残業時間が100時間を超えるとどうなる?長時間残業の原因や適切な対処方法を見てみよう

一般的に、1カ月の残業時間は36協定を結んだ場合で45時間までとされています。一部の例外を除いて、それ以上の残業は違法ですが「月100時間を超える残業時間で身も心もボロボロ」という話を聞くことがあります。月の残業時間が100時間を超えると、身体や私生活はどうなってしまうのでしょうか。長時間労働の原因や、対処方法と併せて見ていきましょう。

月100時間以上残業するとどうなる

残業

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月100時間の残業は過労死ラインに達する段階です。死に至る危険があるほど過酷な働き方ですが、月に100時間も残業すると、毎日の暮らしはどうなってしまうのでしょうか。代表的な例を見ていきましょう。

自由時間を確保できない

月20日・実働8時間の場合、毎日5時間以上の残業をすることになります。トータルの労働時間は13時間で、1時間の休憩を挟むと拘束時間は14時間。また、とてつもない残業をさせる企業において、法定通り最低1時間の休憩を確保できるとは限らないでしょう。

さらに出社の準備や往復の通勤に2時間かかるとした場合、仕事のために費やす時間は1日16時間です。自由に過ごせる時間はたったの8時間で、その間に入浴したり、睡眠を取ったりしなければなりません。

家族団らんの時間や、趣味を楽しむ時間がまったくないのです。

私生活の質が下がる

定時が18時の場合、5時間残業すると退勤時間は23時です。毎日終電で帰宅することになるでしょう。

スーパーマーケットが閉店して買い物できない、衣類の洗濯ができない、食事はコンビニエンスストアの弁当で済ませるしかないなど、私生活の質が大幅に下がります。

終電を逃してタクシーで帰ったり、漫画喫茶に宿泊したりと、出費がかさみ働く意味が分からなくなるのではないでしょうか。

また、生活のすれ違いから家庭崩壊に陥ることも少なくありません。

心身に支障が出る

月100時間以上の残業はれっきとした過労死ラインの残業時間。過労死ラインとは文字通り、過労死のリスクがある残業時間のことです。

残業のストレスによって精神を病んだり、心臓や脳に深刻なダメージを受けていたりして、最悪の場合死亡するかもしれないのです。

仕事に責任感を持つことは必要ですが、残業に命を賭けるべきではないでしょう。

残業代未払いなどのトラブルにも注意

月100時間も残業をすれば残業代はかなりの額にのぼります。

1日8時間、週40時間を超えて労働する場合は「法定外残業」に該当し、25%以上の割増賃金を支給することが労働基準法で定められています。また22時から翌朝5時までの労働にも25%以上の割増賃金の支給が必要で、法定外残業と合計すると割増率は50%。

「残業時間は月45時間以内」というルールを守っていれば、割の良い稼ぎ方ではあります。しかし、法律を無視して月100時間も残業させる企業が、法定通りの割増賃金を支給するとは限りません。

「名ばかり管理職」にして残業させ放題にしたり「仕事が遅いのが悪い」などと責任転嫁したり。適当な理由をつけて、払うべき残業代を払わないといったトラブルが起こるリスクが高いのではないでしょうか。

参考:割増賃金について/愛媛労働局

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100時間以上の残業が発生する原因とは?

毎月、当たり前のように100時間以上の残業時間が発生しているのは異常なことです。なぜそうした事態になるのか、企業側と労働者側の原因をそれぞれ見ていきましょう。

労働者側の原因

長時間残業の原因を、労働者が作っている場合があります。それを見過ごしている企業にも、もちろん責任はありますが、以下のようなことがないように心がけましょう。

  • 仕事の効率が悪い
  • さばききれない量の仕事を引き受けてしまう
  • 「帰れない雰囲気」に流される

企業側の原因

企業側の原因としては、ブラック企業にありがちなことが多く挙げられます。次のような問題が見られる企業で働いている場合、身の振り方をよく考えた方が良いかもしれません。

  • 慢性的な人手不足
  • 長く働くほど偉いという風潮
  • アンバランスな仕事の割り振り
  • かけるべき人件費をかけない
  • 上層部に意見をいえない社風

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月100時間以上の残業にはどう対処する?

深夜のオフィス

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月100時間以上の残業が発生している場合、最も良くないのは我慢して働き続けてしまうこと。「命の危険が迫っている」という危機感を持ち、改善することが必要です。

仕事への取り組み方を見直す

長時間残業の原因がある場合は仕事の進め方を変えたり、キャパシティを考慮して引き受ける仕事の量を調整したりすることが必要です。状況に応じて周囲に助けを求めても良いでしょう。

また「帰れない雰囲気」に流されない強さを持ちましょう。空気を読むより、命を守ることの方が重要です。

勤務先と話し合う

状況を改善するためには、勤務先との話し合いが不可欠です。冷静に、法律を提示しながら改善を求めましょう。

また、話し合いの席で「労働基準監督署や弁護士に相談します」と伝えることも有効。大ごとにさせないために、残業時間を減らすなどの取り組みをしてもらえるかもしれません。

適切な機関に相談する

仕事の進め方を見直したり、勤務先と話し合ったりしても改善しない場合は、労働基準監督署や弁護士などに相談しましょう。

特に、残業代の未払いなど不随するトラブルを抱えている場合は、泣き寝入りすべきではありません。未払い賃金の請求には時効があるので、スピード感を持って動いてくださいね。

転職する

話し合いや相談がスムーズに進まない場合や、時間をかけずに早く環境を変えたい場合は、転職に向けて動き出すことも検討してください。

今の仕事を辞める前に、転職先を見つけることが望ましいでしょう。しかし、長時間残業をしながらの転職活動は困難です。いったん離職してから次の職場を探すことも、やむを得ないかもしれません。

ただし、長時間残業の証拠をそろえれば、会社都合の退職として認められる可能性があります。失業保険を受給しながら、良い転職先を見つけましょう。転職エージェントの活用もおすすめです。

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「みんなやっているから」「うちの会社ではこうだから」などと思い、無理して長時間残業を続けていると、いつか取り返しのつかないことになりかねません。自分や大切な家族のためにも、早急に手を打つことをおすすめします。

なお、宿泊業界の転職はおもてなしHRが力になります。

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