ホテルにおける既卒者の採用

naka- stock.adobe.com

多くのホテルで、既卒者の採用が行われています。既卒採用は時期に囚われず、人手が必要になった時にいつでも募集できるので、従業員の入れ替わりが激しいホテル業界では必要不可欠なものですよね。

既卒者は「第二新卒」と呼ばれる若い世代と、それより上のベテラン社会人に分類されます。それぞれを採用する、メリットとデメリットを見ていきましょう。

第二新卒のメリット・デメリット

「第二新卒」には明確な定義はありませんが、最初の就職から3年以内、もしくは25歳以下の若い既卒者を指すことが一般的です。

第二新卒を採用するメリットにはまず、新卒採用の激しい競争を避けて、若い人材を一年中募集できるという点があげられます。また、多少の社会人経験を積んでいるため、基本的なビジネスマナーは身についているはずですね。そして前職に染まり切っているということが無いので、ホテルに馴染みやすいと言えるでしょう。

一方、デメリットは経験が浅く、即戦力になりにくいことです。経験した職場の数も少なく、労働条件などを前職と比較し、モチベーションが保たれにくいことがあります。

ベテラン社会人のメリット・デメリット

ベテラン社会人の既卒者を採用するメリットは、何と言っても経験が豊富なことです。ホテル業務に役立つスキルを身に着けた人であれば、入社後の教育コストを安く抑えることができます。また、ホテルに足りないノウハウを教えて貰えるなど、職場に新たな風が吹き込まれる可能性があります。

その反面で、以前までのやり方にこだわるなど、ホテルの文化に馴染みにくいというデメリットもあります。ベテラン社会人の既卒者の場合は、柔軟性の有無を見極めて採用したいところですね。

ホテル業務で既卒の採用者に適したセクションは？

Nicolas-Faramaz- stock.adobe.com

レベルは人それぞれですが、社会人経験のある既卒の採用者にはぜひ、身に着けたスキルを活かせるセクションで活躍してもらいたいものですよね。ホテルの仕事においては、調理師やマッサージ師など、専門的な技術が必要な業務には既卒の経験者を募集するのが一般的です。

また、高級ホテル内レストランのホールスタッフやフロントコンシェルジュなど、レベルの高い接客が必要なセクションにも、既卒の経験者が適しています。

新卒採用者に一から教えるよりも少ないコストと労力で、プロの仕事を提供してくれる既卒採用者は、実に頼もしい存在なのですね。

ホテルで既卒者の採用を確保するには

terovesalainen- stock.adobe.com

ホテル業はマンパワーによる業務が大きい上に、同業者多数で採用の競争も激しいものとなっています。そんな中で優秀な既卒採用者を確保するには、何が必要なのか見ていきましょう。

魅力のある条件で求人を出す

既卒者はどうしても、前職と待遇面を比較するものです。また、ホテル業は薄給激務のイメージで敬遠する人、前職のホテルがブラック労働だったために避けたいと考える求職者は少なくありません。

それでも「応募してみよう！」と思ってもらうためには、マイナスイメージを上回る条件で求人を出すことが必要です。給与や福利厚生を可能な限り手厚くしたり、キャリアアップの可能性や、働きやすい環境づくりへの取り組みを示すなど、求職者にとって魅力的に映る求人情報を発信しましょう。

採用の幅を広げる

求人情報を出しても思うように応募が来ない時には、採用の幅を広げることを検討しましょう。ホテル業界経験者のみ、40歳未満の募集といった枠を外し、応募のハードルを下げるのです。

無論、闇雲に下げるのではなく、採用した後の育成計画から考え直す必要があります。しかし幅広い人材を採用の対象にすることで、思いがけない良い人材に巡り合える可能性が出てきます。

リファラル採用を導入する

リファラル（referral）とは「推薦・紹介する」という意味の言葉で、既存社員に人材を紹介してもらう採用方法を「リファラル採用」と呼びます。紹介された人材の入社が決まった際には、紹介者に報酬を支払うことが多く、相場は一名につき3万円から10万円程度です。

リファラル採用のメリットは、内情を良く知る既存社員が「この人はうちの会社に向いている」と判断して紹介してくれるところです。また、既存社員の知人の中には同業経験者が居る可能性が高いので、即戦力となる人材の紹介も期待できます。少ないコストで効率的な採用ができるのですね。

自社ホームページの採用情報を充実させる

多くの場合求職者は「このホテルへの応募を考えてみようかな」と思ったら、まずはホテルのホームページで情報収集します。

そこでさらに深い関心を持ってもらうためには、ホームページの内容を充実させる必要があります。お客様向けのサービス内容やご挨拶の文章などでも経営理念は把握できますが、求職者のためのページを用意することが望ましいです。

ホテル業務の一日の流れや、既存社員のインタビュー、実際のキャリアモデルなど、働くイメージがわくようなコンテンツを作りましょう。関心を深めるとともに、雇用のミスマッチを防ぐこともできます。

ウェブサービスを活用する

応募を集めるには、求人を出していることを多くの求職者に知ってもらう必要がありますよね。最も求職者の目につきやすいメディアは、インターネットです。

上記のように、自社ホームページを充実させることも必要ですが、ウェブサービスを上手に活用しましょう。特定のキーワードの検索結果に広告を表示させるリスティングや、求人情報サイトへ広告を出すのことが有効です。

また、人材を募集する企業と、求職者のマッチングをサポートする採用支援のサービスを利用すると、採用活動を効率的に進めることができます。数ある採用支援サービスの中でも「おもてなしHR」は、ホテル業界の採用活動にうってつけです。支援の対象を宿泊業界に絞っているので、ホテル・旅館への就職・転職に興味のある求職者が集まっているのです。

狙い撃ちで求人広告を掲載するとともに、専任スタッフがホテルと求職者のマッチングもサポートします。ウェブサービスの導入を検討するなら、おもてなしHRの利用も、ぜひ視野に入れてくださいね。

ホテル業界の激しい既卒採用競争に勝つには

Hanasaki – stock.adobe.com

人手不足が続くホテル業界において、社会人経験のある既卒の求職者は貴重な存在です。競合他社に負けずに人材を確保するには、雇用条件の見直しや採用活動・採用方法の工夫が必要となるでしょう。

リファラル採用やホームページの充実など、社内でできることもありますが、おもてなしHRは専任スタッフによる人材紹介を提供しています。ぜひ、導入をご検討ください。