ホテルにもミステリーショッパーは来てもらえる?
ミステリーショッパーとは覆面調査員とも呼ばれ、調査員が一般客になりすまして調査対象の施設を利用し、あらかじめ定められた調査項目について実態調査を行うことです。
ミステリーショッパーはあらゆる業種で利用されています。スーパーや飲食店、エステ、アパレルなど多岐にわたります。
もちろんホテルなどの宿泊施設も例外ではありません。ミステリーショッパーはスタッフの接客態度からサービスの質、館内の清掃状況などについても細かくチェックしてくれます。
ホテルが調査会社に料金を支払い、従業員がきちんと仕事をしているか確認するために活用することが多いのですが、大半は業務改善やサービス向上を目的に活用しています。
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定期的にホテルは覆面調査を依頼したほうが良い理由
ホテルなどのサービス業の場合、定期的に覆面調査を依頼したほうが良いと言えるでしょう。そのメリットについて解説していきます。
問題点や課題点の発見
スタッフの接客態度などを含め、お客様にホテルの雰囲気がどのように映っているのかは、実際に利用した人でないと分からない点が多くあります。
第三者に調査を依頼することで、いままで見えなかった問題点や課題点の発見にもつながるので、サービスの向上につながりやすいのです。
ある覆面調査では、ミステリーショッパーから得られた結果から新たな問題点が見つかり、大きく戦略を変更した結果、集客数を上げたケースもあるくらいです。
競合他社と差別化を図りたい場合はピッタリの調査方法でしょう。
消費者の生の声をヒアリング
いざ消費者の生の声を取り上げるべく、アンケート調査を実施してもあまり良い結果が得られなかったこともあるのではないでしょうか。
アンケート調査になってしまうと、消費者が身構えてしまい本音のみえにくい意見が出てしまったり、面倒だという理由で簡易的な回答しか得られなかったこともありますよね。
しかし、ホテル側が正式に依頼したのであれば、内容の濃いフィードバックが期待できますよ。
従業員のモチベーションアップ
ミステリーショッパーの活用は、従業員のモチベーションアップにも直結します。
サービス向上を目的に覆面調査を依頼すれば、社内環境を整えることができます。やる気のなさそうな従業員などがいると接客態度などその他のサービスの質に大きな問題が生まれるでしょう。そのため、必然的に顧客満足度も落ちてしまうことになりますよね。
しかし、ミステリーショッパーは従業員の名前も控えたうえで調査をするので、悪いポイントだけでなく、良いサービスについても消費者の生の声がピンポイントに届きやすくなるのです。
従業員の競争心にも火を付けることができ、お互いを見習いながら成長させる雰囲気が自然とできあがるかもしれません。
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ホテルが覆面調査員にチェックをお願いしているところは?
ホテルが実際に覆面調査を依頼するときに、必ずと言っていいほど調査をお願いしているポイントがあります。早速みていきましょう。
清掃面
まず、館内の清掃状況をチェックしているようです。エントランスに目立った汚れがないか、館内・レストランなどの清掃は行き届いているかなどを重点的にみています。
客室に入ってからは、床・ベッド・壁・デスク・クローゼット・バスルーム・トイレ・アメニティなどを写真に収め、こちらも清掃状況などを隅々までチェックしているのです。
それだけでなく、駐車場にゴミは落ちていないかなども注視してくれます。
接客態度
スタッフの接客態度は数あるチェック項目のなかでも、ホテル側にとっては必ずチェックしてほしい項目に入ります。
挨拶からはじまり、スタッフの雰囲気、言葉遣い、客室までの案内なども確認しています。
また、チェックインを受け付けた後の対応も見てくれます。たとえば「ホテル周辺のおすすめの観光地を教えてください」などさまざまなコミュニケーションを介して、スタッフの接客態度をチェックしているのです。
スタッフの名札も控えたうえで働きぶりを観察してくれるので、スタッフの昇進などがかかる時期に活用してみても良いかもしれません。
料理
ホテル内に併設されるレストランでも細かく調査することができます。
レストランでは料理の味のほか、料理の盛り付けやナプキンなどの備品の状態、料理が提供されるまでの時間なども測ってもらえるのです。
ホテルの料理は、宿泊施設を利用するお客様が楽しみにしているものの一つです。細かくチェックしてもらい、それらを改善することで集客にもつながりやすくなるでしょう。
ホテルは覆面調査の結果をどう活かすべき?
覆面調査で得られる結果は、問題点や課題点だけではありません。ホテルの潜在的な魅力を発見することにも役に立ちます。
いままで気にも留めなかったものがホテルのアピールポイントにつながったり、思わぬところで業務の効率化ができることもあるのです。
改善点が見つかった場合は、早速改善に取り掛かりましょう。接客態度に問題があったスタッフには研修を用意したり、人事評価の参考にもなります。
清掃が行き届いていないところがあれば清掃のチェックシートをより厳密化するなど、細かなところから取り組むことが集客率を上げることになります。
覆面調査は競合他社が自社に対して行う場合もある
覆面調査は自社ホテル内のみで行うとは限らず、競合他社が自分たちの施設に対して行うケースもあります。
なぜ競合他社が覆面調査を依頼するのかというと、ライバルの企業にミステリーショッパーを派遣し調査してもらうことで、自分たちがいま何をすべきかというポイントを探るためです。
さらに、ただ満足度を基にランキングすることを目的に行う覆面調査もあります。そのような場合はガイドブックなどに使われることがほとんどでしょう。
どちらのケースも、自社にとって関係ないとは言いにくいですよね。ですので、自社がミステリーショッパーを依頼せずとも、普段から緊張感を持って業務にあたることが求められます。
ホテルの自社改革にはミステリーショッパーを活用しよう
新型コロナウイルスによって、集客が以前よりも落ち込んだホテルが大半を占めます。
集客をしようにも感染症蔓延のおそれがあるいま、思い切った集客は出来ないといったホテルも多いのではないでしょうか。
ですが、自社ホテルの改革は今の時期だからこそできることです。次なる集客へ向けた取り組みを行う前に覆面調査を依頼し、まずは自社の改革に必要な情報を集めましょう。
「売り上げに伸び悩んでいる」「業績がなかなか上がらない」などのお悩みは、ミステリーショッパーから得た思わぬ収穫が解決してくれるかもしれませんよ。