海外のお客様が多いホテルは英語の返金対応を覚えておこう!
英語のチェックイン・チェックアウトなどの館内案内や簡単な英会話はできるものの、突然の英語の返金リクエストには少々不安を覚える、というホテル関係者も多いはずです。
日本人は不本意ながら英語力が低いという評価を世界から下されています。しかし、返金リクエストなどのイレギュラー対応をスムーズに行うことができれば、ホテルないしは日本への評価が高まることでしょう。
英語での返金リクエストにまつわる情報をまとめましたので、ぜひ冷静でかつスムーズな対応ができるよう備えておいてくださいね。
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ホテルの英語返金リクエストの頻出単語
まずは、押さえておくべき英単語・英熟語をおさらいしていきましょう。
refund/pay back:払い戻し・返金
返金リクエストの際に、必ずと言って良いほど耳にするのは「refund」と「pay back」です。どちらも払い戻すという意味を持つ動詞になっています。
「refund」は動詞にも名詞にもなる単語ですので、「refundable」で「返金可能な」という形容詞に、「a full refund」で「全額返金」という意味になることも併せて覚えておきましょう。
deposit:デポジット・預り金
「deposit」は、保証金としての預り金を指す言葉です。カタカナ表記の“デポジット”と同様の意味を持つので、デポジットを預かっているホテルであれば問題なく意味が頭に入ってくるはずです。デポジットを預からないホテルでは、あまり馴染みのない言葉かもしれませんね。
海外のホテルではデポジットの支払いが珍しくないため、たとえデポジットの預かりがないホテルであっても支払いを確認するお客様がいないとも限りません。ぜひ覚えておきましょう。
その他頻出単語
その他、返金リクエストの際には下記のような英単語・英熟語がよく使われます。
- ・booking/reservation:予約
- ・reference number/confirmation number:予約番号・確認番号
- ・request for~:~要求
- ・Best regards/Sincerely:よろしくお願いします(≒敬具)
- ・due to~:~のため
海外のお客様が英語で日本へ問い合わせる際には、大抵がメールでの連絡となります。やり取りの証拠も残りますので、返事の連絡も電話ではなく、メールで行うことを心がけましょう。
英語の年月日表記
チェックイン日・チェックアウト日の表記に使われるのが、月の表記です。スペルを誤って覚えていないかを今一度確認してみてくださいね。
1月:January(省略形:Jan.)
2月:February(省略形:Feb.)
3月:March(省略形:Mar.)
4月:April(省略形:Apr.)
5月:May(省略形:May)
6月:June(省略形:Jun.)
7月:July(省略形:Jul.)
8月:August(省略形:Aug.)
9月:September(省略形:Sep.)
10月:October(省略形:Oct.)
11月:November(省略形:Nov.)
12月:December(省略形:Dec.)
そして、日本と年月日の表記が異なることも改めて確認しておきましょう。アメリカ式の場合は、月,日,年」あるいは「月/日/年」、イギリス式では「日,月,年」「日/月/年」と月日表記が異なります。
また日付の表記は、1日~3日の場合はそれぞれ「1st・2nd・3rd」、4日以降は「4th」のように「th」が表記されることが一般的です。メールの返信の際はご注意ください。
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ホテルへ届く英語返金リクエストメール例
実際にお客様からどのようなメールが届くのでしょうか。サンプルを用意したので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
英文
件名:Resuest for refund
Dear. ABC Hotel,
Hello.
I’m Taro Omotenashi with a booking reference number 123-456.
I booked ABC Hotel, but due to the situation with coronavirus.My travel plans would not go right due to stopping flight services.
So I would like to cancel my reservation and ask for a full refund.
(Cancellation)
Name: Taro Omotenashi
Reference number: 123-456
Tel: 81-3-1234-5678
Email: ~~@~~
Date of check in: January,1st, 2021
Date of check out: January 5th, 2021
Stay the night: 4 nights
Type of room: Double room
Number of people: 2 Adults
Please note that I have already paid the required deposit via my credit card, and I would like to get a full refund immediately and put them into my bank account.
To confirm my cancellation, would you please reply to immediately?
