退職時は有給を消化しよう!
有給は労働者の権利で、勤続年数に応じて一定以上の日数を付与することが法律で義務づけられています。出勤しなくても働いた日と同じ給料がもらえるため、使わないのは損です。退職する時にも、しっかり消化したいところですよね。
この記事では、退職日までに有給を使い切る際のポイントや、押さえておきたい注意事項などについて解説します。悔いを残さず退職するための、参考にしてくださいね。
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退職時に有給を消化するためのポイント3選
有給は退職日を迎えるとともに消滅してしまいます。むだなく消化するためのポイントを見ていきましょう。
有給の残日数を把握する
退職を決めたら、有給の残日数を確認しましょう。勤怠管理システムや、給与明細に記載されていることが一般的ですが、確認方法が分からない場合は労務担当者などに聞いてみると良いでしょう。
継続勤務年数に対する付与日数は、以下の通り法律で義務づけられています(通常の労働者の付与日数)。
- ・継続勤務年数0.5年→有給付与日数10日
- ・継続勤務年数1.5年→有給付与日数11日
- ・継続勤務年数2.5年→有給付与日数12日
- ・継続勤務年数3.5年→有給付与日数14日
- ・継続勤務年数4.5年→有給付与日数16日
- ・継続勤務年数5.5年→有給付与日数18日
- ・継続勤務年数6.5年以上→有給付与日数20日
長く勤めていた人や、あまり取得してこなかった人は、かなりの日数が残っているかもしれません。
退職の意思を固めた時点から計画を立てる
「退職時に有給を消化する」と聞くと、退職のタイミングでまとめて使うことをイメージする人が多いのではないでしょうか。
転職先に入社する準備などにあてられるため、都合の良い取り方です。しかし、退職手続きや業務の引継ぎがスムーズに運ぶとは限りません。確実に消化することを考慮するなら、退職の意思を固めた時点から計画的に使っていくこともおすすめです。
有給の使い方はもちろん自由です。しかし、辞める職場になるべく迷惑を掛けずに消化することも意識した方が、円満退職しやすいでしょう。
退職のめどが立ったら素早く上司に報告する
転職活動で内定が出た時など、退職が決定事項になった際には、素早く上司に報告しましょう。従業員が辞める際には、会社側にも準備が必要です。後任者を決めたり、業務の引継ぎをしたりといったことにはある程度の時間がかかるもの。
辞める時期の目安を伝えつつ、有給消化についても相談しておけば、お互いにスケジュールが立てやすくなるはずです。
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退職時の有給消化における注意点5選
有給に関するルールや仕組みを知らないと、うっかり損してしまったり勤務先・転職先に迷惑を掛けてしまったりすることがあります。
注意が必要なポイントを見ていきましょう。
有給取得の拒否は違法
まずしっかりと認識しておくべきことは、企業は従業員が有給を使うことを拒否できないということです。業務上、やむを得ない事情がある場合に時期をずらして取得させることは認められていますが、使用を拒むことは違法なのです。
これは従業員が退職する時にも変わらないルール。何かと理由をつけて有給を使わせないようにしてくるのであれば、労働基準監督署など、適切な窓口に相談しましょう。
残日数を買い取ってもらえることも
また、どうしても引継ぎが間に合わないなどの理由で、退職日までに有給を消化しきれない場合には、残日数を買い取ってもらえる可能性があります。有給休暇の買取は原則、禁止されていますが、就業規則に定めがあれば、その限りではありません。
「どうしても間に合わないから……」と諦める前に、就業規則を確認し、上司などに相談しましょう。
ボーナスの時期は退職日に注意
退職の際は、ボーナスを損しないように注意したいもの。ボーナスの支給日が最終出勤日の後でも、有給休暇を消化しつつ在籍している状態であれば、ボーナスは受給できます。
ただし、ボーナス支給日前に退職する旨を伝えると「将来の期待値」がなくなるため、減額されることが一般的。
ボーナスにこだわりすぎて退職日が先になり、転職先に迷惑を掛けることも避けたいものですが、なるべく損しないようにスケジュールを立てましょう。
ボーナスを損せず退職する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
二重就労の禁止に注意
最終出勤日が過ぎて、有給を消化している段階で転職先に入社しようと考えている人もいるでしょう。有給消化中に転職先へ入社することは不可能ではありませんが、もとの職場や転職先で、二重労働が禁止されていないかどうかを確認しなければなりません。
有給消化中はもとの職場に籍があり、給料も発生するため、出勤していなくても二重労働と見なされます。禁止されているにもかかわらず二重労働をしてしまうと、処罰を受けるおそれがあるので十分に注意しましょう。
まず就業規則や雇用契約書を確認し、分からない場合は労務担当者に相談することがおすすめです。
健康保険証の取り扱いに注意
有給消化中でも在籍している間は、健康保険証を使えます。最終出勤日から有給を使い切り、退職日を迎えるまでの間は手元に健康保険証を残しておきましょう。病院に行く予定がなくても、万が一に備えて持っていた方が無難です。
また、「同月内なら退職日の後も使えるのでは?」と勘違いする人が多いと言われています。実際には退職日を迎えた時点で健康保険証は無効となり、使ってしまうと後から医療費を請求される羽目になります。うっかり使ってしまうことを防ぐ意味でも、退職日が来たら健康保険証は速やかに返却してくださいね。
有給を消化しきってすっきりと退職しよう!
「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、有給をきれいに消化して辞めることもその一環ではないでしょうか。今回の記事を参考に自分も損せず、職場に迷惑をかけないように有給を消化して退職しましょう!
退職スケジュールの立て方などが不安な場合は、転職エージェントへの相談もおすすめです。ホテル・旅館への転職は、おもてなしHRにご相談ください!