観光業界と旅行業界:仕事内容の違い
観光業界と旅行業界は、仕事内容が大きく異なります。どのような仕事を「観光業界」「旅行業界」と呼ぶのか、それぞれ見ていきましょう。
観光業界
観光業界は、観光に携わる仕事全般のことを指し、該当するのは以下のような施設・サービスの仕事です。
- ・土産物店
- ・レジャー施設
- ・飲食店
- ・観光案内所
- ・レンタカーショップ
- ・公共交通機関
- ・観光タクシードライバー
- ・旅行雑誌の記者/編集者
- ・宿泊施設
旅行業界
一方旅行業界に分類されるのは、旅行の企画・販売を行う企業。旅行業は「旅行業」と「旅行業代理業」とが存在します。「旅行業」がパッケージツアーなどを企画し、「旅行業代理業」が代理で販売することが一般的です。
旅行業界での具体的な仕事内容としては、以下のような業務が挙げられます。
- ・商品企画
- ・パンフレット作成
- ・法人営業
- ・個人営業
- ・添乗員業務
旅行者の視点で考えると、旅先で関わる事業者が観光業界、予約や下調べ、準備などで関わるのが旅行業界と言えるのではないでしょうか。
また、旅行業界の詳細については、以下の記事で解説しています。併せてご一読ください。
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観光業界と旅行業界:求められるスキルの違い
観光業界と旅行業界で、求められるスキルにはどういった違いがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
観光業界
観光業界は採用の間口が広く、経験や学歴は問わない求人が多く見受けられます。人物重視の採用で、未経験でも中途入社しやすいことが特徴です。
求められるスキルはおもてなしの心や体力、不規則なシフト勤務に対処できる自己管理能力など。また、接客マナーや正しい言葉遣いが求められ、語学力をいかせます。また、臨機応変な対応ができることも、大きな強みとなるでしょう。
旅行業界
旅行業界においても接客マナーや正しい言葉遣いが必要です。それらに加えて営業力や企画力も重視され、中途採用の場合は経験者が求められる傾向にあります。企画や営業の経験だけでなく、観光業界の経験が歓迎されることも。
旅行業界はゼロから旅行商品を作り上げたり、ツアーの魅力をアピールして売上につなげたりすることが仕事です。旅行・観光に関する深い知識や、海外の文化に対する理解も必須スキルではないでしょうか。
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観光業界と旅行業界:働くメリット・デメリットの違い
観光や旅行に携わる仕事は華やかで楽しいイメージが強く、憧れる人は多いでしょう。しかし、実際には厳しい面もあり、理想と現実のギャップに苦しむこともしばしば。
観光業界と旅行業界におけるメリット・デメリットの違いを理解して、就業後の後悔を防ぎましょう。
観光業界
【メリット】
- ・お客様の反応を直に見られる
- ・人から感謝されることが多い
- ・多くのお客様と出会える
- ・語学スキルを直接的にいかせる
- ・観光地で楽しく働ける
- ・人手不足の傾向にあり採用されるチャンスが大きい
- ・宿泊施設は福利厚生が手厚い傾向にある
【デメリット】
- ・勤務時間が不規則になりがち
- ・給料が低い傾向にある
- ・年間休日数が少ない傾向にある
- ・社会情勢や景気に左右されやすい
- ・クレーム対応がある
- ・勤務先の観光地に飽きることもある
旅行業界
【メリット】
- ・営業職ならインセンティブを期待できる
- ・クリエイティブな仕事ができる
- ・プライベートの観光/旅行の経験がいかせる
- ・仕事でさまざまな観光地に行ける
- ・給与が比較的高い傾向にある
- ・国際的な仕事ができることもある
- ・担当業務によっては土日祝に休める
【デメリット】
- ・数字をシビアに追わなければならない
- ・各関係者の板挟みになりがち
- ・センスや流行をキャッチする力が問われる
- ・採用の間口はやや狭い
- ・個人旅行の増加で売上が低迷しがち
旅行業界と観光業界に必要な今後の対応とは?
異なる特徴を持つふたつの業界ですが、事業を存続させさらに盛り上げるために必要な対応には、共通する要素があります。どのような対応が必要なのか見ていきましょう。
インバウンド対応
インバウンド対応とは、海外からやってくるお客様に快適に過ごしてもらうための対応です。バイリンガル・トリリンガルのスタッフを配置したり、案内表示を多言語化したりといったことだけでなく、海外の文化や宗教に対する配慮も必要不可欠です。
新型コロナウイルスの影響による行動制限がなくなった今、インバウンド観光は再び盛り上がりを見せています。チャンスを逃さないためには、さまざまな国からやってくるお客様を受け入れる体制を整えましょう。
ニューツーリズムへの対応
ニューツーリズムとは、これまで主流だった団体旅行や定番スポットの物見遊山とは異なり、個人の趣味嗜好を重視した旅のスタイルです。
好きな映画のロケ地をめぐる「ロケツーリズム」や健康的なアクティビティや食事を通してより幸せな毎日を過ごすことを目的とした「ウェルネスツーリズム」などが代表的な例と言えるでしょう。
これからの観光業界・宿泊業界ではひとりひとりのお客様が持つニーズに合わせたきめ細やかな対応が求められるかもしれません。また、流行をキャッチするアンテナをみがき続けることも重要です。
SGDsへの取り組み
SGDsとは「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」という意味の言葉。将来、長きにわたり観光業界・宿泊業界を持続させるためには、さまざまな面からより良い未来を作るためのアプローチが必要です。
特に、大勢のお客様が集まる観光地では、地域の資源を大切にしなければなりません。環境に優しいアメニティや紙製・木製の使い捨てカトラリーを導入するなど、積極的に取り組みましょう!
感染症対策
新型コロナウイルスによる行動制限が解除された現在でも、感染リスクそのものがなくなったわけではありません。感染を防ぐための措置はやはり必要でしょう。
出入り口に消毒液を設置したり、こまめに換気や消毒をしたりすることは、人が集まる場所において欠かせないアクションです。
安心・安全の観光を提供するために、引き続き取り組んでくださいね!
観光業界・旅行業界の仕事探しは転職エージェントに相談しよう
観光業界・旅行業界にはそれぞれ特色やメリット・デメリットが存在しています。「どちらが自分に向いているのかわからない!」という場合は、転職エージェントへの相談がおすすめ。企業の実態や、より具体的なメリット・デメリットを教えてもらえるかもしれません。
ホテルや旅館の仕事を探す際には、おもてなしHRにご相談ください。