「北の草津」とも呼ばれる強酸性の川湯温泉。概要と暮らしについて

川湯温泉は、北海道弟子屈町に位置する温泉地です。泉質は強酸性の硫黄泉で、「北の草津」とも呼ばれています。周辺には摩周湖や屈斜路湖、硫黄山など、美しく雄大な観光スポットが充実しており、これぞ北海道といった自然景観が堪能できます。今回の記事では、川湯温泉の概要や暮らしについてご紹介します。

川湯温泉とは

弟子屈町の牧場

iStock/okimo

北海道の雄大な自然に湧き出る川湯温泉。五寸釘を溶かすほどの強酸性の硫黄泉は、ひときわ存在感を放ちます。ここでは、川湯温泉の概要や歴史についてご紹介します。

川湯温泉の概要とアクセス

北海道の道東エリア、弟子屈町(てしかがちょう)に位置する川湯温泉は、屈斜路湖と硫黄山の間に広がる北海道有数の温泉地です。豊富な湯量は川に流れ出すほどあふれ、立ち上る湯気と硫黄の匂いが温泉街に立ち込め、温泉地らしい風情が漂います。

最寄り駅は釧網本線の川湯温泉駅で、駅から川湯温泉街までは車で5分ほどの距離になります。また、車で1時間ちょっとの距離には空港があり、札幌からは約45分~1時間ほど、東京の羽田からは約1時間40分~1時間55分ほどでアクセスでき、道内外から往来しやすい環境です。

川湯温泉の歴史と現状

川湯温泉の開湯時期は定かではありませんが、古くからアイヌ人にセセキベツ(湯の川)と呼ばれていました。硫黄採掘で栄えたこの地域に、本格的な温泉宿が建設されたのは明治時代1904年のことです。現在はホテルや旅館、ペンションなど多彩な温泉宿が建ち並び、国内外から観光客が訪れる温泉地へと成長しています。

川湯温泉エリアの観光入込客数は、2017年4月~9月の上期で48万7734人となり、対前年比103.31%と増加傾向にあります。同時期の外国人宿泊客数については、町内全域の実数で、1万2724人となり、対前年比131.99%と前年を大きく上回りました。

参照:2017年度月別観光入り込み客数/弟子屈町公式HP

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川湯温泉の泉質と観光資源

温泉のお湯

iStock/flyingv43

「恋の病以外なら万病に効果あり」とも謳われる川湯温泉。ここでは、川湯温泉の泉質や効能、周辺観光スポットについてご紹介します。

川湯温泉の湯量と泉質について

川湯温泉の泉質は、酸性硫化水素泉、酸性硫黄泉で、泉温は35℃~65.5℃。釘を浸けておくと1週間ほどで溶かしてしまうほど、強い酸性の温泉です。どこの施設でも源泉100%のかけ流しのため、成分濃度が高く効能豊かな温泉が楽しめるのも魅力です。殺菌作用や保温効果も高く、さまざまな症状によいとされていますが、主な症状としてはリュウマチや糖尿病、神経痛、皮フ病などが挙げられます。また、肌がつるつるになると評判で、美肌効果も期待できます。

参照:川湯温泉/弟子屈ナビ

川湯温泉の観光について

川湯温泉のある弟子屈町は、屈斜路湖と摩周湖、釧路川、硫黄山など、北海道を代表する雄大な自然を有し、国立公園にも指定されている森と湖、火山から成る風光明媚な地域です。

温泉街の近くに位置する硫黄山は、噴気孔から常時白い噴煙が上がり、原始的で迫力のある景観が広がります。世界一級の透明度を誇る摩周湖は、急峻な絶壁の外輪山に囲まれたカルデラ湖で、特別保護地区に指定されています。このため、湖への立ち入りは厳しく制限されており、展望台から眺望を楽しむことができます。

屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、国内では6番目の大きさを誇ります。夏は釣りやキャンプなどのアウトドアが楽しめることから、大勢の人でにぎわいます。冬季は全面凍結しますが、例年400~500羽の白鳥が地熱の高いわずかな湖面で越冬する姿を観察できます。また「御神渡り現象」と呼ばれる氷の造形も見ることができ、その規模は長さ10km、高さ2mにおよぶこともあるそうです。

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川湯温泉にあるホテルや旅館での働き方と暮らし

日本の旅館のイメージ

iStock/Image-Source

川湯温泉の旅館やホテルで働く

川湯温泉には風情漂う旅館から近代的なホテル、ペンションやオーベルジュなど、宿泊客のニーズに応じてさまざまな温泉宿が揃います。募集職種は主に、接客や布団の上げ下げ、料理の配膳、客室清掃といった旅館業務全般から、レストランスタッフや調理補助などが挙げられます。アルバイトやパートのほかにも、契約社員の募集、また40歳以上を歓迎している企業もあります。未経験でもおもてなしの心を一から学び、スキルアップして将来にわたり活躍することも可能でしょう。

川湯温泉の暮らし

川湯温泉から車で24分ほどの距離には、街の中心市街地があり、スーパーやコンビニなどの店舗や、図書館、郵便局など暮らしやすい環境が整っています。ただし、大型量販店や映画館、レンタルDVD店などの娯楽施設はなく、車で80分ほどの釧路市や60分ほどの中標津町などの都市まで足を運ぶ必要があります。

また、北海道というと、冬の寒さが気になりますね。弟子屈町は、北海道の中でも寒さが厳しい地域でもあります。川湯温泉の冬の平均気温は氷点下8.2℃、12月から3月までの平均気温は氷点下を下回ります。11月初旬に初雪があり降雪量は50cm~100cmほどですが、冬には晴れの日が多いのも特徴です。除雪などの対策はしっかりとされているものの、雪や厳しい寒さへの備えは心しておきましょう。夏の平均気温は17.7℃と涼しく、梅雨がなく湿度も低いのでエアコンが無くても快適に過ごせます。

ゆとりと笑顔に満ちた弟子屈町、川湯温泉の暮らし

摩周湖周辺

iStock/gyro

北海道ならではのスケールの大きな大自然に囲まれた、弟子屈町での暮らし。便利さやスピードばかりを追い求める日々の生活の中で、忘れかけている大切な何かを思いださせてくれそうな気がします。実際に川湯温泉に移住した人からは「毎年キャンプに訪れていたが、妻から、ここにいる時あなたはいつも笑っているねと言われたことが、移住へのきっかけとなった」という声がありました。

広大な大地と美しい景観に囲まれ、ゆったりと流れる時の中では自然と笑顔がこぼれるのかもしれません。弟子屈町では移住体験プログラムを用意し、短時間から数日にわたって、実際の暮らしを体験することができます。冬場は雪道の運転や除雪作業なども体験できるので、雪国生活を実感できることでしょう。移住を検討している方は、利用してみるとよいですね。

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