ホテル事業者には平均チェックイン時間などの基礎知識は必須!
ホテルのチェックインは15時頃から受付が開始され、チェックアウト時間は10~11時までと設定されていることが一般的なようです。
このように、ホテルのチェックイン・チェックアウトの平均時間をはじめとした基礎知識があれば、競合他社との比較が容易になります。つまり、自ホテルの立ち位置が明確になり、経営のブレも少なくなるのです。
では、平均時間の他にはホテル事業者はどのような知識を携えておくべきなのでしょうか。
ホテル事業者なら知っておくべき、ホテルのチェックイン・チェックアウトに関する基礎知識をまとめましたので、ホテルの開業を控えている経営者や、ホテルに入社間もない新入社員はぜひ押さえておいてくださいね。
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ホテルのチェックイン・チェックアウトの手続き・注意点
まずは、一般的なホテルのチェックイン・チェックアウトの機能や手続きの流れ、注意点を復習しておきましょう。
チェックイン
お客様が来館し、まず初めに行うのは予約者情報の確認です。大抵のお客様が公式WEBサイトや宿泊予約サイトで予約を取り来館をしますので、予約者名・宿泊日数・宿泊人数・プラン・宿泊する客室など、自ホテルで定めた要項を確認しましょう。
同時に、お客様へは宿泊者名簿(宿泊カード・レジストレーションカード)への記載を促します。10室以上の客室を有するホテルは、旅館業法によって宿泊者名簿の3年間の保管が義務付けられていますので、適切に保管するようにしましょう。
また、駐車場を利用するお客様へは、車の車種・ナンバーを聞くことも忘れないようにしてください。必要があれば、事前に駐車場代金の清算も済ませておきましょう。
確認を終え、問題がなければルームキーを用意、館内の利用方法などの案内の後、ルームキーをお客様に渡せばチェックイン作業は終了です。
チェックアウト
カード決済のお客様であれば、ルームキーの返却をもってチェックアウトは終了となります。
しかし、ルームサービス・ミニバーのあるホテルや、自社で客室マッサージを提供するホテルであれば、事後清算が必要となる場合があります。また、現金払いのお客様もチェックアウト時の清算が一般的でしょう。清算が済めば、チェックアウト作業は完了となります。
ミスのない作業はもちろんですが、スタッフの笑顔と元気にも注意が必要です。チェックアウトの対応を行うスタッフは夜勤明けであることも多いからです。最後まで良いホテルという印象を残すためにも、明るく元気にお客様のお見送りを行うよう意識してくださいね。
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平均と違うチェックイン・チェックアウト時間で差別化を図るホテル
チェックイン開始時間はおよそ15時、チェックアウトはおよそ10~11時が平均となる時間とご紹介しましたが、他の時間を設定することによって差別化を図るホテルも存在します。チェックイン・チェックアウトで差別化を図っている3つの事例をみていきましょう。
アーリーチェックイン
アーリーチェックイン(=early check In)とは、文字通り規定の時刻よりも早くチェックインすることができる仕組みです。アーリーチェックインを行うホテルは大抵、飛行機・新幹線の到着時間にあわせてチェックイン時間に幅を持たせてくれます。
12~13時頃にチェックインができれば、お客様は客室で休憩を取ったり、不要な荷物を置き出かけることができるでしょう。時間を有効活用したいと考える宿泊者には、大きなメリットを感じてもらえるはずです。
レイトチェックアウト
レイトチェックアウト(=late check out)も読んで字のごとく、遅い時間にチェックアウトができる仕組みを指します。一般的なチェックアウト時間が10~11時であるのに対し、レイトチェックアウトは12時頃、長い場合は夕方までホテルに滞在することができます。
また、レイトチェックインのプランを提供しているホテルもあります。ビジネスマンなど遅い時間に到着、素泊まりで宿泊するお客様に対し、通常よりも安価な価格で提供されるプランです。いずれも、お客様を想い生まれたプランとなっています。
オンラインチェックイン(スマートチェックイン)
最近では、オンラインチェックイン(スマートチェックイン)を導入するホテルも徐々に増えてきています。
オンラインチェックインとは、一定の操作を行ったスマートフォンを専用端末にかざすだけでチェックインができるというシステムです。そのままスマートフォンをルームキーとして利用できるものもあります。
お客様はフロントに並ぶことなくスムーズなチェックインができることに加え、ホテルは省人化ができ、双方に大きなメリットがあると注目が集まっています。今後ますます導入が増えることが予想されますので、気になるホテル関係者はぜひ下記もチェックしてみてください。
ホテルのチェックイン・チェックアウトにまつわるFAQ
ホテルのチェックイン・チェックアウトでは、時にイレギュラーな対応が必要となります。3つの状況を例に、それぞれどのような対応をすべきなのかをご紹介します。
チェックイン前・チェックアウト後の荷物はどうする?
