仕事が終わらないのに残業するなと言われる
残業時間の削減は、多くの企業が取り組んでいる課題の1つです。
そのため「残業するな」という指示を受けた経験がある方は多いのではないでしょうか。
確かに、残業をなくしたり少なくしたりすることは、プライベートを充実させたり疲労を回復させたりするためには重要なことです。
長時間の残業は過労の原因になり、心身に悪影響を及ぼします。好んで残業しているという方は少ないでしょう。
しかし、いくら残業するなと言われても、仕事が終わらなければ残業せざるを得ないことがあります。
仕事に追われているのにもかかわらず「残業するな」とばかり言われては、ストレスを感じることもあるでしょう。
確かに残業は減らすべきですが、減らすためには、なぜ残業が発生しているのかの原因を特定しなければなりません。
仕事が終わらないことで残業が発生しているのであれば、まずはその原因を探り解決策を見つけることが重要です。
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仕事が終わらない3つの原因
仕事が終わらないことに焦りを感じているのにもかかわらず、上司や先輩から「残業するな」という指示を受けると、さらに焦りが大きくなってしまうものです。仕事が終わらないことには、何かしらの原因があります。その原因を解決すれば、残業をする必要はなくなるはずです。仕事が終わらない原因として考えられるものを3つ紹介します。
業務量過多
仕事が終わらない原因の代表的なものに、業務過多があります。
複数の業務が同時進行していたり、1つの業務の負担が大きかったり、業務時間内には到底終わらないということがあるかもしれません。
会議や資料作成が多く、優先度の高い業務に集中する時間がないということも少なくないでしょう。
しかし中には、優先順位をつけずにすべてのタスクを同じレベルで処理してしまい、重要な業務を後回しにすることで、自分で業務量を増やしてしまっているということもあります。
業務量が多かったり業務のバランスが悪かったりする場合は、一つひとつのタスクを書き出し、各タスクに締め切りやチェックリストをつけて、タスクの進捗を視覚的に管理しやすくするのがおすすめです。
必要に応じて人員を追加してもらったり、生成AIなどのデジタルツールに頼ったりして、業務の再分配や効率化を検討しましょう。
時間管理の悪さ
終業時間は決まっています。決められた時間内に業務を終了させるためには、徹底した時間管理が不可欠です。
しかし、電話やメールが多くて業務に集中しづらかったり、会議やミーティングが長引いて業務に取り掛かれなかったりすると、計画した通りに仕事が進まないことがあります。
集中力を高めたり無駄な時間を減らしたりするためには、自分の業務時間の中にある「時間泥棒」を特定することが重要です。
時間泥棒とは、計画したタスクに費やすべき時間を奪ってしまう要因や行動を指すものです。
メールの頻繁なチェック、無駄な会議、上司や同僚からの突然の話しかけなど、時間泥棒になる要素はさまざまあります。
メールチェックの回数を1日数回に限定したり、会議の終了時間を厳守したり、イヤホンなどをして中断されない環境を作ったりなど、要素に合わせた対策を講じると、集中力が高まり無駄な時間を減らすことができるでしょう。
また、短時間の集中作業と休憩を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」と呼ばれる時間管理方法や、アイディアやタスクを視覚的に整理する「マインドマップ」の作成なども有効です。
自分に合った時間管理方法を見つけることで、時間管理の悪さが改善されるはずです。
非効率な作業
日々の業務の中には、非効率さを感じるものがあります。
手作業が多かったり繰り返しの作業が多かったり、手間や時間ばかりかかって生産性が感じられない業務には、特に非効率さを感じるでしょう。
同じ資料を作成する際にいつも一から手作業でデータを入力している、承認フローが複雑なため手続きに時間がかかり、業務が滞ってしまうなど、非効率な作業習慣が常態化していることは少なくありません。
そのため、1つの業務に必要以上の時間がかかってしまい、仕事が終わらないということが起こります。
自分の業務に非効率な作業がある場合は、ショートカットキーを学習して作業時間を短縮したり、テンプレートを作成して使いまわしたりなどの工夫をしてみましょう。
