カスタマージャーニーマップをホテルの経営に役立てよう!

カスタマージャーニーとは、顧客の行動や思考の動線を指す言葉で、これらの情報を時系列でまとめたものを「カスタマージャーニーマップ」と呼びます。カスタマージャーニーは、マーケティングを行う際に重要となる要素の一つです。本記事では、ホテルの経営戦略に活用することを想定しながら、カスタマージャーニーマップの作成方法を解説していきますので、ぜひご参考にしてみてくださいね。

カスタマージャーニーとは

道のり

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カスタマージャーニーとは、商品やサービスに対する顧客の行動・思考の経路を指す言葉です。

 

一人の顧客にフォーカスし、満足度や不満点などに関する分析を行う際に重要となります。

 

アンケートなどを用いて顧客全体からの意見を募るのではなく、一つの意見に対する見解を深めることで、より多角的な経営戦略を立てるために活用できます。

 

また、カスタマージャーニーを時系列ごとにまとめたものを「カスタマージャーニーマップ」といいます。

 

カスタマージャーニーマップを作成し、分析することで、どのような効果が期待できるのでしょうか。

 

まずはカスタマージャーニーマップの作り方からご紹介していきます。

 

カスタマージャーニーマップの作り方:ホテルの経営戦略に活かす例

 

カスタマージャーニーマップの作成についてホテルの経営戦略に活かすことを想定しながらご紹介していきます。

 

まず、カスタマージャーニーマップを作成する際には顧客に関するデータが必要となりますが、利用するデータにはいくつかのパターンがあります。

・実際に商品の購入やサービスの利用をした顧客情報を基盤としたデータ

・ペルソナ(商品やサービスを受ける典型的なユーザーの像)の動きを想定したデータ

上記の2パターンが採用されるケースが多いようです。

 

今回は前者の「実際に商品の購入やサービスの利用をした顧客情報を基盤としたデータ」を用いてカスタマージャーニーマップを作る方法をご説明していきましょう。

 

なお、想定する顧客は、夫婦でホテルに宿泊した48歳の男性とします。

 

1、意見をピックアップした顧客の情報をまとめる

 

行動経路や思考を分析するためには、具体的な顧客の情報が必要となります。

 

名前や年齢、性別やアンケートの内容など把握できる部分はもちろんのこと、以下のように詳細な情報も設定しなければなりません。

・居住地

・職業

・年収

・性格

・趣味

・学歴

・家族構成

・人間関係

・普段活用している情報源

当然ながら、このような情報を企業側が正確に把握することはほぼ不可能です。

 

そのため、得られた情報を最大限駆使し、足りない情報はあくまで仮定として設定しましょう。例を下表にてご紹介します。

 

名前 おもてなし太郎
年齢 48歳
性別 男性
アンケートの内容 「サービスは概ね満足だったが、客室に残念な点があった。」
居住地 静岡県
職業 建設業
年収 780万円
性格 争いごとが好きではないが、不満を感じたら相手に伝えるようにしている。感情的になる人が嫌いなので、自分はそうならないよう心掛けている。
趣味 スポーツ観戦
学歴 修士課程修了
家族構成 妻(45)、息子(22)、娘(19)
人間関係 家族や親族との関係は良好。友人は多くないが、長年の深い付き合いがある相手ばかり。会社の社員との関係は最低限で、プライベートで会うことはない。
普段活用している情報源 新聞、SNS、インターネット

 

顧客の印象から大きく逸脱しない範囲で、顧客の情報を固めます。

 

2、顧客のデータをもとに行動経路を追う

 

続いて、顧客のデータをもとに行動経路を追いかけます。はっきりしていない部分は、顧客データをもとにして可能な限り実態に近づけるよう補足しましょう。

1、商品やサービスの利用を検討したきっかけ

2、情報収集の方法

3、商品やサービスの利用を決定してからの行動

4、商品やサービスの利用の実行

5、商品やサービスの利用を実行してからの行動

上記の順で、行動経路を想定した場合の例を下表にまとめました。

 

商品やサービスの利用を
検討したきっかけ
SNSを流し見していたところ、海沿いのホテルに宿泊した友人の投稿を発見した。
情報収集の方法 友人に直接コンタクトをとり、ホテルの名前を聞いた。早速専用のサイトにアクセスし客室の種類や料金、立地などの情報を調べた。
商品やサービスの利用を
決定してからの行動
結婚記念日が近かったため妻にホテルの情報を見せたところ、好感触だったので宿泊を決定した。友人の意見や口コミを参考にしながら、妻と共にプランを決めた。
商品やサービスの利用の実行 交通の便がいい位置にホテルがあったため、電車で現地に向かった。チェックイン後、予約したプランとは違う客室に通され、フロントに確認したところホテル側の手違いだったことがわかった。料金を割引してもらえたが、楽しみにしていた海は客室から見えなかった。
商品やサービスの利用を
実行してからの行動
客室が予約と異なっていた点を除けば概ね楽しむことができた。しかし、予定通りの客室に泊まれなかった心残りはあるため、アンケートにその旨を記載した。

