ホテルのバトラーはどのような仕事?
バトラーは直訳すると「執事」のことであり、海外のホテルでは比較的普及している職種です。担当業務は宿泊中のお客様が快適に過ごせるように、最も近い場所でさまざまなサービスを提供すること。
この記事ではバトラーの具体的な業務内容や大変さ、やりがいなどを紹介します。必要なスキルや求人情報にも触れるので、ぜひご一読ください。
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ホテルのバトラー:業務内容
バトラーはお客様専用の執事のような存在。必要に応じてさまざまなサービスを提供します。代表的な3つの業務を見てみましょう。
お客様の身の回りのお世話
バトラーは、お客様の身の回りについて、あらゆるお世話を遂行するというミッションを持っています。
具体的には荷解きや荷造り、車の手配、アイロンかけや靴磨き、食事の準備といったこと。時には、お客様の着替えを手伝うこともあります。
お客様が快適に過ごすためには、内容を問わずにお手伝いするのですね。
客室のアレンジ
お客様の要望にあわせて客室をアレンジすることもバトラーの仕事です。お客様の要望を聞き、好みの寝具を用意したり、客室に花を飾ったりすることもあります。
リピーターの場合や、事前に希望を聞いている場合には、お客様の到着前に客室を作り上げる必要があります。夫婦の記念日など、特別な旅行の場合にはロマンティックな演出をすることも。
さまざまなリクエストへの対応
バトラーはお客様のどのようなリクエストに対しても笑顔で応えます。
お客様に代わって書類のコピーや荷物の郵送などをすることもあれば、ショッピングに同行したり、テニスの相手をしたりすることもあります。さまざまなリクエストにも柔軟に対応できる力が必要なのですね。
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ホテルのバトラー:仕事の難しさ・大変さ
お客様が快適なホテル生活を送れるように身の回りのお世話をし、さまざまなリクエストにも応えるバトラー。その仕事にはどのような大変さがあるのでしょうか。
柔軟な対応が求められる
お客様はさまざまな目的でホテルを利用しており、バトラーにどこまでの要求が可能なのかのボーダーラインはお客様の価値観によっても異なります。
時には、無理なリクエストをされることもありますが、バトラーは常にお客様の要望や希望に全力で応えなければなりません。依頼内容によっては、他部署への協力や専門家へ協力を仰ぐこともあるでしょう。
リクエスト通りに応えられない場合でも「できません」と告げて終わらせることはNG。お客様に納得してもらえる代替案の用意が必須です。
マニュアルに囚われず、柔軟に対応することがバトラーの使命と言えるでしょう。
お客様が望むことを読み取る力が必要
バトラーがお客様からの依頼に応えるのは当然のこと。リクエストに対応するだけでは、最高のサービスとは言えません。お客様の望みを言われる前に読み取り、行動に移せる能力が必要です。
ただし、良かれと思ってしたことが的外れではいけません。お客様の本当の気持ちを理解し、喜んでもらえてこそ、一流のバトラーではないでしょうか。
ホテルのバトラー:仕事のやりがい・面白さ
ホテルマンの中でも特に高いホスピタリティが必要なバトラーには、さまざまな苦労があるでしょう。しかしその一方で、大きなやりがいや面白さがあることも確かです。この職業の魅力を紹介します。
お客様ひとりひとりと向き合える
さまざまなお客様が宿泊するホテルにおけるバトラーの役目は、お客様のニーズを把握し、ひとりひとりに合ったサービスを提供することです。
お客様の名前と顔を覚え、最も近い場所で接するため、一般的なホテルマンよりもお客様との距離が近くなります。
お客様の特徴や好みなどをキャッチし、どうすればお客様が喜んでくれるかを考え、提案し、行動できるのはバトラーという職種の面白さでしょう。
お客様の満足を直接感じられる
自分のサービスや提案に対して、お客様が満足した姿や喜んでいる姿を見られることも、バトラーの喜びです。
お客様からの難しいリクエストに対応できれば、「ありがとう」と感謝の言葉をかけられたり、リピート時に指名をもらえたりすることもあるでしょう。
お客様の満足が、次の仕事への活力になるのではないでしょうか。
VIP客に対応できる