また、AIツールなどを使用して作業を自動化するなどの、デジタル化も有効です。作業に重複があったり目的が明確ではなかったりするものは、思い切って廃止するのもよいかもしれません。
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残業を減らすための具体的な方法
仕事が終わらないことで残業が発生したり、残業が増えたりしているのであれば、業務時間内に仕事を終わらせるための工夫が必要でしょう。具体的な方法について、詳しく紹介します。
業務分担を見直す
同じ業務を複数人でこなしていたり、他部署との連携が必要であったりする場合は、業務分担を見直すことで残業時間の削減ができるかもしれません。
仕事が終わらない原因に業務の偏りがある場合は、分担し直すことを提案してみましょう。
円滑に分担するためには、定期的なミーティングなどでコミュニケーションを図ることが重要です。
定期的なミーティングを設定して各メンバーの負担状況や進捗状況を把握したり、自分の負担や課題を気軽に話せる環境を作ったりして、コミュニケーションを活性化させましょう。
残業時間が減らせないことへの悩みが共有できたり、メンバーがどのように工夫しているのかを知れたりすることで、自分の業務にいかせるヒントが見つかるかもしれません。
また、共通のタスク管理ツールを使用して周囲のタスク状況を把握できるようにしておくと、業務の割り振りがしやすくなります。
コミュニケーションとタスクの透明化を図ることで、チーム全体の効率化が実現できるでしょう。
時間管理術を身につける
時間の管理ができない原因に、優先順位や目標が曖昧であったりすることがあります。自分が何をすべきかが分からず、場当たり的に行動してしまうことで、無駄な時間が増えてしまうのです。
時間管理術を身につければ、これらの課題が解決できる場合があります。
時間管理の方法には、前述したポモドーロ・テクニックやマインドマップのほかに、以下のようなものがあります。
- 一日のスケジュールを1時間のブロックに分けて、予定に従って行動するようにする
- 一日のタスクを紙に書き出し、優先順位をつけて作業するようにする
前日の業務終了時や当日の業務開始前に、スケジュールを立てたりタスクを確認したりする時間を設けると、やるべきことが可視化されて、効率的に業務を進めることができるようになるはずです。
また、時間管理とは一見関係のないように思える職場やデスク回りの整理整頓も、時間管理を身につけるためには重要です。
必要な備品や資料を探すのに、無駄な時間がかかっているということはないでしょうか。
不要なものを捨てたり必要なものを見やすく整理したりすると、物の管理がしやすくなり探す時間が減らせます。また、環境が整うことで集中しやすくもなります。
上司に相談する
残業が続くと十分な休息が取れなくなり、体調を崩したりストレスを抱えやすくなったりします。
心身の不調は、仕事の質を低下させる原因ですので、残業が多いと感じている場合は早めに上司に相談しましょう。
相談する際には、ただ残業が多いことへの不満を伝えるのではなく、現在の業務量や課題、業務分担などの具体的な解決策を明確に伝えるようにしてください。
相談相手が「残業するな」と指示をする上司であっても、決して感情的になってはいけません。
現状をしっかりと理解できてないまま、簡単に指示を出していることもあります。担当している業務の内容や業務に必要な時間、実際にかかっている時間などをまとめて、上司に提示してみるのもよいでしょう。
「残業時間を減らす努力をしたものの解決が難しい」という姿勢を見せることで、残業が発生していることへの理解が得やすくなるはずです。
「残業するな」と言われたら自分の業務の見直しをしてみよう!
仕事が終わらないことに悩んでいるのに「残業するな」と頭ごなしに言われれば、ストレスを感じてしまいますよね。
業務量が多いせい、業務が非効率なせい、と不満が湧いてくることもあるかもしれません。
確かに、仕事が終わらないのは企業の仕組みやチームの習慣が原因になっていることはあります。しかし、もしかしたら自分に課題があるのかも?と考えてみることも大切です。
「残業するな」と言われたら、まずは自分の業務の見直しをしてみましょう。今までは見過ごしていた、無駄な作業や業務が見つかるかもしれませんよ。