インバウンドとは
国内のビジネスを知る上で、欠かすことのできない「インバウンド」という言葉。
頻繁に耳にすることはあっても、正しい意味を理解できているという方は少ないかもしれません。
「インバウンド」の正しい意味は、「外から中へ入る」「内向きの」というものです。
コールセンターではお客様からコールセンターにかかってくる電話のことをインバウンドコールといい、受電業務をインバウンド業務ということもあります。
また、マーケティング業界では、動画やSNSなどによる情報発信によって、自社の商品やサービスに興味を持ってもらうように仕掛けるマーケティングの手法のことを、インバウンドマーケティングと言い表します。
昨今では、特に観光業界や旅行業界で多く使われています。これらの業界で「インバウンド」が表すのは「訪日外国人観光客」のことです。
観光業界や旅行業界では、2010年代はじめごろから使われるようになり、2015年には流行語大賞にもノミネートされました。多くの人に「インバウンド」という言葉が知られるようになったきっかけかもしれません。
中国などの東南アジアからのインバウンドが急増し、各地でインバウンドによる「爆買い」が話題にもなりましたよね。
日本国内の観光を支えていたインバウンドは、2020年に流行した新型コロナによる入国制限によって大打撃を受けました。
一度は姿を見せなくなったインバウンドですが、入国制限が撤廃されたことで、回復に向けた動きを見せています。ここで改めて「インバウンド」を正しく理解しましょう。
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インバウンドとアウトバウンドの違いは?
インバウンドに対して、アウトバウンドという言葉もあります。
簡単に言ってしまえば、外から入ってくるのが「インバウンド」で、外に出ていくのが「アウトバウンド」。
観光業界・旅行業界では、「アウトバウンド」は日本人の海外旅行客のことを表します。
インバウンド同様、新型コロナウィルスによる出国制限がなくなったことで、活発な動きを見せ始めています。
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インバウンドが含まれる用語
観光業界、旅行業界で使われるインバウンドが含まれる用語について紹介します。
インバウンド観光
インバウンド観光は、外国人が日本へ訪れる旅行のことです。
日本の文化や歴史に興味をもって訪日する外国人は多く、インバウンド観光は日本の経済に大きなメリットをもたらします。
特に、宿泊施設や飲食店、レジャー施設などにとっては経済効果が大きく、インバウンドなしでは成り立たないというところもある程です。
実際、インバウンド観光が激減したことで、インバウンドをターゲットにしていた施設の中には、経営が大きく落ち込んだところも少なくありません。
インバウンド消費
インバウンド消費は、インバウンドによる国内における消費のことです。
宿泊、買い物、飲食のための消費が該当します。過去に話題となった、家電や日用品の爆買いも、インバウンド消費に含まれます。
インバウンドがピークであった2019年のインバウンド消費は、4兆円を超えたとも言われるほどです。この数字からも、日本経済に与える影響が非常に大きいことが分かりますね
新型コロナの流行により、インバウンド消費はほぼゼロまで落ち込みましたが、2023年6月にはコロナ禍前の9割以上まで回復したというデータもあるようです。
インバウンド需要
インバウンド需要は、インバウンドの国内サービスに対する需要のことで、インバウンド市場と言われることもあります。
かつては、ツアーが組まれるほど人気があった「爆買い」は、質の高い日本製品に対する需要があったから起きたもの。買い物そのものが、インバウンドが日本を訪れる理由にもなっていました。
最近では、「爆買い」への需要はひと段落したとも言われています。買い物に代わって、日本の歴史や文化に触れる体験や経験を重視したインバウンドが増加しているようです。
インバウンド対策
インバウンド対策は、インバウンドにサービスを利用してもらうための施策や取り組みのことです。
日本語や日本文化がわからない人でも、サービスが利用しやすいようにさまざまな工夫をすることで、機会損失を防ぐための対策を表します。
SNSを活用して認知度を広げたり、多言語による案内表記したりするのもインバウンド対策に含まれます。
言語だけでなく、宗教や文化に対する理解を深めることも、インバウンド対策です。特に宿泊施設や飲食店にとっては重要なことと言えるでしょう。
インバウンドで国内の観光を盛り上げよう!
日本経済を支えるインバウンドの存在。
一時は大きく落ち込みましたが、個人旅行が再開された2022年の秋以降は徐々に回復傾向にあります。
2023年3月に閣議決定された「観光立国推進基本計画」では、インバウンド消費に関する目標は年間5兆円とのこと。
新型コロナウィルスの影響が落ち着、インバウンドは回復してきていますが、観光・需要・消費は変化しています。コロナ禍前を参考にするばかりでは、不十分かもしれません。インバウンドへの正しい理解と対策が不可欠でしょう。
インバウンドの受け入れには欠かせない宿泊施設では、インバウンドの回復にあわせて、求人も増えてきています。
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