一般的にバトラーサービスは、高級ホテルのハイグレード客室だけに限定して提供されるサービスです。そのため、VIPのお客様に対応する機会は多いでしょう。
ホテルにとって特別なお客様を担当できることは、バトラーの大きな誇りではないでしょうか。
ホテルのバトラー:必要な資格・スキル
バトラーになるために、特別な資格や免許は必要ありません。しかし、次のような資格を持っていると、業務で役に立つでしょう。
- ・ホテルビジネス実務検定
- ・ホテル実務技能認定試験
- ・サービス接遇実務検定
- ・TOEIC
求められるスキルの質はホテルの規模などによって異なりますが、接客やサービスの基本は身につけるべきです。
外国人のお客様を接客することもあるため、バトラーの採用試験ではTOEICのスコアに一定の基準を設けることもあります。また、資格とは別に次のようなスキルも求められます。
- ・語学力
- ・責任感
- ・ホスピタリティ
- ・コミュニケーション能力
バトラーは、ホスピタリティやコミュニケーション能力といったホテルマンの基礎だけでなく、お客様の要望に必ず応えようとする責任感が求められます。
また、外国人のお客様はバトラーを使い慣れていることも多いため、語学力があると活躍の場が広がるでしょう。他業界での接客経験も役に立ちます。
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ホテルのバトラー:仕事で身につくこと・キャリアステップ
バトラーとして経験を積むことで、次のようなスキルが身につきます。
- ・質の高い接客スキル
- ・きめ細やかな心配り
- ・柔軟な対応力
お客様が快適に過ごせるように務め、さまざまな要望に応えるバトラーは、きめ細やかな心配りと柔軟な対応力が欠かせません。日々の業務をこなしていく中で、非常に質の高い接客スキルが身につくことでしょう。
将来は一流のバトラーとしての道を極める他に、よりグレードの高いホテルへ転職できる可能性もあります。また、バトラーとしてのスキルをいかし、他部署で責任のある立場を担えるかもしれません。
ホテルのバトラー:求人情報を見てみよう
バトラーは専門性の高い職業で、求人件数は限られています。バトラーを目指すのであればまず、ホテルの接客スタッフとして経験を積むことが望ましいでしょう。
おもてなしHRに掲載している求人情報の中から、バトラーになるための経験を積める仕事を見てみましょう。
大阪府のシティホテル
大阪府のあるシティホテルでは、ベルスタッフを募集しています。このホテルは世界水準のホスピタリティを誇る高級ホテルで、海外からのお客様も多いことが特徴。語学スキルを磨きながら、バトラーに必要なおもてなしの精神を身につけられるでしょう。
具体的な業務内容はチェックイン・チェックアウトや荷物の預かり、備品の貸し出しや問い合わせ対応といったことです。
雇用形態は契約社員で、給与は月給16万2800円〜25万円。歓迎スキルとして外資系ホテルでの勤務経験や語学スキルが挙げられていますが、未経験でも応募できます。
沖縄県の観光地ホテル
沖縄県の観光地に位置するホテルでは、お客様の滞在を総合的にサポートするゲストリレーション業務のスタッフを募集しています。
主な業務内容はお客様のお迎え・お見送りや客室案内、チェックイン・チェックアウトや会計業務といったこと。さまざまな角度からお客様に接する立場なので、バトラーを目指すための経験として有効ではないでしょうか。
雇用形態は契約社員で、給与は月給16万5000円〜22万円。学歴不問で未経験でも応募可能です。
京都府のラグジュアリーホテル
最後に紹介するのは、京都府のあるラグジュアリーホテルにおけるゲストサービス業務のスタッフ募集です。
このホテルは仕事の自由度が高いことが特徴で、スタッフのアイディアによってさまざまなサービスが提供されているとのこと。マニュアルに囚われない柔軟な対応ができるため、バトラーを目指す人におすすめの求人です。
雇用形態は正社員で、給与は月給22万円〜。応募資格は接客業の経験があることと、日常会話程度の英会話ができることです。
ホテルの仕事を探す際にはおもてなしHRにご相談を!
高いホスピタリティや臨機応変さ、語学スキルが必要なバトラーはホテル業務の中では狭き門かもしれません。宿泊業界の仕事探しで困った時には、ぜひおもてなしHRにご相談ください。