正社員でも退職金がもらえないケースはある?
正社員は退職時、退職金をもらえるものというイメージが強のではないでしょうか。実際に以下の制度を導入している企業では、対象を正社員のみとしている場合が多い模様です。
- ・退職一時金制度
- ・確定給付企業年金制度
- ・企業型確定拠出年金制度
- ・中小企業退職金共済
しかし、正社員だからといって必ずしもこれらの制度で退職金を貰えるわけではありません。退職金はあくまでも福利厚生であり、支給するかしないかは企業の自由なのです。
それをふまえて、退職金がない企業で働く正社員の、老後の備えを考えてみましょう。
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退職金なしの正社員でも損しないケースとは?
退職金制度がある企業で働いていれば、退職時にまとまったお金が手に入ります。中小企業でも数百万円程度は期待できると言われており、大企業では数千万円に上ることも。
そのため、退職金制度がない企業で正社員として働くことは損なのでは?と思いがちですが、実はそうとも限りません。トータルで考えれば損とは言えない場合もあるのです。
退職金制度がない企業で働いていても、以下のケースに当てはまるなら、損をせずに老後の備えができるはず。
年俸制で月々の支給額に含まれている
年俸制とは、1年間の給与やボーナスなどを12分割にして月々の給与として支給する制度で、ここに退職金を含める企業もあります。
退職時にインパクトのある金額を受け取ることはできなくても、毎月きちんと支給されるため、決して損ではありません。
ただし、ひと口に年俸制といっても分割方法はさまざまで、ボーナスや退職金が含まれないことも。年俸制の企業で働いている人は、退職金がどのような扱いになっているのか確認しましょう。
給与・ボーナスに上乗せされている
退職金がない分、基本給やボーナスを多く支給している企業もあります。
多めに支給されたお金を元手に、早いうちから資産運用を始めれば、最終的に手に入る金額は、通常の退職金より大きくなるかもしれません。
ただし、老後の資金として貯蓄に回したり、安全に運用したりといった計画性が必要です。年俸制の給与に退職金が含まれるケースでも、同じことが言えるでしょう。
従業員持株制度がある
退職金制度がない代わりに、従業員持株制度を導入している企業もあります。自社株を買い、運用することで退職金に代わる蓄えを作るということですね。
また、勤め先の業績が良くなれば株価が上がり、資産を増やすことができるため仕事を頑張るモチベーションにもつながります。
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退職金なしの正社員が老後に備えるためには?
退職金も、上記のような制度もない企業に勤めている場合は、自分で老後の資金を準備する必要があります。どのような手段があるのか見てみましょう。
資産運用する
手持ちのお金を増やす方法として有効な手段は、資産運用です。つみたてNISAやiDeCo、個人年金、投資信託などさまざまな運用があるので、自分に合った方法を選びましょう。
月々数千円の投資で、ある程度まとまった資産ができる可能性があります。また、個人年金保険は税控除が受けられる、つみたてNISAは年間40万円まで非課税で投資できるなど、それぞれに特色があるのでチェックしてくださいね。
貯金に励む
資産運用にはリスクが伴うため、安全な蓄えを作ることも重要です。資産運用にすべてをつぎ込むのではなく、バランスを考えて貯金にも励みましょう。
無理なく貯められるお金は一般的に、手取りの2割程度と言われています。1割を資産運用、もう1割を貯金としても良いかもしれません。
自動的に引き落とされるタイプの貯蓄商品や、一定期間預けておく定期預金などが貯めやすいのではないでしょうか。
お得情報を見逃さない
本気でお金を貯めようと思ったら、お得情報にアンテナを張ることが欠かせません。ちょっとしたオマケ程度のことでも、積み重ねればかなりの金額に相当し、その分多くの蓄えができるはず。
特に最近は、キャッシュレス決済を利用したり、アンケートに答えたりすると、電子マネーのポイントが付与されるサービスが盛んです。手軽にできるものからトライしてみましょう!
副業に励む
勤務先で副業が許可されているなら、副業で稼ぐことを検討しましょう。副業で得た利益には手をつけず、全額貯金するなどのルールを決めるとお金が貯まりやすくなります。
また、副業が軌道に乗れば定年退職後も継続して利益を得られるかもしれません。
基本給・ボーナスアップを目指す
仕事で成果を上げたり、役職に就いたりすれば基本給やボーナスが上がる可能性があります。
収入が増えるとつい贅沢な暮らしをしたくなるものですが、老後資金を作るためには生活水準を上げないことがポイントです。上がった分の給与・ボーナスは使わずに、そのまま貯金や投資に回しましょう。
退職金制度がある企業に転職する
自分で老後資金を作る自信がない、給料が少なく副業も禁止されている、といった場合は、退職金制度がある企業への転職も視野に入れましょう。
ただし、退職金制度のある企業に勤めたからと言って、十分な退職金がもらえるとは限りません。退職するまでの間に倒産してしまったり、業績不振で支給額が大幅にカットされたりといったことも考えられます。
退職金制度がある企業に転職した後も、自分でお金を増やす努力を怠らないようにしましょう!
退職金あり・宿泊業界の求人情報を見てみよう
厚生労働省のデータによると、全業界の中で退職金制度がある企業の割合が最も少ないのは宿泊・飲食業です(59.7%)。このデータは2018年時点のもので、現在は変わっている可能性もありますが、宿泊業界で働き、退職金を得たいのであれば応募先をしっかり吟味することが重要です。
おもてなしHRに掲載中の求人情報の中から、退職金制度がある企業の求人を見てみましょう。情報はすべて2022年11月時点のものです。
神奈川県のリゾートホテル
神奈川県に立地する、あるリゾートホテルでは正社員のフロントスタッフを募集しています。
主な担当業務はチェックイン・チェックアウトの手続きや宿泊予約対応など。給与は月給18万円〜30万円です。
退職金制度の他、社員割引制度や資格取得支援制度、食事補助といった福利厚生もあります。安心して働きながら、スキルアップを目指せる職場と言えるでしょう。
長野県の温泉旅館
長野県のある温泉旅館では、正社員のレストランサービススタッフを募集しています。
主な担当業務は料理や飲み物の提供、食事会場の設営や下膳などのサービス。英語スキルをいかせる職場だということです。給与は月給22万円〜30万円。
退職金制度の他に、財形貯蓄や定年後の再雇用制度もあるため、老後の備えを厚くしたい人におすすめの求人情報です。
東京都のシティホテル
最後に紹介するのは東京都内の、あるシティホテルです。このホテルでは、正社員として和食の調理スタッフを募集しています。
主な業務内容は懐石料理などの和食調理全般や、新メニューの開発、イベントの企画など。給与は月給22万円〜25万円です。
退職金制度の他には留学制度や永年勤続表彰制度、社内部活動といった福利厚生があります。調理の仕事で長く働きたい人にぴったりではないでしょうか。
老後に備える転職は転職エージェントに相談しよう
退職金制度など、老後の資金を貯める制度のある企業で働きたいなら転職エージェントに相談しましょう。福利厚生面や経験、スキルを考慮して、あなたにぴったりの職場を紹介してもらえるかもしれません。
また、前の項目で解説したとおり、宿泊業界は退職金制度を導入している企業が少ない業界です。希望にマッチする求人情報を探す際には、おもてなしHRをご活用ください。