新卒採用の課題
新卒採用活動には、将来を担う優秀な人材を確保するという目的があります。長い目で見れば、業績を左右することにつながると言っても過言ではないでしょう。
まさに、企業の命運をかけたともいえる新卒採用。それだけ重要なことですが、思い通りに進まずに、課題ばかりが出てくる……ということもあるでしょう。人事担当者の中には、頭を抱えている人もいるはずです。
新卒採用の広報活動が始まるのは、対象の学生が卒業する前年の3/1からと決められています。選考活動は学生が卒業する年の6/1から始まり、選考にかかる時間は約半年間です。
毎年4月に入社する新卒者を迎えるためには、非常に長い時間と労力がかけられているのです。それを毎年繰り返すわけですから、課題解決に向けて動く時間がないというのも正直なところでしょう。
そうはいっても、優秀な人材を確保するための企業努力は不可欠です。多くの企業が抱える課題を例に、解決策を探っていきましょう。
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新卒採用の課題には原因がある
優秀な人材を確保したいと思うのは全ての企業に共通すること。優秀と言うのは決して、どの大学を卒業するのかという話ではありませんよね。
利益をもたらし、長期的な貢献が期待できる人。企業にとって優秀な人材というのは、こういった人材です。新卒採用となれば、将来的な伸びしろに期待するのですから、本人の意欲や人間性が非常に重要になります。この人は!と感じた人材は、他社でも同様な評価を受けていたりするものです。来て欲しかったけど他社に行ってしまった……ということもよくある話です。
新卒採用が激化していると言われる原因には、人口減少という重大な問題も隠れています。人材不足に陥ってしまっては、企業活動の継続が危ぶまれます。そうは言っても、来るもの拒まずというわけにもいきません。
1人でも多くの優秀な人材を確保したいなれば、どうすれば応募が集まるのか、集めるためにはどんなアプローチをすれば良いのか。採用活動そのものを見直す必要もあるでしょう。課題に頭を抱えているだけでは、優秀な人材は増えません。課題に隠れた原因に目を向けることから始めていきましょう。
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新卒採用の課題と解決策
新卒採用の課題とその解決策について考えてみましょう。時代の流れを察知することや、外側から見た企業の姿を見直すことなど、企業の根本的な問題も見いだせそうです。
応募者数の確保の課題と解決策
新卒求人の応募を出していても、そもそも応募者数が少ないという課題。より多くの応募者数の中から、最適な人材を獲得したいのに、応募者が少ないから選びようがないということもあるようです。中小企業は大企業に比べると、応募企業として選ばれにくくなるということもあるため、特にこの傾向が強いようです。
新卒採用においては、採用候補となる学生を集めることを母集団形成と言います。母集団形成こそが新卒採用活動のスタートなわけですから、まずは、いかに母集団を大きくするかということを考える必要ありますね。
ここで考えられることは、いかにして学生の目を引くかということ。応募するか否かの前に、企業として存在を認知してもらい興味をもってもらうことが重要です。誰もが知っている大企業でない限りは、就職活動がきっかけで存在が知られるということもあるでしょう。大企業であっても、名が知られているだけで、事業内容は知られていないということもあります。
母集団形成の解決に向けて考えるべきことは、ターゲットとなる学生に必要な情報が届いているのかということと、届け方は適切かということ。企業説明会の実施や求人サイトの活用は一般的な手段ですが、複数の企業の中に埋もれてしまうこともあります。
近年注目を浴びているのが、ダイレクトリクルーティングという方法です。自社サイトの活用や、TwitterやInstagramなどのSNSを開設することで、学生へダイレクトにアピール手段を持ちます。「待つ」が基本であった従来の募集方法に対して「攻め」とも言えるダイレクトリクルーティングは、母集団の質を上げる効果も期待できると言われています。
インターネットの普及によって、学生の情報収集能力は上がり、企業を比較することも容易な環境です。求職者向けの口コミサイトもあり、社内のリアルな情報も見えてしまいます。良い面ばかりをアピールしても信頼度を上げることにはつながりません。正確な情報提供という意味でも、ダイレクトリクルーティングは有効かもしれません。
内定辞退が多い
内定を出したころでぎりぎりで辞退されてしまう……、これでは採用活動にかけてきた時間と労力が水の泡です。学生は自分の希望に合った企業を選択するわけですから、複数社から内定がでている、希望とは違う、といった理由で内定を辞退するということはあるものす。
内定辞退があれば、採用活動そのものを仕切りなおす必要があります。内定辞退者が多い場合には、思うように採用計画が進みません。何より、優秀な人材が去ってしまうということは、企業にとって大きな損失です。
内定辞退の理由はさまざまです。待遇や条件が理由になれば、他社には適わないので仕方のない部分もあります。ここで人事担当者が意識するべきなのは、会社の雰囲気やイメージが違った、というもの内定辞退の原因になるということ。
学生は、応募企業の雰囲気やイメージを重視しています。長く働くことを想定しているわけですから、働きやすいか、人間関係はどうかといったことを気にするのは当然です。就職活動の中でそれらを繊細に感じ取り、企業を評価しているのです。面接官の対応が怖かった、社内見学をしたときの環境が悪かった。これらは、この企業で働けるのか?という不安を抱くきっかけになっています。
つまり、ここで良いイメージを与えることができれば、内定承諾につながりやすくなるということ。採用面接時の対応や内定通知後の細やかなフォロー、内定者同士の交流の場を設けるなど、学生に安心感を与える対応は、内定辞退の抑止に効果的です。
人事担当者だけではなく、日頃から社内全体でそういった雰囲気作りを意識するべきでしょう。学生から評価されている立場でもある、ということを意識する必要もありそうです。
新卒採用の課題に隠れた企業の課題にも注目しよう!
新卒採用の市場は、社会情勢の影響を大きく受けるものです。人口減少に加えて、新型コロナウィルスによる生活様式の変化。この先数年間の新卒採用活動は、これまでどおりには進まない可能性もあります。
新卒採用において重要なことは、企業の将来的な見通しを考えることにあるでしょう。将来を担う人材にどんな働きを求め、ともにどのような未来を描いてほしいのか。変化する時代と今後の企業の在り方に合わせて、採用活動の手法も柔軟にシフトさせていく必要があります。
人が集まらない、辞退者が多い。その課題の裏には、学生と企業のアンマッチが隠れていることがあります。今までのようにうまくいかない、というのは、今まで通りではいけないということなのです。新卒採用は将来に向けた企業活動の1つです。課題に目を向けるときには、企業の今と未来についても同時に考えてみましょう。