社会保険の適用拡大はいつから?
2016年10月から、社会保険の適用拡大が段階的に進められています。社会保険の適用拡大の目的は、労働者の社会保障を手厚くすること。社会保険に加入させる義務が生じる範囲を拡大し、多くの人が社会保険による手厚い保障が受けられるようにするのですね。
社会保険の適用拡大はこれまでに2回実施され、この後も2回実施される予定です(2022年7月時点)。次回の拡大はいつからなのでしょうか。これまでとこれからの流れを、時系列で見ていきましょう。
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社会保険の適用拡大・これまでとこれから
社会保険の適用拡大は、企業にも労働者にも大きな影響があることです。これまでの変化と、これからの変化を見てみましょう。
1回目の適用拡大
1回目の適用拡大は、2016年の10月でした。この時点で社会保険の加入対象とされたのは、以下の条件を満たす場合です。
・1週間あたりの労働時間が20時間以上であること
・1カ月あたりの賃金が88000円以上であること
・雇用期間の見込みが1年以上であること(雇用期間が1年未満でも契約更新がある場合等も含む)
・勤め先の従業員数が501人以上であること
この改正で特に影響を受けたのは、扶養内(年収130万円未満)で働いていたパート・バイト従業員です。勤務先の従業員が501人以上であれば月収88000円以上で扶養から外れ、パート・バイト従業員本人が社会保険に加入する扱いになったのですね。
2回目の適用拡大
2回目の適用拡大は、2017年4月からです。1回目の適用拡大で定められた内容に、以下の条件が追加されました。
・勤め先の従業員数が500人以下で、労使間で社会保険に加入することの合意ができていること
この条件が加わったことで、従業員数が少ない会社に勤めている人でも、労使間での合意があれば社会保険に加入できるようになりました。
参考:1回目・2回目の社会保険適用拡大について/厚生労働省ホームページ
3回目の適用拡大
3回目の適用拡大は2022年10月からで、2022年7月時点においてはこれが次回の適用拡大です。3回目の適用拡大で改正される内容は以下の通り。
【改正前】
- ・勤め先の従業員数が501人以上であること
- ・雇用期間の見込みが1年以上であること
【改正後】
・勤め先の従業員数が101人以上であること
・雇用期間の見込みが2カ月以上であること。
勤め先の従業員数と雇用期間の条件が大幅に拡大され、より多くのパート・バイト従業員に社会保険への加入義務が生じます。
なお、週の労働時間や賃金についてはこれまで通りなので、次回の改正では上記の2点を押さえておきましょう。
4回目の適用拡大
4回目の適用拡大は、2024年10月からの予定で、改正される内容は以下の通りです。
【改正前】
・勤め先の従業員数が101人以上であること
【改正後】
・勤め先の従業員数が51人以上であること
予定としてはいったん最後の改正で、小規模の企業に勤めるパート・バイト従業員も社会保険加入の対象になるのですね。
このように、段階を経て社会保険の適用範囲が拡大されていきます。雇用主も労働者も、しっかり覚えておきましょう。
なお、以下のページでは釈迦御保険の適用拡大に関する記事をまとめて紹介しています。併せてご参照ください。
参考:3回目・4回目の社会保険適用拡大について/社会保険適用ガイドブック
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
次回以降の適用拡大にはいつから備えるべき?
段階的な社会保険の適用拡大に対応するためには、きちんとした準備が必要です。
多くの労働者が手厚い社会保障を受けられるようになる一方で、従業員には保険料の天引きによって手取りが減る、企業には保険料の半分を負担しなければならないなどのデメリットもあります。
従業員が今後、どのような働き方を望むのか、保険料の負担によってかかるコストがどれくらいなのかといったことをふまえ、双方で話し合うことが重要でしょう。
2022年10月の改正は目前に迫っています。すでに準備を進めている企業がほとんどではないでしょうか。10月5日までにオンラインで書類を提出する必要があるので、引き続き準備を進めてくださいね。
2024年の改正までにはまだ時間がありますが、今のうちからコストの概算を把握し、パート・バイト従業員の採用方針を固めるといった準備に取り掛かると良いでしょう。
なお、以下の記事では2022年10月の適用拡大について解説しています。併せてご参照ください。
採用支援サービスの活用で社会保険適用拡大に備えよう
従業員を社会保険に加入させる場合、保険料の半分は勤務先の負担です。社会保険の適用拡大によって、保険料の負担がかかるため、優秀な人材をそろえてコストパフォーマンスを高めたいところでしょう。
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