食べられるのに捨てられる「フードロス」
フードロスとは、本来食べられる食品を捨ててしまうことを指し、食品ロスとも呼ばれます。
いつ購入したのかわからず賞味期限が切れて捨ててしまった、食べ残したおかずを捨ててしまったなどの経験がある方も少なくないはず。
まだ食べられるものを捨ててしまうのはもったいないだけでなく、地球全体にも悪影響を及ぼす危険があると言われています。
フードロスに似た言葉に「食品廃棄」がありますが、これは魚や肉の骨、野菜や果物の皮や種など、もともと食べられない部分を捨てる場合を言います。
フードロスは、SDGsの関連でメディアに取り上げられることも多く、注目を集めています。以下の記事もご参照ください。
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フードロスが問題視されている理由
世界には、飢えや栄養不良に苦しむ人が7億人以上いると言われています。しかしその一方で、世界の食料廃棄量は年間約13億トンと、食の不均衡が生じています。
また、 環境や経済への影響も問題の1つです。大量の食品を廃棄するためには大量の資源が使われ、莫大なコストがかかります。
食品の廃棄方法として、焼却や埋め立てなどがあります。しかし、その過程で発生するガスには温室効果があり、環境汚染につながってしまうとも言われているのです。
そうした背景からSDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任つかう責任」にもフードロスが示され、世界共通の大きな課題として取り上げられるようになりました。
参考:
外務省「SDGグローバル指標(SDG Indicators) 12:つくる責任つかう責任」
フードロスの問題については以下の記事で詳しくご紹介しています。ご参照ください。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
フードロスが発生する原因とは?
フードロスの原因には、事業系フードロスと家庭系フードロスがあります。私たちの身の回りで起こっているフードロスを例にみていきましょう。
家庭でのフードロス
家庭で発生するフードロスは、食べ残し・過剰除去・直接廃棄によるものです。
具体的には、料理を作りすぎて食べきれず捨ててしまうこと、野菜など食材の下処理で食べられる部分まで捨ててしまうことなど。
また、安売りに惹かれ食品を買いすぎたり、同じ食材をいくつも購入し在庫を持て余したりすることで賞味・消費期限が過ぎ、未開封のまま捨ててしまうこともフードロスになります。
小売店でのフードロス
「できるだけ新鮮な食品を食べたい、提供したい」というのが消費者・小売店側の考えでしょう。もちろん、こうした考え方は決して悪いことではありません。
しかし、より新鮮なものを求めることで、鮮度が低下した食品を廃棄するというフードロスが起きてしまう場合があるのです。
そのほか、新商品との入れ替えや売れ残りなどの理由で撤去された食品、加工や出荷の段階で傷がついたものや見た目がよくないものなどの規格外品も、最終的には廃棄されてしまいます。
飲食店でのフードロス
レストランで注文しすぎて食べ切れなかった、ホテルのバイキングで料理を取りすぎて食べ残してしまったなどの経験はありませんか?これらはすべてフードロスにつながります。
また、さまざまなメニューを取り揃える飲食店では、仕込みのために多くの食材を仕入れています。日によっては想定よりも注文数が少ないケースもあるでしょう。注文が入らなければ食材が余り、期限内に使うことができなければフードロスになってしまうのです。
以下の記事では、ホテルのフードロスについて詳しく記載しています。
フードロスを減らすためにできること
食べものをムダにしないという意識やフードロスに関心はあっても、何から始めればいいか分からないという方もいると思います。
私たちの生活で心がけるべきポイントは、「買いすぎない」「作りすぎない」「注文しすぎない」、そしてきちんと「食べきる」ことです。
食料の買いすぎを避け、料理を作る際は適量を心がけましょう。また、外食や出前などは必要以上に注文しない、フードロス削減に取り組む飲食店を利用するなどの意識も大切です。
以下の記事では、フードロスの削減について詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてください。
フードロスゼロを目指し、問題意識を高めていこう!
日頃の何気ない行動がフードロスにつながっており、世界全体で解決すべき課題として注目されています。フードロスの原因はさまざまですが、問題意識の低さも要因の1つと言えます。
まずは1人ひとりが自分のこととして意識し、行動を変えていくことが大切です。小さな心がけが大きな一歩になります。自分にできることから実践し、フードロスゼロを目指しませんか?
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