ホテルでパソコンのレンタルサービスが増えている
新型コロナウイルスの世界的な流行が始まって以来、リモートワークやワーケーションのためのホテル利用が広がっていますよね。それに伴い、パソコン付きの客室やパソコンのレンタルといったサービスを始めるホテルも増加傾向にあります。
パソコンの貸し出しをすることで、ホテルはどのようなメリットを得られるのでしょうか。取り組み事例やパソコンを貸し出す際の注意事項を見ていきましょう。
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ホテルでパソコン付きの客室・パソコンのレンタルを提供するメリットとは?
パソコンは現代人の生活になくてはならない道具です。旅先でも、気軽に使えるパソコンがあれば便利でしょう。その需要に応えることで、ホテルは次のようなメリットを得られます。
ワーケーション・リモートワークのお客様を呼びやすい
ワーケーションやリモートワークにはパソコンが必要不可欠ですよね。しかし、パソコンを持って移動するのはなかなか大変です。重くてかさばるだけでなく、破損や紛失・盗難の心配もあるでしょう。
その点、ホテルにパソコンが用意されていれば、お客様は安心して身軽に移動できるはず。会社から支給されたパソコンしか使えないなどの事情がある場合は別ですが、ワーケーション・リモートワーク利用のお客様から選ばれやすいホテルになれるでしょう。
+αの利益を生み出せる
パソコン付きの客室を少し高い料金に設定したり、1泊1000円程度でレンタルパソコンを提供といった方法で、+αの利益を生み出せることもメリットです。
パソコンはホテルの備品として購入しても良いですが、ホテルに対してお客様向けのパソコンを貸し出している企業も存在しています。無料で貸りてレンタル料金が発生したら何割かを支払うなど、赤字のリスクもなく導入できるサービスもある模様。まずは費用のかからない方法から試してみましょう!
お客様の満足ポイントになりやすい
ワーケーションやテレワーク目的の滞在ではなくても、ホテルにパソコンがあれば何かと便利です。観光地の情報を集めたり、時間つぶしに動画を観たりと使い方はさまざま。
大抵のことはスマートフォンでもできるとはいえ、大きな画面の方が見やすい、旅の仲間といっしょに画面を見たいといった需要があるはずです。
口コミサイトで高い評価を得ているホテルには「客室にパソコンが付いていたのが良かった!」といった意見も寄せられていました。滞在中の利便性はお客様の満足度に直結しますよね。パソコンのレンタルサービスで利便性を高めれば、お客様の総合的な満足度アップが期待できます。
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ホテルでパソコン付きの客室・パソコンのレンタルを提供する際の注意事項
パソコン付きの客室やパソコンのレンタルを提供することは、ホテルにさまざまなメリットをもたらすのですね。しかし、パソコンの貸し出しが犯罪被害やトラブルの原因となる恐れも考えられます。
ホテルでパソコン付きの客室・パソコンのレンタルを提供する際に、注意すべきポイントを解説します。
セキュリティに注意
レンタルパソコンの提供で、特に注意すべきポイントはセキュリティやプライバシーを守ることです。前のお客様の履歴やデータを残したまま次のお客様に貸してしまったり、ウイルス対策が不十分だったりということは避けましょう。
また、日本のホテルは「ダークホテル」と呼ばれるマルウェアに狙われやすいと言われています。ホテルを標的にしたサイバー犯罪の事例を把握し、対策を怠らないようにしてくださいね。
ダークホテルやホテルのWi-Fiを利用した不正アクセスなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、併せてご参照ください。
ホテルで提供するフリーWi-Fiには危険がいっぱい?!Wi-Fiのセキュリティを見直そう!
レンタルの規約を明示する
パソコンは大切な書類を作成したり、個人情報を入力したりする道具ですよね。慎重な扱いが必要なものを貸し出す時は、責任の所在をはっきりさせることが重要です。
データ消失やハッキング被害などトラブルが起きた際、ホテルはどこまで対応するのかといったことや、お客様が不注意でパソコンを壊してしまった場合の弁償については利用規約に必ず記しておきましょう。
また、ホテルではあくまでもパソコンを貸し出すのみで、操作や設定はサポートしないのが一般的ですよね。その説明が不十分だと「貸すだけ貸して、お金を取って手伝ってくれないの?!」といったクレームが生まれるかもしれません。できること・できないことを理解してもらうことを忘れないでくださいね。
利用規約を提示しながら説明し、同意書を書いてもらうなど、証拠が残るようにすることをおすすめします。
予約の受付でスムーズに
レンタル用に準備できるパソコンの台数には、限りがありますよね。お客様が「今どうしても必要なんだ!」というタイミングで、全台貸し出し中ということもあるかもしれません。
そうした事態を防ぐには、電話などによる予約受付が有効です。そして、数に限りがあること、予約を受け付けていることをホームページなどに記載しておきましょう。
パソコン付きの客室・パソコンのレンタルを提供しているホテルの取り組み事例
パソコン付の客室や、パソコンのレンタルを提供しているホテルでは、どのような取り組みがされているのでしょうか。提供方法やセキュリティ対策の事例を紹介します。
客室備え付けのパソコン
あるホテルでは、テレビと一体化したタイプのパソコンを客室に設置しています。このパソコンは電源を落とすと自動で利用前の状態に戻るため、操作履歴を他人に見られる心配はないでしょう。
ただし、1度電源を落としたらデータの復元はできません。USBメモリなどにバックアップを取るように、お客様への注意喚起が必要ですね。なお、このサービスを提供しているホテルでは、USBメモリを用意していないお客様のために、CD-ROMの販売もしています。
フロントでレンタルできるパソコン
フロントにて、ラップトップパソコンの貸出しをするホテルもあります。必要なお客様にだけ提供できるため、効率的な方法ではないでしょうか。Wi-Fi接続の設定を省くため、客室の有線LANに接続して使うタイプが多い模様です。
また、有線LANは一般的に、Wi-Fiよりもセキュリティが高いと言われています。利便性と安全性を同時に確立するために、有線LANを採用するホテルが多いのではないでしょうか。
レンタル料金の相場は1泊800円~1100円程度。客室備え付けのパソコンと同様に、電源を落とすと作業履歴が消去されるタイプのものが、広く採用されているようです。
ロビーで使えるパソコン
ロビーにパソコンを設置して、お客様が使えるようにしているホテルもあります。ロビーは当然、公共スペース。ちょっとした調べもの程度の利用を想定し、無料で解放していることも少なくありません。
気の利いたサービスですが、全てのお客様が自由に使えるとなるとセキュリティ面の心配が出てくるでしょう。SNSなどのログインを不可にするなど、通常よりも厳しい対策が望まれます。
ホテルでは安心・安全にパソコンを提供しよう
パソコン付きの客室・ホテルにおけるレンタルパソコンの提供はかゆいところに手が届くサービスとして喜ばれます。
セキュリティ対策や免責事項の説明をしっかり行い、安心・安全に使ってもらいましょう!