そもそも「和食」にはどんな特徴があるの?
和食は、日本人の伝統的な食文化として知られています。平成25年12月にはユネスコ無形文化遺産にも登録され、日本の食文化が放つ魅力は世界中に認められているのです。
和食には4つの特徴があり、以下のポイントを兼ね備えたものが「和食」と呼ばれます。
(2)健康的な食生活を支える栄養バランス
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
(4)正月などの年中行事との密接な関わり
四季折々の食材を活かす和食の料理人や調理師には、レベルの高い技術だけでなく、センスも求められます。包丁さばきや盛り付けなどの手先の器用さだけでなく、器選びや色彩感覚、感性なども磨き、表情豊かな料理を作り出さなければならないのです。
ホテルや割烹、料亭などで和食の道を極める人はたくさんいます。特に、格式を重んじる料亭や割烹などでは、料理人と調理師はさまざまな階級に分かれているようです。
和食における料理人や調理師の役割 ※店によって名称や担当内容は異なります |
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役割 | 担当内容 |
料理長(10年目~) | 調理場の責任者 |
煮方(7年目~) | 煮物、吸い物など、だしを使った味付け |
板場(6年目) | 魚介類の下処理、お造り |
焼場・油場(5年目) | 加熱調理。焼き魚、天ぷらなど |
八寸(2~5年目) | 野菜の下処理、盛り付け |
追い回し(1年目~) | 下積み。掃除、洗い物、野菜の下処理、まかないなど |
下積みの追い回しから料理長になるまでは、早くても10年ほどかかると言われています。一人前と認められるまでは、以上のような調理技術を全て習得する必要があります。
料理人や調理師になるには、長年にわたる小さな積み重ねが欠かせません。人に喜んでもらえる和食を作るために、探求心を忘れずに技術を磨き続けることが大切なのかもしれませんね。
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和食における「料理人」と「調理師」の違い
和食の「料理人」と「調理師」の違いは、調理師免許の有無にあります。
和食に限ったことではありませんが、料理人は料理を自分の職業にしている人のことを言います。対して、調理師は「調理師免許」がなければ名乗ることはできません。
つまり、飲食店での調理は、調理師免許を持っていない料理人でも行うことができます。しかし、和食には調理師でなければ扱えない業務もあるのです。
たとえば、フグ調理師免許を取得する場合を考えてみましょう。フグ調理師免許の取得は、まず調理師免許を持っていることが前提の資格です。このような特別な資格を取得するときには、調理師でなければなりません。
また、海外の飲食店で働きたいという目標がある方は、調理師免許を持っておくと就労ビザを取得するときに重要な書類として提出することができます。
調理師免許が証明するものは「調理業務の許可」ではなく、「調理技術の高さ」です。調理師でなくとも料理の道を極めることはできますが、資格がなければ出来ることが限られるので調理師免許は取得しておいたほうが良いでしょう。
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和食料理人が「調理師免許」を取得するにはどんな方法がある?
和食の料理人が調理師免許を取得するには、大きく分けて2つの方法があります。それぞれどのような方法なのか、具体的に解説いたします。
調理師養成機関を卒業
調理師免許を取得する場合、調理師の養成機関を卒業すると良いでしょう。
調理師養成施設には
・高等学校や専門学校、短期大学の調理科 or 調理師科
があり、これらの施設に通っていれば実務経験がなくとも最短1年ほどで調理師免許を取得できます。
基本的には調理師免許の受験をするまでに2年以上の実務経験が必要なので、スピーディーに資格を取得できますよ。
2年以上の実務経験を積む
調理師の養成施設に通うことが難しい場合は、飲食店で見習いとして実務を2年以上こなしてから調理師免許を受験しましょう。
費用があまりかからない分、実務の合間に独学で勉強することが求められます。調理師免許を取得するには、計画を立てておくことが必要かもしれません。
和食に関係なく、調理師免許は取得したほうが吉!
和食だけでなく、料理の世界において「料理人」と「調理師」の違いは、調理師免許の有無によって分けられます。
料理人でも和食に携われないということはありません。しかし、調理師免許は取得しておいたほうが取り扱う食材などに制限がなくなり、自らの料理を追求しやすくなります。
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