 

顧客の思考を分析するための核となる部分なので、なるべく丁寧に設計しましょう。

 

3、行動経路から顧客の思考を分析する

 

続いて、行動経路から顧客の思考を分析していきます。

 

1 SNSを流し見していたところ、海沿いのホテルに宿泊した友人の投稿を発見した。
→抜けるような青空と透き通った海を一望できる客室から撮った写真に、20代の頃にマリンスポーツを楽しんでいたことを思い出した。これまであまり旅行をしたことがなかったし、結婚20年目の記念日に2人で泊まってみたいと感じた。
2 友人に直接コンタクトをとり、ホテルの名前を聞いた。早速専用のサイトにアクセスし客室の種類や料金、立地などの情報を調べた。
→ホテルの情報を調べれば調べるほど、行きたい気持ちが増した。ホテルの周辺に遊べる場所がいくつもあるし、交通の便もいい。何より、あの景色を眺めながらゆっくり過ごすことに大きな魅力を感じた。妻も海が好きだったので、宿泊を提案してみよう。
3 結婚記念日が近かったため妻にホテルの情報を見せたところ、好感触だったので宿泊を決定した。友人の意見や口コミを参考にしながら、妻と共にプランを決めた。
→妻が喜んで応じてくれたので、宿泊に対する期待がさらに高まった。プランは豊富にあったが、海が一望できることを最優先として2人で客室を決めた。他の部屋よりも少々値が張るが、せっかくの結婚記念日なのでケチケチすることもないだろう。
4 交通の便がいい位置にホテルがあったため、電車で現地に向かった。チェックイン後、予約したプランとは違う客室に通され、フロントに確認したところホテル側の手違いだったことがわかった。料金を割引してもらえたが、楽しみにしていた海は客室から見えなかった。
→正直がっかりする気持ちが大きかった。値段が安くなっても、メインとなる楽しみが味わえなかったことは払拭できない。しかし、妻は思っていたより気にしていないようで、部屋から見えないぶん外に出向いて海を眺めることにした。食事も美味しかったし、温泉にゆっくりつかることもできた。ハプニングが起きても動じないパートナーがいてよかった。
5 客室が予約と異なっていた点を除けば概ね楽しむことができた。しかし、予定通りの客室に泊まれなかった心残りはあるため、アンケートにその旨を記載した。
→結果的に良い思い出とはなったが、不満が残らないと言えば嘘になる。今回は妻が切り替えてくれたが、このホテルの泊まるすべての人が同じようにうまくいくとは限らないだろう。ただ、クレーマーのようにはなりたくないから、少しぼかしてアンケートを書こう。

 

このように、顧客の行動から思考を分析することで、「サービスは概ね満足だったが、客室に残念な点があった。」という意見は、ホテル側の手違いによる不満点を指摘したものだという事がわかりました。

 

4、現状の把握と今後の対策を設定する

 

カスタマージャーニーマップの作成によって得られた分析結果をもとに、現状の把握と今後の対策を設定します。

 

このパターンではホテル側の手違いにより顧客に不満を与えてしまったので、なぜ予約ミスが起きたか、どうすればミスをゼロに近づけられるのかを議論する必要があるでしょう。

 

今回は説明のために易しい例をご紹介しましたが、アンケートの内容によっては顧客の求めているものを分析するのが難解な場合もあります。

 

しかし、その真意を正確に分析することができれば、今後のサービス向上に大きく役立てることができるのではないでしょうか。

 

カスタマージャーニーマップを作成する際の注意点

 

カスタマージャーニーマップを作る際、注意しなければならないのが、仮説ありきの内容になってしまうことです。

 

顧客データを基盤にする場合も、ペルソナを作る場合も、重要なのは「いかに実際の顧客像に近づけるか」という点です。

 

闇雲に仮説を立て、その内容を分析しても、顧客の行動や思考を正確にたどることは難しいはず。

 

商品の購入やサービスの利用を行った顧客のデータや、アンケートの内容などを第一の参考としたカスタマージャーニーマップを作成できれば、今後の経営戦略を練るための有益な材料となるでしょう。

 

カスタマージャーニーマップを利用してホテル経営の戦略に役立てよう

ホテルの支配人

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カスタマージャーニーマップを利用することで、これまで浮き彫りになってこなかった課題や、思いもよらない解決策を発見できるケースも少なからず存在するそうです。

 

特に、お客様と密接に関わりサービスを提供する、ホテルなどの宿泊業界ではカスタマージャーニーマップが大いに役立つのではないでしょうか。

 

事実に基づいたデータを活用しながらカスタマージャーニーマップを作成し、経営戦略を考えてみることで、新たな道が開けるかもしれませんよ。

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