大牧温泉とは
富山県南砺市を流れる庄川のほとりに佇む秘境の温泉地、大牧温泉。ここでは大牧温泉の概要と歴史についてご紹介します。
大牧温泉の概要とアクセス
大牧温泉は富山県の南西部、南砺市の庄川峡に位置する温泉地です。庄川の河畔、峡谷の岸壁にせり出すように、たった一軒の温泉宿が佇み、交通手段は遊覧船のみ。秘湯感満載の温泉地です。
小牧堰堤の遊覧船乗り場から、遊覧船に乗って約30分ほどで到着出来ます。最寄駅は城端線の福野駅で、駅から遊覧船乗り場までは、車で約16分の距離になります。
大牧温泉の歴史
大牧温泉の開湯は、今から800年余り前の1183年に遡ります。砺波山の合戦に敗れた武将が敵の追撃を逃れ、大牧の辺りをさまよっていたところ、河畔から湧き出る温泉を発見。その湯で傷をいやしたのが始まりと伝わります。
かつてはこの峡谷の底にも村落があり、村人達の湯治場として素朴な宿が営まれていましたが、1930年小牧ダムの完成とともに村落は湖底に没し、温泉宿一軒だけがダム湖と切り立つ断崖の間に取り残されました。地域の人々に愛された温泉を何とか続けようと、湖底から源泉を採り込み、交通手段は船を頼りに再興され、現在の姿に至ります。
近年ではドラマの撮影やメディアなどでも注目され、国内外から多くの人が訪れる温泉地に成長しています。
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大牧温泉の泉質と観光資源について
効能豊かな大牧温泉。南砺市には世界遺産をはじめとして、古くからの伝統文化が大切に残されています。ここでは、大牧温泉の泉質と効能、観光資源についてご紹介します。
大牧温泉の泉質と効能について
大牧温泉の泉温は58℃、微かな硫化水素臭と酸味が感じられます。泉質はナトリウム・カルシウム塩化物・硫酸塩泉で弱アルカリ性です。
効能は神経痛や筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、うちみ、くじき、慢性消化器症、痔病、冷え性、慢性皮膚病、慢性婦人病など、さまざまな症状によいとされています。
参照:内風呂/大牧温泉観光旅館
大牧温泉の周辺観光と郷土料理について
大牧温泉のある南砺市は、古きよき日本の原風景や伝統文化が今なお大切に残されており、見どころいっぱいのまちです。世界遺産に登録されている合掌集落「五箇山」は、今もなお人々が生活を営み、昔から変わらぬ暮らしにふれることができます。
古くからの建築様式を残す住宅や神社は、国の重要文化財にも指定されています。五箇山では古代民謡「こきりこ」の唄や踊り、郷土料理では五箇山豆腐も知られています。この五箇山豆腐は、五箇山の澄んだ水と地場の大豆を使用し、縄でしばっても形くずれしない堅さが特長で、冷奴や田楽などで楽しめます。
素朴な山里の味を楽しめる「とちもち」は、栃の実を入れてついたお餅で、ほろ苦い栃の実の風味が味わえます。
また、五箇山和紙は江戸時代からの伝統技術が大切に守り継がれ、1988年には越中和紙と総称して、国の伝統工芸品にも指定されました。優雅な風格をもつ生漉楮紙や加工品は、全国の芸術家からの特注品にもなっているそうです。
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大牧温泉での働き方と暮らし
大牧温泉の一軒宿で働く
大牧温泉には一軒の温泉宿があり、秘湯感あふれる独特の雰囲気は、ドラマなどの撮影にもたびたび利用されています。職種は仲居や清掃、調理スタッフなど、自身の個性やスキルに合わせて仕事を選ぶことができます。
交通手段は船のみのため、住み込みで働く人がメインです。個室寮完備で三食賄い付きとなっており、お金を貯めて挑戦したいことがあるなど、さまざまな目標を持っているスタッフが多く、未経験者やシニアの応募も歓迎しています。
丁寧な先輩スタッフの指導もあり、チームワークで助け合える豊かな職場環境が用意されているそうです。おもてなしの心を一から学び、将来のステップアップに向けて希望を持って働くことができるでしょう。
大牧温泉での暮らし
大牧温泉で働く場合、住み込みがメインとなっています。都会の喧騒を離れたこの地で、日々の疲れを温泉で癒し、四季折々の豊かな自然景観を楽しみながら暮らすことができるでしょう。
遊覧船乗り場から南砺市の市街地までは、車で10分ほどの距離にあり、休日には買い物を楽しんだり、周辺の観光地を散策することもできます。市民病院もあるので、安心して暮らせる環境が整っています。
大自然を心ゆくまで堪能する大牧温泉
日本の百名湯にも選ばれた大牧温泉は、春の山桜、夏の新緑、秋の燃えるような紅葉、冬の清澄な雪景色など、自然と調和した静かな時間の中で暮らすことができます。大牧温泉は慌ただしい現代の生活に追われ、見失ってしまった大切な何かを、そっと思い出させてくれる温泉地と言えるかもしれません。
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