ホスピタリティとは
「ホスピタリティ」には、「思いやり」「心のこもった手厚いおもてなし」「歓待」といった意味があります。
聞きなれた言葉ではありますが、ホスピタリティそのものを明確に表現するのは難しいかもしれません。
仕事の上でホスピタリティというと、相手の気持ちや望みをいち読み取ったり、相手の様子を見て困っていることを助けたり、何を求めているか先読みして喜ばせること、喜ばせようと思う気持ちを表します。
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サービスとホスピタリティの違い
質の高いサービス、ホスピタリティマインド。そういった言葉は、様々な業界で使われることがあります。サービスとホスピタリティではそれぞれの意味が異なります。
サービスとは「全てのお客様にに対し、均一な対応を提供すること」
ホスピタリティとは「お客様の状況によって、応対を変化させること」
どちらも、お客様に対して行われるものでありますが、その目的や効果は大きく異なります。サービスは、平等で均一であることから、効率の良さや広くスピーディーに行き渡るといった特徴があります。
一方のホスピタリティは、お客様の要望に合わせて提供されるもので、正解はありません。時には非効率であったり、時間がかかることもあります。しかし、ホスピタリティを持った対応が、特別な信頼関係をのきっかけとなり、生涯の顧客を獲得することにも繋がります。
価値観が多様化する中で、お客様一人ひとりの満足度は異なります。顧客満足度の向上を意識して、ホスピタリティの提供を付加価値と位置づけることもあるようです。
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ホテルマンのホスピタリティ
人と人との触れあいを中心とした人的接客サービスを提供している業種は,、ホスピタリティ産業と呼ばれます。ホテルはその代表的な業種の一つです。
ホテルで提供されるホスピタリティの多くは、ホテルマンによって作られます。そして、その質の高さがホテルの評価を上げ、お客様の満足度を上げていきます。
ホスピタリティを感じるホテルマンの姿
ホスピタリティは、特別な行動のみによって提供されるものではありません。立ち居振る舞いや、見た目など、提供する側の印象から感じ取れるホスピタリティも存在します。
身だしなみ
ホテルマンには、身だしなみに対して細かな配慮が必要です。見た目で印象の9割が決まってしまうと言われることもあります。
ホテルマンには、礼儀正しい立ち居振る舞いや清潔感の感じられる見た目が求められます。ホテルの利用客の中にも、そういったイメージを持っている人は少なくありません。
- ・髪の色
- ・爪の長さ
- ・メガネフレームの色
- ・靴下の色
ほとんどのホテルが、ホテル従業員に対する身だしなみの規定を設けているはずです。そしてそれらは、一般企業と比べて比較的厳しいものであることが多いようです。
言葉遣い
丁寧な言葉遣いは当然身に付ける必要があります。言葉遣いひとつで、伝わり方は大きく変化するものです。さらに、丁寧なだけでなく正しい言葉遣いである必要もあります。
- ・いらっしゃいませ
- ・かしこまりました
- ・申し訳ございません
- ・おまたせいたしました
- ・恐れ入ります
- ・ありがとうございます(ありがとうございました)
- ・少々お待ちください
このような接客7大用語はもちろん、ネガティブな印象を和らげるクッション言葉を使いこなせると良いでしょう。
気配り
気配りは身だしなみや言葉遣いと違い、明確な規定や見本のないものです。だからこそ、各々のスキルが試される部分でもあり、さすがホテルマンと感じるきっかけになるものです。
普通なら見逃してしまいそうな、お客様のちょっとしたしぐさや表情を察すること。ホスピタリティの原点にあるものかもしれません。さりげない気配りは、決して目立つものではありませんが、とても印象深いエピソードとして取り上げられることもあります。
どんな些細なことにも気を配り、目を向けるアンテナが必要とされるのは、ホテルマンならではかもしれません。
ホスピタリティの上達のために必要なこと
ホテルマンとして働く場合に、ホスピタリティについて学ぶ機会もあるでしょう。とはいっても、お客様に満足していただけでるホスピタリティは、研修や講習会を受けるだけでは身に付きません。ホスピタリティの上達のために必要な心掛けを具体的に紹介するので、参考にしてみてください。
人の話を聞く
当然のことのようですが、ホスピタリティは傾聴から始まります。お客様の声に耳を傾けること、そこにはたくさんのヒントが含まれています。自分自身の思いだけでは、見当違いの行動になってしまうこともあります。
何も聞かずしてお客様の要望を叶えることができれば、それはとてもスマートな印象で、お客様の心にも残ります。そうは言っても、なかなか実践できないものです。
まずはお客様の話や意見に耳を傾け、お客様に関心を持っている姿勢、要望をかなえようとしている姿を見せることが大切です。
人の真似をする
同じホテルの中に、お手本になるような先輩がいたら、真似をしてみるのも良いでしょう。ホテルマンの中には、お客様と強固な信頼関係を気付いているホテルマンの鑑のような人もいます。
近くにそういった先輩や同僚がいたら、少し観察してみると良いかもしれません。お声がけのタイミングや、立ち居振る舞い。質の高いホスピタリティを身に付けるための努力を垣間見ることができるでしょう。
自身の感性を磨く
ホスピタリティに必要なのは、感動です。感動するのは、ホスピタリティを感じた側、つまりはお客様です。ではなぜ、自分の感性を磨く必要があるのでしょうか。
それは、人がどういったことに感動するのか、喜びを感じることはどのタイミングなのか、自分自身に置き換えて考える力が求めるためです。
こう言われて嬉しかった、こんなサービスに感動した。そんな記憶や体験があればあるほど、自分自身の引き出しが増え、バリエーションに富んだホスピタリティを実践することが出来るはずです。
ホスピタリティのカギは自分自身が豊かであること
ホスピタリティに欠かせないのは、相手の喜びや幸せを実現しようとする気持ちです。そして、提供したホスピタリティによって生まれる感動を共有することに喜びを感じれられる感性も必要です。
マニュアル通りではない、ホテルマン一人一人の感性や感覚、経験によって創り上げられるのがホスピタリティです。ワンランク上のサービスは、豊かな感性や鋭い感覚、経験から見出されるものです。
自分なりのホスピタリティを身に付けるために、まずは自分自身が豊かであることが必要になりそうです。