ホテル・旅館で留学生を採用するときの注意点は?

人手不足に悩むホテル・旅館では、外国人留学生の採用をご検討されているかもしれません。しかし、留学生を採用したいけど、どのようなことに注意すれば良いか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。留学生の採用において気を付けたいことや、採用活動の仕方などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ホテル・旅館に留学生の力が必要なわけ

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最近では、ホテル・旅館は慢性的な人手不足に悩んでいるところがほとんどです。毎年、労働人口が減少していることや、休日の少なさや長時間労働に耐え切れず離職者が増加していることから人材確保に苦しんでいます。

そのため、限られた人材で業務をこなさなければならず、それが従業員の負担となり、また離職者が後を絶たないといった現状になってしまうのです。

そこで、慢性的な人手不足の現状を打破するために外国人留学生の存在が重要となります。2019年4月の入管法改正によって、ホテル・旅館業にも多くの外国人留学生を採用できる環境も整いました。

ホテル・旅館業界では、どうしても外国人旅行者の対応をしなければならない場面も出てきますよね。現状、新型コロナウイルスの影響で外国人旅行者を見かけなくなりましたが、2021年に控えた東京オリンピックに向けて人手不足への対策は必要になるでしょう。

言葉の違いや、文化・宗教などを踏まえたおもてなしを用意するには、外国人留学生は頼もしい存在です。留学生を採用すると人手不足が解消されるだけでなく、ホテル・旅館のサービスの質が向上にお客様の満足度にもつなげることができますよ。

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ホテルや旅館で留学生を雇用する目的を明確にしておこう

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入管法が改正される前までは、外国人労働者は単純労働が禁止されており、担当できる業務がマーケティングや営業、レストランでの調理などに限られていました。

しかし、いまでは「特定活動ビザ」や「特定技能ビザ」などを取得すれば、客室・ロビーなどの清掃や宴会場での配膳業務も行うことができるのです。

「特定活動ビザ」は後ほどご説明しますが、「特定技能ビザ」は学歴が不問なものの日本語能力検定試験N4以上の日本語能力があることと、特定技能試験という宿泊業に特化した試験に合格しなければなりません。

このように、単純労働も解禁されましたが、雇用できる範囲が広がったからこそ「なぜこの職種で留学生を採用するのか」についてよく考える必要があります。

ただ「外国人労働者は人件費が安い」という偏見を持って採用活動を行うと、トラブル発生の種となってしまいます。留学生を雇用する理由をしっかりと掲げたうえで、留学生の国籍や言語能力、具体的な業務内容、雇用期間、給与、採用予定人数を明確にしましょう。

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留学生をアルバイト雇用するための注意点

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留学生をホテル・旅館のアルバイトとして採用する場合、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。必要な手続きもありますので、よく確認するようにしましょう。

日本の法律が適用される

日本で働く留学生にも日本の法律が適用されます。ですので、労働基準法や最低賃金も守らなくてはなりません。また、条件を満たした留学生には、保険の加入や有給休暇を付与することも忘れないでください。

「資格外活動許可」の取得

ホテル・旅館に限らず、留学生がアルバイトをする際は「資格外活動許可」を取得していることが必須です。資格外活動許可」がなくアルバイトとして働いた場合は不法就労となってしまう恐れがあります。そのため、面接段階で資格外活動許可」を取得しているかどうか確認を怠らないようにしましょう。

業種・時間の制限

留学生がアルバイトに従事するときには、業種や労働時間の制限も設けられています。労働時間は1週間で合計28時間以内であることを年頭におかなければなりません。

また、留学生のアルバイトが制限されている業種は、パチンコ店、ゲームセンター、麻雀店、キャバレー、スナックなどの風俗関連です。ホテル・旅館の方は労働時間に制限があることを心に留め、アルバイトが禁止されている業種に関しては知識として頭の片隅に入れておいてくださいね。

ハローワークへの届け出

 正社員の雇用だけでなく、留学生をアルバイトとして採用する場合もハローワークへの届け出が義務付けられています。届け出は、採用時と退職時ともに不可欠です。留学生の氏名や在留資格、在留期間などを確認し、忘れずにハローワークへ届け出ましょう。

留学生を正社員として採用する条件とは?

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2019年4月以前は「技術・人文知識・国際業務ビザ」のみで、フロント業務や通訳業務などの専門業種しか許されず、客室清掃などの単純労働は認められていませんでした。

しかし、現在、留学生を正社員として採用するには「特定活動ビザ」があると、ホテル・旅館内の単純作業以外の業務を任せることができます。

「特定活動ビザ」とは、留学生の就職支援のために2019年5月に新設されたものです。特定活動ビザの審査要件は日本の大学を卒業、または大学院を修了していることが必須です。ただし、新卒採用の場合は卒業見込みでも通用するので、ご安心ください。

また、「特別技能ビザ」を取得している留学生も正社員として採用できます。まずは、正社員として採用する際に必要なビザがあるかどうかを確認することが重要でしょう。その他詳しい要件や、ビザの種類については以下のサイトでご確認ください。

参照:特定活動9/法務省

ホテルが外国人を雇用するためには何が必要?