チェックイン・チェックアウトの有無に関わらず、大きな荷物だけでも保管してもらえたら…と考えるのがお客様心理です。
預かる・預からないはホテルの考えによりますが、預かり可としているホテルが多いようで、この場合は無料で荷物を預かることが一般的です。しかし手荷物預所のように、一定の料金を頂戴するホテルももちろん存在します。
自ホテルで行う場合は、ホスピタリティ・対応の手間・荷物の置き場所などを複合的に考え、サービスを提供するようにしましょう。サービスを行う場合には、予約者の目に触れるよう記載をしておけば、他社との差別化に繋がるはずです。
チェックイン予定時刻になってもお客様が来ない場合は?
チェックイン予定時刻を過ぎても、連絡ひとつよこさないお客様も中には存在します。ホテルとしても心配になってしまうものですよね。このようなお客様は「ノーショウ」と呼ばれ、無断キャンセルあるいは連絡を忘れているという可能性が考えられます。
この場合、一定時間を過ぎたら電話連絡をする、連絡は取らず〇時間以上で自動的にキャンセル扱いにするなど、自ホテル独自の行動指針を定めておけばスムーズな対応が可能です。スタッフは定められたルールに従い、行動するようにしましょう。
時間になってもお客様がチェックアウトしない場合は?
寝過ごした、あるいはちょっとぐらい遅れても平気かなと思っているお客様は、チェックアウト時刻を過ぎてもフロントに現れません。ホテルからすると、客室清掃に入ることができず迷惑に感じることも多いものですが、多少大目に見てあげるというホテルが多いようです。
この場合もノーショウ同様、まずは15~30分程度様子を見た後、チェックアウト時刻を過ぎている旨の一報を入れるのが無難でしょう。体調を気遣う一言があれば、より良い対応と言えます。
とは言え、迷惑であることに変わりはありません。業務効率を優先するのであれば、30分ごとに延長料金がかかる旨などを案内しておくのがベストです。
英語でのホテルチェックイン・チェックアウトの流れ
海外からのお客様へ、英語でチェックイン・チェックアウトを案内するにはどのような流れが一般的なのでしょうか。簡単に流れや頻出のフレーズをご紹介します。
チェックイン
チェックインの場合、お客様から「I’d like to check in, please.」というお声がかかるはずです。その場合は、「Certainly.」や「Of course.」と返答し、チェックイン作業に移ります。
頻出フレーズを下記に列挙しますので、空で言えるよう覚えておきましょう。
- ・Are you checking in?(チェックインでしょうか)
- ・Do you have a reservation?(ご予約されていますか)
- ・Could I have your name, please?(お名前をいただけますか)
- ・Could you fill out this form, please?(こちらの用紙にご記入ください)
- ・Could you wait for a moment, please?(少々お待ちください)
チェックアウト
チェックアウト時は、お客様から「I’d like to check out.」や「I’m checking out.」と話が上がるはずですので、チェックイン同様に「Certainly.」や「Of course.」と返答をしてチェックアウト作業に移りましょう。
チェックアウト時の頻出文は下記のようなものがあります。しっかりと笑顔で対応し、ワンランク上の接客を目指してくださいね。
- ・Good morning, are you checking out?(おはようございます、チェックアウトでしょうか)
- ・Did you enjoy your stay?(ゆっくりと過ごせましたか)
- ・Here is your bill.(こちらが請求書になります)
- ・Would you like to pay by cash or credit card?(現金・カードどちらでお支払いなさいますか)
- ・We look forward to seeing you again.(またのお越しをお待ちしております)
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チェックイン・アウトの時間を平均に合わせるかはホテル次第!
チェックイン・チェックアウトに関する基礎知識・豆知識をご紹介しましたが、あくまで一般的なものとなります。ホテルにより扱いは様々です。
よって、本格的に差別化を図ろうと考えるホテルは、自ホテルのエリア内の競合他社の情報を入手し、戦略を立てるようにしましょう。どんなお客様に来てもらいたいのか、お客様にどんなサービスを提供したいのかを考えながら比較すれば、きっと答えが見えてくるはずです。