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採用担当の役割から必要なスキルを考えよう
「ヒト」は一般企業だけでなくホテル・旅館業界にとっても財産です。企業が今後どのような成長を遂げるかは、採用担当者がどれだけ優秀な人材を確保できるかによって決まるといっても過言ではありません。
優秀な人材は、少子高齢化が進み人手不足が叫ばれる日本社会においてますます重要視されることでしょう。ただし、優秀な人材はホテル・旅館以外の企業も狙っているので競争率は高くなるもの。そんななかで、自社に合った人材を的確に採用するのが採用担当の最も重要な役割です。
さらに、採用担当は応募者にとって「会社の顔」となりますので、会社のイメージを背負うことにもなります。応募者が企業に好印象を抱くか、悪印象を抱くのかはすべて採用担当者にかかっているのです。
「ヒト」と関わる貴重な採用担当の仕事には、たしかに難しい局面がありますが、その分とてもやりがいのある仕事です。採用担当に必要なスキルや仕事を理解して、採用担当としてのステップアップを目指しましょう。
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採用担当に必要なスキルを仕事内容から考えよう
採用担当の仕事は、会社の事業計画の一部を担う非常に重要な仕事です。採用担当の仕事内容を詳しく解説しますので、採用担当に必要なスキルを考えながら読み進めてみてください。
採用計画の立案
年度の事業計画によって、年間の採用計画や予算も決定されます。経営課題や事業戦略をもとに、採用目的を明確化したうえで採用計画を立てるのです。その後、採用にかけられる予算に応じて採用活動のスケジュールを組み立てます。
また、自社が必要としている人物像を明確にすることや、自社の魅力を洗い出す作業も欠かせません。必要な人材と自社の魅力をベースとして、母集団の形成を行います。
母集団の形成・分析
立案された採用計画で、自社の求める人物像や会社の魅力が現れます。それをもとに、自社の求人に興味や関心を持っている求職者を集め、母集団を形成します。
母集団の形成に必要なのは、自社の求める人物像とマッチしていることや、適切な求職者数を集めること。予算内にどれだけ効果的に応募者数を増やせるかが重要でしょう。
それを踏まえて、求める採用候補者が多く集まりそうな求人サイトや説明会、セミナーなどを選び、活用する必要があります。
より効果的な手段を選ぶ際は「応募者数が多い」「採用コストが安い」という理由だけを基準にするのではなく、「自社に興味を持ってもらえるか」や「志望度の高そうな求職者が集まっているか」なども含めて選ばなくてはなりません。
応募情報の管理
応募者から送付される履歴書や職務経歴書には、個人情報が記載されています。
応募場情報の管理は個人情報保護法に従い、物理的・電子的にも管理や破棄手順の徹底が必須になります。
応募書類に関する個人情報の扱いは採用担当者だけでなく、それらを扱う可能性のある技術部門の担当者もセキュリティ体制を万全にすることが求められます。
応募者の選定・面接
母集団が形成された後、書類選考や面接などで応募者の選定をします。
面接では応募者の本質にせまり、自社にとって良い人材を見極めなくてはなりません。その際はハラスメントと誤解されないよう、言動には細心の注意を払いましょう。
ほとんどの応募者は、複数企業の選考を同時に受けています。注意すべき点は、応募から内定まで時間がかかりすぎると、早い段階で内定が出た他社にながれてしまう可能性があることです。
よって、応募から内定が決まる期間はなるべく短縮したほうが良いでしょう。
内定者決定・フォロー
内定者が決定したらすぐに内定者に連絡し、入社する意向があるかを確認します。
他社との選考が並行している場合「いつ頃、他社の結果が分かるか」について確認をとり、内定者が自社に入社してくれるようフォローも行います。
内定者が自社へ入社する意向がまだ固まっていないと分かれば、面談などを行い、内定者が抱える不安を一つずつ取り除くことが重要です。
入社手続き
内定者の入社が決定されたら、内定者に一度来社してもらいます。そこでは、労働基準法の規定に従い、労働条件通知書を手渡しし項目ごとにしっかりと内容を伝えるようにしましょう。
特に通勤手当や年休の扱いなどは入社後に誤解を生みやいので、確認を怠らないことが大切です。
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採用担当に必要なスキルを6つ紹介!
