地方創生推進交付金とは?
地方創生推進交付金とは、地方創生を支援するため国から交付される交付金です。この交付金は、自治体が地域活性化の事業を策定し、それに関する目標数値を自治体が自ら設定し、国が精査して具体的な交付金額が決定されるという仕組みです。
事業の進捗状況を国や地域住民が検証することにより、事業の見直しや交付金の内容が変更になる場合もあります。事業の進捗状況の検証は、「KPI(重要実績評価指標)」、および「PDCAサイクル」の確立を推進させる効果もあるといわれています。
地方創生推進交付金の目的
地方創生推進交付金の支援は以下の通りです。
【地方創生の充実・強化に向け、地方創生推進交付金により支援】
- 地方版総合戦略に基づく、地方公共団体の自主的・主体的で先導的な事業を支援
- KPIの設定とPDCAサイクルを組み込み、従来の「縦割り」事業を超えた取組を支援
- 地域再生法に基づく法律補助の交付金とし、安定的な制度・運用を確保
地方創生推進交付金とは、各自治体が自主的かつ主体的で、何年かにわたって先進的な事業を継続的に支援するために設定されたものです。自治体が作成した5年以内の地域再生計画を申請し、内閣総理大臣の認定後、交付金額が確定します。また、交付後も事業進捗をKPI(重要実績評価指標)で検証し、PDCAサイクルを組み込むことで活動管理を円滑にします。KPIやPDCAの徹底により、将来的には交付金に頼らず地域で経済が回るように、それぞれの事業を立ち行かせることを目指すのです。
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交付金と補助金の違い
行政の支援において、交付金や補助金という言葉を耳にしますが、その違いは何でしょうか。交付金と補助金についてご説明します。
交付金
交付金は、国または地方自治体が特定の目的をもって支給するお金のことをいいます。国や地方自治体が行いたい事業やプロジェクトに、民間企業が受託者として参加し、資金の交付を受けるという場合が多いです。支給金額は、少額から億単位までと幅広く、規模の大きな事業については複数年に分けて交付されます。地方創生、まちづくり、防災などといった、主に地域経済に寄与する分野に支給されます。
補助金
補助金は、企業や民間団体もしくは個人が行う事業に対して、国や各自治体が事業実施を支援するために支給するお金のことをいいます。補助金の種類が多く、金額や割合、申請が可能な経費や募集時期は様々で、支給期間は短期間であることが多いのも特徴です。
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地方創生推進交付金の対象事業と要件
地方創生推進交付金の支援対象は、大きく分けて3つのタイプがあります。この3つに共通しているのは、地域再生法に基づく事業であり、その事業が複数年度にわたるという条件です。それぞれのタイプについて見ていきましょう。
先駆タイプ
自立性、地域間連携、政策間連携、官民協働等のすべての要素を含む事業で、期間は5年以内です。交付金額は1つの事業につき国費2億円で事業費ベース4億円といわれています。
横展開タイプ
先駆的かつ優良事例の横展開を図ることによって地方創生を深く掘り下げ、底辺を広げる事業という定義です。期間は3年以内で、交付される金額は1つの事業あたり国費5千万円で事業費ベース1億円です。
隘路打開タイプ
既存事業の隙間を発見し打開するための事業で、期間は3年以内です。交付金額は1つの事業あたり国費5千万円、事業費ベース1億円といわれています。
地方創生推進交付金の活用
地方創生推進交付金は、平成30年度は1,000億円の予算額、平成31年度においては1,150億円の概算要求額になるなど、国としても注力している支援です。
内閣府の地方創生推進事務局によると、都道府県においては全47団体、市区町村においては1,741団体のうち1,300団体の活用実績があり、1,392億円分の事業が採択されています。特に人口減少や過疎化が進む地域では、地域の活性化を図るため、交付金を有効活用しているのです。
参照:内閣府 地方創生推進事務局 地方創生推進交付金の活用状況
地方創生推進交付金は正しい知識の基活用しましょう
国の支援のひとつ、地方創生推進交付金について紹介をしてきました。これから地方で起業を予定していたり、既存のビジネスで新たな事業展開をしたりするときに、国が各自治体にどれくらい支援をしているかを知ることで、各地域ではどんなことに力を入れたいのかを知ることができます。そこから、自分が行おうとする事業のヒントが得られるかもしれません。起業のためには、行動力のほかに、様々な視点から情報を得ておくことも大切です。交付金の正しい知識を身につけて、事業の成功につなげられるといいですね。