アドベンチャーツーリズム先進地域の北海道
アドベンチャーツーリズムとは、「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」を指す言葉です。アメリカやカナダの富裕層が特に好み、長期滞在や高価なアウトドア用品の購入といったことで、地域経済に潤いをもたらすことが期待されています。
日本におけるアドベンチャーツーリズムの先進地域は北海道です。いち早く推進に取り組み、アドベンチャーツーリズムサミットの開催地としても選ばれました。
この記事では、北海道が持つアドベンチャーツーリズムのポテンシャルや、取り組み事例について解説します。今後の観光業を盛り上げるための参考に、役立ててくださいね。
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北海道が持つアドベンチャーツーリズムのポテンシャルとは
北海道にはアドベンチャーツーリズムにいかせるさまざまな資源があります。どのようなポテンシャルを持っているのか。詳しく見ていきましょう。
季節ごとのアクティビティ
雄大な自然に囲まれた北海道では、季節ごとのアクティビティが魅力です。春・夏はトレッキングやフィッシング、カヌーといったレジャーが盛んになり、秋・冬はスキーやスノーボードの他、クルーズ船での流氷観察や氷上でのワカサギ釣りなど、北海道ならではの楽しみもあります。
季節ごとに異なるアクティビティを楽しめるので、リピーターのお客様も獲得できるのではないでしょうか。
豊かな食
「北海道の食べ物はなんでもおいしい!」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。寒さの厳しい海で採れる身の引き締まった魚介類や、雄大な大地で育つ野菜や食肉は、北海道が持つ大きな魅力のひとつです。
また、北海道は一般的なコンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売される惣菜類やお弁当、回転寿司で提供されるメニューもレベルが高いと言われています。地域の文化に触れることもアドベンチャーツーリズムを構成する要素。札幌市などの都市部でも、気軽にアドベンチャーツーリズムを体験できる点は強みです。
アイヌ文化
北海道の先住民族であるアイヌの人々の言語や生活様式は、非常に興味深いものがあります。2020年には、アイヌ文化を学ぶための施設が白老町にオープン。アイヌ文化を町づくり施策のひとつとして、さまざまなプログラムを実行しています。
また、市街地の居酒屋などでも、アイヌ料理の提供が見受けられます。本州ではなかなか触れる機会のない異文化を、身近に感じられるのではないでしょうか。
動植物の観察
北海道には希少な動植物が数多く分布しています。ヒグマやタンチョウ、エゾリスといった動物は固有種で、北海道に行かなければ野生の姿を見ることはできません。
植物の観察スポットとしては大雪山が有名で、高山植物の大群落は「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と称されるほどの美しさ。
動植物の図鑑を持って訪れたい地域です。
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北海道におけるアドベンチャーツーリズム
アドベンチャーツーリズムの資源を豊富に持つ北海道では、どのような取り組みがされているのでしょうか。北海道におけるアドベンチャーツーリズムの事例を見ていきましょう。
阿寒湖エリアの取り組み
阿寒湖エリアは、アドベンチャーツーリズムへの取り組みが特に活発な地域です。
アイヌ民族の古式舞踊を観覧できるシアターやガイドつきのアクティビティが提供されています。また、冬季期間を除き、夜間に阿寒湖の森を散策するナイトウォークもあり、日中とは異なる自然の様子を観察できるということです。
北海道アドベンチャーツーリズムガイド認定等
アドベンチャーツーリズムを安全に楽しみ、地域の自然や文化を正しく理解するためには、ツアーガイドによる案内が欠かせません。
北海道では、アドベンチャーツーリズムの国際的な団体である「Adventure Travel Trade Association」が策定するガイド基準に基づいて、ガイドを育成する認定制度を設けています。
欧米からのアドベンチャートラベラーを受け入れる体制を整えることが目的で、認定を受けるためには必要な資格を持っていることや、分野ごとに設定する基準を満たし、推薦があることなどが条件です。
参考:北海道アドベンチャーツーリズムガイド認定等について/北海道ホームページ
北海道の取り組みを参考にアドベンチャーツーリズムを推進しよう!
北海道はすでに豊富にある資源をアドベンチャーツーリズムに活用し、注目を集めているのですね。今回の記事を参考に、地域ならではのアドベンチャーツーリズムを考えてみてはいかがでしょうか。
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