「見込み客の管理」に注目が集まる
見込み客の管理は、BtoCはもちろんのこと、BtoBのビジネスにも役に立つとされています。見込み客とは何なのか、また見込み客を管理するとどのようなメリットがあるのかをみていきましょう。
「見込み客」とは?
見込み客とは、製品・サービスの購入や利用を検討してくれる余地がある、と考えられる顧客を意味するマーケティング用語です。
基本的には、製品やサービスに何らかの形で接点を持った顧客を指します。店頭で目を引かれた、インターネット広告で気になった覚えがある、営業から案内をされた、などの経緯があれば立派な見込み客と言えます。
見込み客を管理するメリット
企業が見込み客を管理する最大のメリットは、製品・サービスの購入や利用を促進できることです。
またデータを蓄積していけば、「この属性の見込み客には、このアプローチが有効」などのように分析することも可能です。正しく見込み客を管理すれば、継続して売上を上げるヒントが掴めることでしょう。
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見込み客は4つの分類で管理できる
見込み客は、ニーズの高低とウォンツの高低の軸を基に、4つの意識レベルに分けることができます。「いますぐ客」「おなやみ客」「そのうち客」「まだまだ客」の意識レベルの特徴を押さえておけば、管理する際にきっと役に立つはずですよ。
いますぐ客(ニーズ高×ウォンツ高)
いますぐ客は、4つの分類のうち、最も興味・関心の大きい見込み客のことです。
数は、見込み客全体のおよそ1%程度。企業側からアプローチをすることなく、購入・利用に期待が持てる見込み客と言えるでしょう。
おなやみ客(ニーズ高×ウォンツ低)
おなやみ客は、必要性は感じているものの、その製品やサービスが欲しい・利用したいという意識には至っていない見込み客のことです。
数は、見込み客のうち10%程度とあまり多くありませんが、他社よりも魅力的に見せることができれば購入・利用の検討が進みます。企業ができるアプローチとしては、他社との比較や差別化されているポイントの訴求などが挙げられます。
そのうち客(ニーズ低×ウォンツ高)
そのうち客は、おなやみ客と相反する意識を持つ見込み客です。その製品やサービス自体は欲しいと思っているものの、購入・利用のタイミングを伺っていたり、本当に必要かどうかの判断がついていなかったりといった状態です。
数は、おなやみ客と同じく全体の10%程度。効果的なアプローチ方法には、無料サンプルの配布や、期間限定のタイムセールなどが考えられるでしょう。また、必要性を高めることを狙い、購入・利用しないリスクを伝えることも常用手段のようです。
まだまだ客(ニーズ低×ウォンツ低)
見込み客の約80%という大多数を占めるのが、まだまだ客です。必要性も購入・利用意欲も低い顧客ですので、積極的なアプローチを行っても購入・利用には至りません。
しかし、顧客に煙たがられない程度にアプローチをし続けていれば、購入・利用を検討する段階で候補に挙がることも。企業が行う製品・サービスを忘れられない努力が、購入・利用を左右します。
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見込み客の管理方法
では、見込み客はどのように管理していけば良いのでしょうか。見込み客の管理方法と、押さえておきたい顧客の情報をご紹介しますので、これから見込み客の管理を徹底していこうと考えている企業の担当者はぜひ参考にしてみてくださいね。
管理方法
見込み客の代表的な管理方法は、下記の2つです。
- ・CRM(顧客関係管理)のツール/システム
- ・Excelなどの表計算ソフト
手軽なのは、CRMと呼ばれる顧客管理のツール・システムを導入することでしょう。大半のサービスは利用料がかかりますが、中にはお試し期間を設けていたり、「顧客の登録が〇名まで無料」などと謳ったりするサービスもあります。
個人事業主など、登録する見込み客が大幅に増える予定がないという場合は、Excelなどの表計算ソフトで管理しても良いでしょう。
顧客管理システムについて理解を深めたい方は、下記の記事をチェックしてみてくださいね。
ホテルの質を高める顧客管理とは?顧客管理システムのメリット・デメリットを解説!
押さえておきたい顧客情報
見込み客を管理する際に押さえておきたい、最低限の顧客情報は下記の通りです。
- ・氏名
- ・年齢
- ・性別
- ・住所
- ・メールアドレス
- ・顧客ごとの情報(顧客情報の入手経路/顧客の好みなど)
- ・顧客のランク(おなやみ客/そのうち客など)
氏名・メールアドレスなどの個人情報はもちろんですが、顧客のランク分けをしておくとアプローチをする際に役立ちます。
顧客情報の入手経路や趣味嗜好なども、わかる範囲で記録に残しておくのがおすすめです。
見込み客を管理する3つのポイント
見込み客の管理を始めたら、製品やサービスの利用を促進するアプローチを行いましょう。見込み客を上手に管理し、情報を有効活用するための3つのポイントをご紹介します。
顧客を正しく分類する
まずは、顧客情報の管理を徹底するという意識を持ち、正しく分類することから始めましょう。
記事前半で見込み客の4つの意識レベルについてご紹介しましたが、4つ以上に分類し、登録・管理をしても問題はありません。見込み客へのアプローチ方法は性別や年代などによっても異なりますので、ぜひ自社にぴったりの分類を用意してみてくださいね。
潜在層には間接的なアプローチを行う
製品・サービスを知らない潜在層や、知っているだけのまだまだ客に対しては、直接的なアプローチは避けるべきです。「絶対に買った方がいい!」「今すぐ使うべき!」と強くアピールすれば、かえって見込み客から避けられてしまいます。
営業マンが見込み客に提供をする情報を例に、考えてみましょう。「キャンペーンのお知らせ」「〇〇業界の最新動向」、どちらの方が抵抗なく情報を受け取ってもらえるでしょうか。きっと、後者を想像した方が多いはずですよね。
質の高い情報を継続的に発信してくれる企業には、お客様から良い印象を抱いてもらいやすいもの。積極的にPRしたい気持ちをぐっとこらえ、自社のファンを増やす意識でアプローチを行いましょう。
継続的にアプローチを行う
どの見込み客に対しても共通して言えるのは、一度のアプローチで諦めないことです。お客様が購入・利用を決めるのは、あくまで自分のタイミング。そのタイミングがいつになるかまで、企業は想定できません。
どんなタイミングでも、製品やサービスを思い出してもらえるようにアプローチを継続していれば、お客様の意欲がふと高まった時の決め手になります。ぜひ根気よくアプローチを続けてくださいね。
ホテルの見込み客管理で気を付けることは?
ホテルが見込み客の管理を行う際に注意したいのは、情報を全従業員が同じレベルで把握しておくことです。
アレルギーを持っている、喫煙タイプの客室がNG、クレーマー気質といったお客様を把握しておけば、リスクヘッジに繋がります。お客様の誕生日、利き手、趣味などを把握しておけば、サービスの質を向上させることにも期待が持てるでしょう。
見込み客は、リストに登録するだけでは意味をなしません。全従業員がしっかりと活用できるような体制を整えることも重要です。
見込み客をしっかり管理できれば売上UPに繋がる!
見込み客の管理を徹底すれば、どんな業種でも必ず良い影響を受けられるはずです。売上が上がる、提供するサービスの質が上がる、自社のファンが増える、新しい製品・サービスのヒントになる、などがその例の一部と言えます。
初めは戸惑うことも多いかもしれませんが、入力・確認・分析が習慣化されればきっと、管理されていないことの方が不安になることでしょう。企業の売上や価値を底上げするためにも、ぜひ見込み客の管理を徹底してみてくださいね。