新卒で留学生を採用するときのポイント

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新卒で留学生を採用する場合、特に留意していただきたいポイントがあります。事前のチェックを怠らず、優秀な人材の採用につなげましょう。

在留カードを確認する

在留カードとは、入国管理局が中長期滞在の外国人に渡す身分証明書のことで、日本でできる活動内容や在留期限が記載されています。

在留カードを持っていても期限が切れていたというケースもあり、その場合は不法滞在となってしまうことも。留学生を採用したとしても、就労ビザも取得できない可能性があるので、在留カードは必ず確認してくださいね。

留学生の学歴と専攻を確認する

新卒で留学生を採用する場合、大卒か専門学校卒の学歴が必須となります。それだけでなく、学校での専攻と従事する業務への関連性も重要視しなければなりません。

関連性がないと判断されると、就労ビザが取得できないリスクもあるので、学歴や専攻に見落としのないよう注意しましょう。

日本人と同等の待遇・給与を用意する

「外国人留学生だから安く雇うことができる」といった発想は大間違いです。先ほどもご説明しましたが、日本の法律が適用されるので、労働基準法や最低賃金は必ず守らなければいけません。

トラブルの元にもなりますので、当然のことですが日本人と変わらない待遇や給与を用意するようにしてください。

労働条件についてよく話し合う

賃金や業務内容などの労働条件についてよく話し合い、書面による雇用契約を結ぶことをおすすめします。書面に残すことで、もしトラブルが起きてしまっても証明書として機能するのです。

そもそも、雇用契約書や労働条件通知書等を従業員に書面で配布することは、労働基準法によって義務化されています。このため、契約書の配布などを怠った場合は、企業は責任を問われることになるので注意しましょう。

ホテルや旅館で留学生を採用する際の問題点

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ホテル・旅館で留学生を採用する場合、待ち受ける課題もあります。課題が発生したときに、すぐに対処できるよう準備が必要なので、一つひとつご説明します。

コミュニケーションの問題

英語などの共通語があるホテル・旅館内もあることでしょう。しかし、まだ外国人の従業員の受け入れが整っていないホテル・旅館だと、主なコミュニケーションは日本語になっているはずです。

日本人だと慣れているかもしれませんが、なかには空気を読むことが苦手な留学生もいます。細かく説明しなかったために、認識にズレが生じてしまい、業務のなかでミスをしてしまうというケースも多く見られます。

留学生にばかり日本語や文化の理解を求めていると、職場環境は悪くなり、留学生が本来の能力を発揮できない可能性があるのです。ですので、外国人従業員の受け入れ体制が整っていないホテル・旅館は、普段から外国人の従業員に理解を求める体制づくりも必要でしょう。

文化や習慣の問題

留学生を採用する際は、文化・習慣についてどれだけ許容できるかも考える必要があります。

外国人従業員のために施設内に礼拝をできる場所を作った企業や、指導をする際は人前で叱らず外国人従業員が理解できるよう丁寧に対話するといった企業もあるのです。

採用する前に、留学生の育った国の文化や信仰、習慣などにどれだけ理解を深められるのかについても考えましょう。

雇用手続きの問題

外国人留学生と日本人では、募集方法や雇用に関する手続きなどが大きく異なります。

初めて留学生を採用する場合は必要書類の入手や採用後の手続きなど、手間がかかり思ったより時間がかかってしまうこともあります。ですので、なるべく時間に余裕を持って動いたほうが良いでしょう。

留学生に向けてどのように求人を出すのか

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留学生を採用すると決めた場合、どこに求人を出すと効果があるのか気になりますよね。主な外国人留学生向けの求人についてご紹介します。

求人広告を活用する

求人広告の掲載先は様々です。しかし、留学生に向けてアピールするならば、日系新聞、メディア、雑誌、外国語のポータルサイトなどが効果的です。それぞれ、内容や金額もバラバラですので、自社が求める人物像に合った求人広告を使いましょう。

大学・専門学校から紹介してもらう

かなり地道ですが、大学・専門学校から紹介してもらう方法もあります。なかには、外国人留学生の就職をサポートしているところもあるので、よく検討してみてください。

まず、紹介してもらうには、大学や専門学校の就職課に直接コンタクトをとり、求人情報を掲載してもらいます。その後、インターンの募集を行うこともできるので、入社後のミスマッチは低いでしょう。

公的機関を活用する

ハローワークや外国人雇用サービスセンターを活用することも一つの方法です。基本的には無料でサポートしてくれますので、気軽に相談してみてはいかがでしょう。

人材紹介会社を活用する

人材紹介会社を利用すると、採用コストは高いですが、確実に優秀な人材の採用につなげられます。

また、採用活動は人材紹介会社がすべて請け負うので、自社に必要な人材さえ明確にしておけば、あとは任せるだけなので初めて留学生の採用を検討している場合は活用してみても良いかもしれませんよ。

ホテル・旅館で留学生を採用後の環境づくりも重要

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ホテル・旅館で留学生を採用するには、事前に必要な書類やビザなど確認しなければならないことが多く存在します。また、外国の文化や風習なども勉強しておく必要があるでしょう。

面倒な手続きがあることは事実ですが、優秀な留学生を採用するとホテル・旅館のサービスの質も向上することが期待できます。面倒な手続きを差し置いても、外国人留学生を採用する魅力はたくさんあるのです。

もし、留学生の採用をご検討されているホテル・旅館があれば「おもてなしHR」もぜひご活用くださいね。

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