従業員が退職したら雇い主は何をするべき?雇用保険に関する手続きを解説

従業員の雇い入れ時には、雇い主が雇用保険の加入手続きを行いますよね。それと同様に、従業員の退職時にも、雇い主がやるべき雇用保険の手続きがあります。それはハローワークに「雇用保険被保険者資格喪失届」と「雇用保険被保険者離職証明書」を提出するというものですが、これらの書類は何のために提出するものなのでしょうか。手続きが滞った場合に生じる不利益と併せて解説します。

従業員が退職したら雇用保険の手続きを速やかに!

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雇用保険は企業の規模や雇用形態などに関わらず、1人でも従業員を雇っていれば加入させることが義務付けられています。

従業員が退職する際には、雇用保険被保険者の資格を喪失することになります。それに関する手続きを速やかに行わないと、退職者に不利益を与えたり、雇い主に刑事罰が科せられる恐れがあります。

従業員の退職後、雇い主が早急にやるべき雇用保険の手続きを見ていきましょう。

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「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」をハローワークに提出

退職者が出た場合、雇い主は以下の書類をハローワークに提出する必要があります。

これをもとに失業保険の金額や給付日数が判断されるので、正確な内容で提出しましょう。

雇用保険被保険者資格喪失届

雇用保険被保険者資格喪失届は、雇用保険の被保険者が退職したことを届け出るためのものです。

この書類は提出必須で、離職日の翌々日から10日以内という期日が設けられています。

また、退職の他にも被保険者が役員や取締役などに就任し、雇用保険の適用から外れた際にも提出が必要なので、覚えておくと良いでしょう。

雇用保険被保険者離職証明書

雇用保険被保険者離職証明書は、退職者が失業給付の手続きを行う際に必要な種類です。

3枚つづりの複写式で1枚目が事業主が控えとして保管しておき、2枚目をハローワークに提出します。3枚目は「離職票‐2」として退職者へ渡すためのもの。

提出の方法は以下の2通りです。

  • ハローワークの窓口で受け取った後に記載して提出する
  • 電子申請で提出する

この雇用保険被保険者離職証明書は、退職者が出た際に必ず提出が必要となるわけではありません。

「離職票‐2」は退職者が失業給付の手続きをするための書類であるため、転職先が決まっている場合や結婚などの理由で当面の間は仕事をしないという人には不要なのです。

そのため、退職者が希望する場合にのみ手続きを行います。

ただし退職者の年齢が退職の時点で59歳以上である場合は、雇用保険被保険者離職証明書の提出が必須です。じきに60歳を迎えるため、再就職するとなれば再就職先で高年齢雇用継続給付の手続きで必要となるからです。

従業員の退職手続きを行う際には、本人の意向や年齢を確認し、必要に応じて対応しましょう。雇用保険被保険者離職証明書が必要な場合は、雇用保険被保険者資格喪失届と同時に提出することが一般的です。

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従業員退職後の雇用保険手続きが滞るとどうなるか

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従業員の退職後、雇用保険関連の手続を速やかに行わないと、どのような問題が起こるのでしょうか。退職者・雇い主のそれぞれに生じる不利益を解説します。

退職者の不利益

退職後の雇用保険手続きに滞りがあると、退職者は甚大な不利益を被る恐れがあります。「離職票‐2」を入手しなければ失業給付金の申請を行うことができず、生活に困窮してしまうでしょう。

また、失業給付金を受給しない場合でも、転職先によっては職務経歴の裏付けや退職済みであることを確認するために、離職票の提出を求めることがあります。

転職先に提出するべき書類がいつまでもそろわないとなると「職務経歴を詐称しているのでは?」とあらぬ疑いを掛けられるはめになりかねません。

退職者の生活を守るため、新天地で良いスタートを切ってもらうためにも、雇用保険関連の書類提出は速やかに行いましょう。

雇い主の不利益

雇い主側に与える不利益も軽視できません。雇用保険被保険者資格喪失届の提出期限は、退職日の翌々日から10日以内でしたよね。

この期日を過ぎても提出しなかった場合は、雇用保険法第83条によって、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることがあるのです。

また、企業としての信頼を損ない、転職口コミサイトなどに悪評を書かれるかもしれません。まれに退職者に嫌がらせをする目的でわざ手続きを進めない企業があるそうですが、良いことは何もないのでやめましょう。

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人材の入れ替わり

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従業員退職後の雇用保険に関する手続きを滞りなく進めることは非常に重要です。しかし、それ以上に重要なのは、なるべく退職者を出さないことではないでしょうか。

退職の理由として多いものは雇用のミスマッチです。お互いの希望や性質、スキルにマッチした雇用であれば、雇用のミスマッチによる退職は減少するはず。

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