板前の平均年齢は45歳以上!
厚生労働省の調べによると2022年における日本料理調理人(板前)の平均年齢は45.8歳です。一般的な企業の平均年齢は35歳前後で、ピラミッド型か台形型の年齢構成が理想といわれています。
板前は平均年齢が高く、高齢化が進んでいる職業といえるかもしれません。
参考:板前の平均年齢について/職業情報提供サイトjobtag
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板前の平均年齢が高い理由とは?
一般的な企業の平均年齢が35歳前後といわれる中で、板前の平均年齢が高いことにはどのような背景があるのでしょうか。考えられる理由を見ていきましょう。
ベテランが多い
板前の平均年齢が高い理由としてまず挙げられるのは、長い修行をこなしてきたベテランが多いということではないでしょうか。
「平均年齢が高い=若者が選ばない仕事」というネガティブなイメージがあることは確かですが、年齢を重ねても続けるだけのやりがいがある仕事だとも考えられます。
離職率が高い
長く活躍するベテランの板前がいる一方で、若いうちに離脱する人も少なくないはず。
板前に限ったことではありませんが、飲食の仕事は離職率が高く2022年における「宿泊業・飲食サービス業」の離職率は26.8%でした。
将来、ベテランの板前としてやっていく人は、ひと握りなのかもしれません。
参考:宿泊業・飲食サービス業の離職率について/厚生労働省資料
ミドルエイジから板前の世界に飛び込む人もいる
若いころから飛び込み、長い修行を経て一人前になるイメージが強い板前の世界ですが、ミドルエイジから入門する人も少なくありません。「今からでも手に職を付けたい!」「和食の文化を受け継ぎたい!」といった気持ちを持ってやってくるのですね。
真剣にやる気持ちがあれば何歳からでもスタートできる職業なのです。
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平均年齢が高い板前の世界における課題点
ベテランが仕事を続けていることが多い・年齢を重ねた人がチャレンジ精神を持って飛び込んでくるといったすばらしい要素が見受けられる一方で、平均年齢が高いことによる課題もあるのではないしょうか。
平均年齢の高さによる、課題点を見ていきましょう。
事業の存続が困難
平均年齢が高いことによる懸念点として代表的なものは、事業の存続が困難になることではないでしょうか。高い技術を持つ板前が多く在籍する料亭でも、事業を引き継ぐ人がいなければ10年後、20年後の未来はありません。
事業継承などの手段もありますが、廃業せざるを得なくなることも考えられます。
技術が受け継がれにくい
事業だけでなく、板前としての高い技術を受け継ぐ人がいないことも大きな問題です。「業界の危機」にとどまらず「日本の伝統文化の危機」ともいえるでしょう。
ただし近年では、日本の文化に強い関心を持つ海外の方が板前修業を始めるケースもあるようです。多様性を受け入れることが、文化を守る鍵かもしれません。
若者が入門しにくい
年長者ばかりの職場には「若者が門を叩きにくい」という課題があります。和食調理に興味を持っていたり、板前の世界に憧れていたりしても、同世代の仲間がいないことで、尻込みしてしまう人もいることでしょう。
若い世代が「はじめの一歩」を踏み出せる環境を作ることが、不可欠ではないでしょうか。
職場の平均年齢が気になる板前は転職を検討するのもアリ!
「事業の存続が危ぶまれるほど平均年齢が高い職場で将来に不安がある」「若手に技術を教えたい気持ちがあるが若手がいない」といったことで悩んでいるなら、転職を検討してはいかがでしょうか。
例えば、ホテルや旅館の板前は、和食調理の実務経験がなくても応募できたり、評価制度が整備されていたりと、若い人も努力しやすい環境が整っている傾向にあります。
宿泊施設で板前の仕事を探す際には、おもてなしHRにご相談ください!