採用担当の役割と仕事内容をご紹介しましたが、採用担当に求められるスキルとは一体なんでしょうか。採用担当に必要なスキルを6つご紹介します。
自分の言葉で物事を伝えられる能力
採用担当の仕事として、応募者や人材サービス会社などに対して仕事内容や自社の事業内容を的確に伝えなければなりません。
特に、応募者には「この会社で働きたい」と思ってもらえるように、企業の魅力を自分の言葉で語る必要があります。ただ資料に書いてあることだけを話すよりも、自身の経験をもとに編み出した言葉のほうが応募者の心に訴えかけることができますよね。
加えて、自分が発した言葉が相手にどのように伝わるのかということも意識することも重要です。客観的な視点も持つことで、企業が外部からどのように見られているかという点も理解できるようになります。
応募者や人材サービス会社と接する際は、会社の広告塔であるという自覚を強く持ち、ぜひ自分の言葉で物事を伝えましょう。
コミュニケーション能力
面接では採用担当だけでなく、現場の管理職や経営層が同席することもあります。よって、採用担当者は応募者情報を、現場の管理職や経営層に伝えることが重要です。
面接をスムーズに進めるために、現場の管理職や経営層とは常に連帯感が求められます。そのためには常にコミュニケーションを取る必要があります。高度なコミュニケーション能力がなければ、採用業務に支障をきたしてしまうのです。
また、新入社員が職場になじんでいるかなど、入社後の内定者のフォローも大事な仕事です。採用担当者は応募者や取引先だけでなく、社内でもコミュニケーション能力を発揮することが必須です。
柔軟な対応力
採用担当は、採用にかかわるスケジュール管理を行いますが、イレギュラーな案件は頻繁に起こります。そのようなときに、冷静に臨機応変にすばやく対応できる力求められるのです。
いま用意されているマニュアルにのみ従うのではなく、その時に応じて対応できる力のある採用担当者は重宝されます。
採用に関する法規知識を覚える能力
採用活動を行ううえで、各種労働・雇用に関する法令の知識が必要です。
特に求人サイトに募集をかけるときは、求人に記載してはいけない文言があることをご存じでしょうか。以下の3つに関しては違反しないよう注意してください。
- ・男女雇用機会均等法による「性別の制限」
- ・雇用対策法による「年齢の制限」
- ・労働基準法による「特定の人・団体などを差別する表記」
これらについての知識がなければ、説明会での質疑応答の場面や作成した求人票などが法令違反になる危険も孕んでいるので注意が必要です。
「性別の制限」は、「男性のみ」「看護婦」などの表記で仕事内容に性別の制限をかけることは禁止されています。
「年齢の制限」についても、「25歳以下の方のみ」など募集段階で年齢を制限することはできませんが、例外自由の第3号に該当する場合は例外となりますのでそれぞれ確認してみましょう。
「特定の人・団体などを差別する表記」では、「日本人のみ募集」「コミュニケーションの高い人」などのように、特定の人を傷つけたり、人種などを理由に差別することもできません。
採用における法規知識は必ず把握しておきましょう。
面接で人を見極める能力
採用担当の質問スキルが高いと、応募者がどのような人物かを容易に見極めることができます。自社に合った人材を探し当てるためには、質問スキルを磨き、応募者の特徴や長所を確実に掴み取ることが必須条件です。
「応募者の本音や志望動機を引き出すためにどのような質問をするか」や「面接の雰囲気づくりをどのように行うか」などについては採用担当者のスキルが問われます。
日常的にお客様と接する機会の多いホテル・旅館業界の方にとっては、特に身に着けておくべきスキルでしょう。
人材サービスの情報収集力・活用力
効率的な採用活動を行い質の高い人材を採用することも、採用担当として欠かせないスキルです。
ほとんどの採用業務を担当する方は、人材サービス会社の活用を検討した経験があるのではないでしょうか。その際、人材サービスの情報をすばやく収集し、活用するスキルが求められます。
