応かもしれません。タビマエ・タビナカ・タビアトで旅行者が求める情報・サービスや、取り組み事例を見ていきましょう。
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タビマエ・タビナカ・タビアトで旅行者が求めること
タビマエ・タビナカ・タビアトの、どの段階にあるかによって、旅行者のニーズは変化します。それぞれの段階で旅行者が取る行動や、求める情報・サービスを見ていきましょう。
タビマエ
タビマエは旅行の計画を立てて、わくわくしている段階です。主な目的を決め、立ち寄る場所や宿泊施設、食事場所などを探す他、旅行で使うトランクやポーチなどの購入を検討するケースもあります。
この段階で旅行者が求めているのは、自分の興味に合った観光施設やアクティビティの情報です。また、現地に行く前に疑問点を解消し、安心して出かけたいと考えるのではないでしょうか。お得な情報を探す人も多いでしょう。
タビナカ
タビナカは目的地に到着し、観光やアクティビティを行う段階です。タビナカで重要なのは、楽しく快適に過ごすことです。具体的にはスムーズに移動することや、長時間待たずにサービスを受けることなどが挙げられます。
そこで重要なのは、リアルタイムの情報です。デジタルに慣れた旅行者であれば、交通機関の運行状況や店舗・施設の混雑状況、売り切れ情報などを調べながら行動するのではないでしょうか。
また、SNSを使って自分の体験をリアルタイムで友人・知人にシェアする旅行者も多いでしょう。タビナカの旅行者を獲得したり、口コミで集客したりするためには「リアルタイム」を意識することが必要です。
タビアト
タビアトは、旅行を振り返って余韻にひたる段階です。この段階で「良い旅だった」と思われるかどうかが、リピート利用の有無を左右するのではないでしょうか。良い思い出を作れたのであれば「次に訪れたら何をしようか」という大まかな計画を考え始める場合もあるでしょう。
自身のブログやSNSで旅行記を公開したり、友人・知人に旅行の話をしたりすることもあり、新規顧客の獲得につながるかもしれません。
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タビマエ・タビナカ・タビアトへのアプローチ事例
タビマエ・タビナカ・タビアトのそれぞれの段階において、どのようなアプローチができるのでしょうか。いくつかの事例を見てみましょう。
パーソナライズした情報提供
現代の観光業において、ITツールは必要不可欠。ある企業が提供するCRM(顧客管理ツール)は、パーソナライズした観光情報の提供で、タビマエ・タビナカの誘致に効果が期待できます。
観光情報サイトなどに設置したアンケートに回答することで登録される仕組みで、アンケートには旅行の期間や旅行形態、趣味・興味といった項目があります。それらに回答することで、旅行のスタイルや、趣味・興味にマッチした情報が配信されるのです。
タビナカにおいても、旅程に応じた適切なタイミングで適切な情報が配信されるとのこと。行動履歴や興味・感心がシステムに蓄積され、利用されるほど精度が高まることが特徴です。
越境EC
越境ECとは国境を超えて取引を行う電子商取引で、一般的にはネット通販のことを指します。ネット通販で海外へ商品を届けることは、タビアトの消費活動を促すことにつながるでしょう。
デジタルマーケティング事業を手がけているある企業では、日本と中国をつなぐ越境ECを提供しています。ただ日本の商品を販売するだけでなく、メーカーによる動画配信などを行うことで人気を得ているようです。
タビアトの段階で「日本で食べて気に入った食品を取り寄せたい!」「買いそびれたお土産を購入したい!」という旅行者は、一定数いるはずです。特産品などの販売ルートとして検討してはいかがでしょうか。
タビマエ・タビナカ・タビアトのフォローで観光業を盛り上げよう!
旅は計画を立てる段階から始まっています。また、旅程を終えて帰宅しても、そこで完全に終わるわけではありません。段階ごとに適したフォローで、観光業を盛り上げましょう!
なお、ホテル・旅館の仕事を探す際にはおもてなしHRが力になります。