表彰制度で従業員のモチベーションアップを目指そう！

beeboys- stock.adobe.com

従業員の頑張りを評価できるものは、毎月の給与やボーナスだけとは限りません。企業独自の基準で、従業員を表彰するという方法を取る企業は多くあります。

表彰制度によって、企業が得られるメリットとはどのようなものでしょうか。せっかくの表彰制度が逆効果とならないために、注意するべきポイントと合わせて解説します。

表彰制度のメリットとは？

表彰制度の適切な運営によって企業の発展に欠かせない、ふたつの要素を改善する効果が期待できます。得られるメリットを具体的に見ていきましょう。

生産性の向上

人は「自分のことを認めてほしい」「他社から尊敬されたい」という承認欲求を持っているものです。成果を出した従業員を表彰することで、「頑張りが認められた」という実感を持ち、更なるやる気を引き出せるでしょう。

また、評価のポイントがはっきりしていれば、仕事に対する目標を立てやすく、生産性の向上に繋がります。特に事務職など、普段の業務だけでは成果が見えにくい仕事をしている従業員のモチベーションアップに効果的です。

離職率の低下

自分の頑張りをきちんと認めて褒めてくれる企業には、愛着を感じますよね。表彰制度にはア社精神を高め、離職率を低下させる効果もあります。

たとえ自分自身が受賞していなくても「私も努力すれば賞が貰えるかもししれない」という希望があれば、頑張れますよね。

特に早期退職は企業にとって大きな痛手となりますが、新人賞を設けるといった工夫で、新入社員のモチベーションを維持できるのではないでしょうか。

表彰制度導入で工夫したいポイント！

NOBU- stock.adobe.com

表彰制度には大きなメリットがある一方で、上手に運用しないとチームワークが乱れたり、盛り上がらないまま終わってしまう恐れがあります。表彰制度を企業にとって有益なものにするために、工夫したいポイントを解説します。

表彰基準を分かりやすく

表彰制度で重要なのは、評価の基準を分かりやすく公平になものとすることです。基準が曖昧であったり、受賞の理由が不明だと「特定の社員をひいきしているのでは？」という誤解が生まれがち。

評価基準を明文化する、ポイント制にして従業員全員が経過を見られるように公表するなど、全員が結果に納得できるように工夫しましょう。

誰もが受賞を目指せるようにする

営業職以外には関係ない、接客担当者しか参加できない、非正規雇用者は対象外といった賞では、社内全体の盛り上がりに欠けるのではないでしょうか。

また、全従業員を対象とした表彰制度であっても、担当業務による有利・不利が出ることは避けるべきです。

公平さを保てるように、セクションごとに適切な評価基準を設けることが大切です。また「笑顔が素敵」「気配り上手」など、業務の無いようとは直接関係のない賞を作るのも良い方法。

ただし、大勢がかんたんに受賞できてしまうのでは、特別感がありません。受賞のハードルはある程度高く設定しましょう。

対人関係に配慮する

表彰制度のデメリットとしてもっとも懸念するべきリスクは、賞をめぐって対人関係が悪化することかもしれません。

しかし、やり方次第では対人関係をより良いものに導くこともできます。例えば個人の賞だけではなくチームの賞を作る、受賞者をサポートした人にもちょっとした賞を贈るといった方法があります。

ライバル意識を持つのは悪いことではありません。しかし、あまりに激しい火花を散らしあうのは考えものですよね。さじ加減を工夫しましょう。

ユニークな賞を作る

企業の表彰制度で多いものは営業成績の賞や皆勤賞などです。このようなスタンダードな賞の他に、ユニークな賞があればさらに盛り上がることでしょう。

実際に、失敗に終わったけれどチャレンジした人を称える賞や、仕事ぶりが素敵だと思う人を従業員全員の投票で選ぶ賞などを設けている企業があります。

遊び心を大切に、企業オリジナルのユニークな賞を考えてみてくださいね。

魅力のある賞品を用意する

社内表彰の賞品には、魅力のあるものを選びましょう。表彰制度を導入している企業では、以下のようなものを賞品にしています。

• 金一封
• 宿泊券
• 旅行券
• 食事券
• 高級家電
• 特別休暇
• 自社製品
• カタログギフト
• 食品

賞品のために頑張るわけではありませんが、金銭的な価値のあるものや自分ではなかなか購入しないようなものを貰えばやはり嬉しくなりますよね。受賞の難易度に見合った賞品を選ぶことも重要です。

ホテル・旅館で取り入れたい表彰制度

mnimage- stock.adobe.com

従業員の拘束時間が長く負担が大きい宿泊業界ではぜひ、表彰制度を取り入れてモチベーションの維持をはかりたいところです。ホテル・旅館での導入に適切な賞の例を見ていきましょう。

永年勤続賞・皆勤賞

ホテル・旅館はあらゆる業界の中でもダントツで離職率が高い業界です。また、欠勤者が出れば現場が回らなくなりますよね。

離職率・欠勤率を下げるためには、永年勤続賞や皆勤賞といった賞を設けることが効果的です。勤続・出勤に対するモチベーションを高めましょう。

お客様満足賞

接客業はなんといっても、お客様満足度の高さが重要です。

宿泊者アンケートやサンキューレターを集計し、高い評価を得た従業員にはぜひ、賞を贈りましょう。

また、厳しいクレームに適切に処理できた、難しいリクエストに対応したなどの、接客スキルの高さを評価する賞も有効です。日ごろ、お客様対応で理不尽な思いをしている従業員に「ちゃんと頑張りを見ていますよ」と伝えてあげてくださいね。

生産性の評価

数字として目に見えるものは、賞の対象にしやすいでしょう。ホテル・旅館の仕事であれば、例えば以下のようなもの「生産性」として評価できます。

• 客室清掃のスピード
• ベッドメイクのスピード
• 営業成績
• 部門ごとの売上伸び率
• 電話対応件数
• チェックイン案内のスピード

丁寧さが必要な宿泊業においては必ずしも「早ければ良い・多ければ良い」とは言えません。しかし、ある程度の基準を設けて評価の対象にすることで、生産性が上がる可能性があります。

商工会議所の優良社員表彰も活用しよう

各都道府県の商工会議所では「優良社員表彰」を行っています。各商工会議所が定める基準を満たした従業員を申請し、適格と認められれば商工会議所から従業員に賞が贈られます。

社内での表彰と併せて活用すれば、モチベーションがさらに高まることでしょう。ぜひ今回の記事を参考に、従業員の頑張りを称える賞の設立を検討してみてくださいね。