人材サービスは幅広いので、それぞれのメリットとデメリットを把握し、自社に適した採用活動を実施することが必要なのです。
必要なスキルがあっても採用担当が多忙になる理由
たとえ採用担当に必要なスキルが身に付いていたとしても、採用業務は負担が大きいもの。しかし事前に課題や問題点を把握しておけば、対策を考えることができるかもしれません。まずは、採用業務の課題・問題点を確認していきましょう。
時間・費用にかかるコスト
採用業務には多くの時間とコストを費やします。先述した通り、採用担当が抱える仕事は面接だけではありません。
求人サイトに掲載するために取引先と打ち合わせしたり、求人原稿なども確認しています。また、説明会で使用する資料の作成や会場の手配、面接に関わる従業員との時間調整や打ち合わせなども採用担当の仕事です。
少しでもかかる時間やコストを削減するために、採用業務のフローを見直し効率化し、できるだけ採用に関わる人数を減らす努力をしなければならないのです。
長時間労働
特に中小企業では、他の業務との兼任で採用業務を担当する方もいます。この場合、他業務と兼務して採用業務をしなければならないので、必然的に残業が多くなってしまいます。
また、採用担当者の業務のほとんどは調整業務です。応募者だけでなく、現場の管理職や経営層とどれだけコミュニケーションをとれるかが重要でしょう。
そのため、社員の業務時間を考慮しなければならないので自分の作業が途切れてしまうことも。これは採用担当が長時間労働になりやすい原因でもあるのです。
業務効率化も採用担当に必要なスキルのひとつ
企業の人手不足が深刻化する一方、とりわけホテル・旅館において採用担当の業務は多忙を極めています。さらに人を見極めるスキルも要求されることもあり、非常に手間がかかるので、できるだけ効率化していくことが大事ですよね。採用担当の仕事を効率化するために、ポイントをご紹介します。
業務フローを見直す
就職・転職活動には季節性があります。夏の賞与を受け取ったあとの9月末退職や、冬の賞与を受け取ったあとの12月末退職が主な転職時期です。
学生の就職活動と社会人の転職活動の時期に合わせた採用活動を計画するだけで、さらなる採用業務の効率化が可能です。
採用代行を活用する
転職・就職サービスなどの採用代行を利用すると、採用業務の効率化がアップします。その分コストはかかりますが、負担に感じる面接業務なども依頼することで、採用担当が他に注力すべき業務に集中できるので、長時間労働も防ぐことができます。
料金に関しては、人材を採用しなければ費用は発生しません。採用担当の様々な負担とコストを考慮すれば、トータルでかかるコストも取り返すことができるでしょう。
社員紹介制度を導入する
社員紹介制度は「リファラル採用」ともいいます。既存の社員が知り合いを紹介し、入社すれば一定の紹介報酬をその社員に支払うという仕組みです。
採用担当者側としては、自社の状況や応募者についてよく知る社員からの紹介なので、入社後のミスマッチも予防することができます。さらに、人材サービスや就職・転職エージェントを利用するよりも低コストになりますよ。
採用担当に必要なスキルを磨き優秀な人材を採用しよう
採用担当に必要なスキルは、コミュニケーション能力から法知識など広範囲にわたります。抱える仕事はとても多く、高いスキルを要求されるので決して簡単な仕事とは言えませんが、その分やりがいを感じることができるでしょう。
人手不足を補うには優秀な人材を採用し、効率的で質の高い仕事をしてもらうことが必須です。しかし、採用担当の質を高めることもまた、自社に優秀な人材を確保することにつながるということは忘れてはいけません。
採用担当として働いている方は、この機会に採用担当の仕事を振り返り、業務の効率化を図りながら採用担当に必要なスキルを強化してみてはいかがでしょうか。
ホテル・旅館業界の方であれば、「おもてなしHR」も力になります。負担になりやすい採用担当の仕事も専任のアドバイザーが解決します。お気軽にお問い合わせくださいね。