扶養内パートでも失業手当はもらえる?
扶養内パートは、年収に合わせて税金の控除があることや、社会保険料の負担がないことなど、金銭的な面でのメリットが多い働き方でもあります。
小さな子どもがいる共働き家庭では、家庭と仕事の両立を考えて、妻が夫の扶養に入って働くということも少なくありません。
扶養内パートで働く人の中には、家族の転勤で扶養内パートを退職したり、正規雇用を目指して扶養内パートを辞めるという人もいるはずです。失業手当の受給について調べることもあるでしょう。
扶養内パートは年収額に制限があることから、失業手当はもらえないのではと思うこともあるかもしれませんが、失業手当の受給に扶養かどうかは関係しません。
雇用保険の加入条件を満たしていて、就職する意思と能力があれば、扶養内パートであっても失業手当の受給対象です。
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扶養内パートで失業手当をもらうためには?
扶養内パートで失業手当をもらうためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。失業手当を受給するために必要な、雇用保険や賃金について条件を紹介します。
1週間の所定労働時間が20時間以上
雇用保険の加入条件は1週間の労働時間が20時間以上であること。例えば、週5日×1日4時間の勤務の扶養内パートであれば、雇用保険の加入条件は満たしてます。
週単位での計算が難しいシフト勤務の場合は、月の労働時間が87時間以上であることが加入条件です。
31日以上の雇用見込みがある
扶養内で働くために、複数の短期アルバイトをするということもあるでしょう。雇用保険の加入条件は、31日以上の雇用される見込みがあること。
数日間の短期アルバイトや日雇いなど、雇用が31日間以上継続されないことが明確であれば、雇用保険に加入することはありません。
学生でない
週の労働時間が20時間以上で継続した雇用が見込まれる場合でも、昼間に学校に通う学生は雇用保険の加入義務はありません。学生の本業は学業。そのため、退職したとしても失業とはならないためです。
学生であっても、夜間学生や通信教育を受けている学生など、働きながら学んでいる学生の場合は加入の必要があります。
年収が106万以内である
雇用保険の加入や失業手当の受給に収入額が関係することはありませんが、扶養内パートという点では、年収額に基準があります。社会保険上の扶養でいるためには、年収106万円、月収8.8万円以内でなければなりません。(従業員数100名以下の場合は130万円、月収10.8万円)
3カ月間の月収が基準額を超えた場合は、扶養に入ることはできませんし、扶養に入っていた場合は扶養から外れることになります。
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扶養内パートが失業手当をもらう場合の注意点
扶養内パートとして働きたい場合でも、失業手当を受給することはできます。扶養内でいながら失業手当をもらう場合の注意点を紹介します。
賃金日額が3612円を超えないこと
扶養内パートで働いている場合、家族の健康保険の扶養に入っています。健康保険上では失業手当も収入として扱われるため、扶養内のまま失業手当を受給手当が受給できるかどうかは、失業手当の賃金日額によって変わります。
扶養内パートとして勤務していた会社を退職し、扶養のまま失業手当を受給する場合には、扶養として扱われる年収の基準額を超えることはできません。
社会保険上の扶養になるための基準額は企業規模によって異なりますが、失業手当を受給する場合の基準額は年収130万円以内です。月額にすると10.8万円、日額にすると3612円が基準になります。
失業手当の賃金日額が3612円を超える場合には扶養から外れることになるため、注意が必要です。
失業手当がいくらもらえるかの計算については以下の記事で紹介しています。併せてご参照ください。
再就職の意思があること
失業手当の受給対象者は、就業する意思や能力がある人。受給するためにはハローワークでの求職申込みと、4週間に1度の活動実績報告が必要です。
扶養内パートをしている人の中には、子育てとの両立をしている人もいるでしょう。子育てに専念するなどを理由に、しばらく転職活動をする予定がない場合は失業手当の受給ができません。
失業手当を受給することができるのは、退職日の翌日から1年間。
子育てが落ち着いてから再就職を検討しようと考えている場合、受給期間が過ぎてしまうこともあります。申請すれば、最大3年間の受給期間延長が可能ですので、申請を忘れないようにしましょう。
失業手当の受給期間については以下の記事で紹介しています。併せてご参照ください。
失業手当を受給しながら扶養になることはできる?
退職をするタイミングで家族の扶養に入ることを考える人もいるでしょう。
社会保険上の扶養になるためには、向こう1年の見込み年収が130万円以内であることが条件です。賃金日額が3612円を超えなければ、失業手当を受給しながら扶養になることは可能です。
扶養に入る場合に考慮する年収額は、扶養に入る時点からの年収です。過去の年収額が基準額を上回っていても問題ありません。
しかし、失業手当の賃金日額は退職前6カ月の賃金から算出されます。退職前の収入が多かった場合には失業手当の日額も高くなります。
その場合は、支給額が月10.8万円を超えることもありますので、扶養に入ることは難しいでしょう。
失業手当受給中に扶養に入ることについては下記の記事で紹介しています。併せてご参照ください。
退職後の扶養については失業手当受給前にしっかり確認しよう!
扶養内パートであっても、条件を満たしていれば失業手当は問題なく受給できますが、退職して扶養に入りたいという場合は特に注意が必要です。
別途手続きが必要になることもあるので、しっかりと確認しましょう。