Best regards
日本語訳
件名:返金のご依頼
こんにちは。私は予約したおもてなし太郎(予約番号123-456)と申します。
ABCホテルを予約していましたが、コロナウイルスの影響により飛行機が運休、旅行が決行不可となりました。つきまして、予約のキャンセルと全額返金をお願いします。
(キャンセル内容)
氏名:おもてなし 太郎
予約番号:123-456
電話番号:81-3-1234-5678
メールアドレス:~~@~~
チェックイン日:2021年1月1日
チェックアウト日:2021年1月5日
宿泊日数:4日
部屋タイプ:ダブルルーム
人数:大人2人
既にクレジットカードでデポジットも支払っているので、迅速に同クレジットカードに全額返金いただきますようお願いいたします。また、確認のためキャンセルが完了された旨をご連絡いただけますでしょうか?
何卒よろしくお願いいたします。
英語の返金依頼の返信でホテルが気を付けることは?
前項でご紹介したサンプルはわかりやすいよう丁寧な文章表現を用いていますが、お客様の中には「キャンセルしたい・返金して欲しい」という旨だけのメールを送る方もいます。
このようなメールを受け取った場合、ホテルはどのような対応を行うべきなのでしょうか。ホテルが返金リクエストへの返信を行う際に気を付けるべきことを3つご紹介します。
キャンセル規定を確認する
まずは、自ホテルのキャンセル規定を必ず確認するようにしましょう。キャンセル料が発生するのは宿泊予約日の何日前からなのか、宿泊料金の何割のキャンセル料金になるのか、デポジットはどうなるのか、などはホテルによって決まりがあるはずです。
また、併せて予約時にお客様へキャンセル規定を伝えているかどうかも必ず確認してください。いくら規定があったとしても、お客様に伝えていなければ意味を成しません。
コロナウイルスのようなイレギュラー時のキャンセル規定はどのようになっているのかも、日常的に確認し頭に入れておくようにしましょう。その他、トラブル・クレームなどの返金リクエストに関する下記記事もぜひチェックしてみてくださいね。
ホテルでのトラブルやクレームで返金を要求されたらどうするか?原因と対応方法を把握しよう!
迅速な返信を心がける
証拠を残すためにも、必ずメールで連絡を取り交わすようにしましょう。加えて、迅速な返信を心がけてください。
最近では、日英翻訳ができるWEBサイトも数多く存在します。精度も年々上がっていますので、急務の場合は翻訳機を使用してたたき台を作った後、英語が得意なスタッフに確認を取り返信を行えばお客様にも伝わるはずです。
また、前述のように大雑把に自身の主張だけを唱えるお客様からの連絡には、状況の整理を促すメール返信を行いましょう。迅速な対応を行い、お客様が不安を抱える時間を短くすることができれば、ホテルの評価は高まるはずです。
結論から述べる
日本語は結論が最後になりやすい言語ですが、英語は「何が、どうなる」というように結論が文頭に表されることが多い言語です。
よって、返金のリクエストを受け付けてもらえるか・そうでないのかという結論を先に述べてから、理由などを付け加えるような文章を意識しましょう。
もちろん、返金が難しいということもあるでしょう。しかし、無理なものは仕方がありません。その旨を先に述べてあげることで、お客様は安心するのです。下手にかしこまる必要はありませんので、無理なら無理ときっぱりと先に述べるようにしましょう。
英語の返金依頼へスマートな対応ができるホテルになろう!
心構えが無い中での英語の返金リクエストは、どうしても戸惑ってしまうものです。しかし、対応は日本人のそれと何ら変わりはありません。
英語の基礎を押さえ、テンプレートを用意したり、イメージトレーニングを行っているだけでも対応に大きな差が出ますので、いざという時のためにぜひ備えておいてくださいね。
ただし、やはりどうしても英語でのメールに尻込んでしまう・時間がかかってしまうことに頭を抱えるというホテルもあるはずです。そんなホテルは、英語が得意なスタッフを採用してみてはいかがでしょうか。
当サイト「おもてなしHR」には、英語が得意な求職者も多く登録しています。採用の際はぜひ気軽に頼ってくださいね。