旅館の住み込みで働くのが大変と言われるのはなぜ?
旅館の住み込みで働くことは、よくあることです。用意された住まいは旅館内に寮のようなものがある場合や旅館の近くに寮が隣接されている場合もあります。
旅館では住み込みでのアルバイトが募集されていることもあり、特定の期間だけ働くという求人も見受けられますが、雇用形態に関わらず「旅館の仕事はきつい」というイメージが先行する人はとても多いのだとか。
周りを山や海で囲まれている旅館は多く、「近くに住宅がない」「人が住みにくい」といったデメリットが旅館に住み込みで働く大変さにもつながっているようです。
また、労働時間は朝早くから深夜に及ぶことがあり、長時間の労働は身体的にも精神的にもきついでしょう。
こうした旅館の住み込みで働く大変さは確かにありますが、働く魅力や、やりがいは意外と見落とされがちです。「旅館の住み込み仕事はきつい」というイメージだけではなく、やりがいについても考えるようにしましょう。
きっと、旅館で働くことの本質が見えてくるはずですよ。
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旅館の住み込みのきついところ
旅館の住み込みで働くのはきついと言われるのには、具体的にどのような理由があるのでしょうか?
あらかじめ旅館の住み込みのきつい部分を理解しておくと、いざ働く際にギャップを感じずに済むので、今のうちにチェックしてみてくださいね。
労働時間が長い
旅館の仕事は、基本的に労働時間や拘束時間が長い傾向があります。早朝から深夜まで働くケースは少なくありません。
旅館には中抜けシフトというものがあり、例えば朝早く起きて仕事をし、数時間の休憩をはさみ、夕方からまた出勤という休みとも捉えにくいシフトもあるのです。
住み込みで中抜けシフトがある場合はゆっくり休みにくく、「きつい」と感じることが多くなるでしょう。
しかし、最近では適切な労働時間となるよう配慮している旅館は増えている傾向があるので、不安な方は求人を探す段階でしっかりと労働時間について確認しておくと良いかもしれません。
気持ちが休みにくい
住み込みの仕事は職場と居住空間の境目が曖昧なので、気持ちの切り替えが難しく、なかなか十分に心を休ませられないと悩む方は珍しくありません。
休日であっても職場にいるという感覚が抜けず、「急なシフト変更があるかも……」という不安を持ちやすいのです。
周辺に何もない
場所にもよりますが、山奥や海などの自然に囲まれた旅館の場合は、周辺にお店や施設などが少ない傾向があります。
「休みがあっても車がなければどこにも行けない」という場合もあり、気晴らしさえ面倒になるパターンもあるのです。遊ぶこと以外でも、どこかへ出かけるというのは難しくなることがあるかもしれません。
住み込み先を探すときは、旅館周辺の位置情報もきちんと確認するようにしましょう。
プライベートが少ない
住み込みの場合は自宅と違い、居住スペースも職場であったり、職場の人たちと共有しなければいけない場所などがあったりなど、合宿のような状態が続くので、プライベートやプライバシーが少なくなるかもしれません。
旅館の住み込みでは、集団で生活しないといけないというストレスや疲れがあるため、プライベートが少ないことのきつさもあり得るでしょう。
生活に不便さもある
旅館から用意された住まいに共有スペースがある場合、生活に不便さを感じる人もいるでしょう。
例えば自由に使えない場所やモノがあったり、門限があったりなど、ルールを設けられている場合もあります。
周辺にコンビニやスーパーが少ないこともあるので、気軽に買い物に行けないなどの面でも生活に不便さを感じることも考えられます。
部屋を自由にできない
住み込みでは与えられた部屋に住んで働くということになり、部屋を自由に使うことはできなくなります。
また、自由に部屋を選ぶこともできないので、寮の当たりはずれなどもあるでしょう。
家具も自由に置けず、部屋の広さも選べないことがあります。生活スペースを自分の好きなように整えられないことから、人よっては快適さが少し足りないと感じるかもしれません。
人間関係に気を遣う
職場の人間関係が仕事外の時間でも続き、気疲れしてしまうというきつさもあるでしょう。
職場から完全に離れられないことが精神的にきつくなる原因になってしまったり、人間関係に気を遣ってしまったりすることにつながるようです。
仕事以外でも、苦手な人とも仕事だけでなく寝食を共にしなければならないケースは、ストレスや悩みに直結する恐れがあるので気を付けましょう。
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旅館の住み込みで働く魅力とは
旅館の住み込みがきつい理由にだけ焦点を当てるのではなく、やりがいや魅力という側面からも旅館の仕事について考えてみましょう。
旅館の住み込みで働くことに、どのようなメリットがあるのか紹介いたします。
旅館の温泉に入れる
旅館自慢の温泉に入れるのは、住み込みで働く醍醐味と言っていいでしょう。旅館の住み込み仕事では1日の終わりに天然温泉に入れることが多く、たくさん働いたあとの疲れを癒すことができます。
「きつい」「大変」「つらい」といった状況は、どのような仕事であっても必ず付きまとうものです。
しかし、旅館での住み込みでは「きつい」「大変」「つらい」という仕事があったとしても1日の最後に至福のご褒美があるので、その日のうちに身体や心をスッキリさせることができるでしょう。いつの間にか美肌が手に入るかもしれませんよ。
貯金しやすい
旅館での住み込みで働くと、貯金がしやすくなることも魅力のひとつでしょう。無駄遣いが減り、貯金が苦手という方も計画的に貯金できるようになるはずです。
仕事と子育ての両立がしやすい
多忙なイメージのある旅館の住み込みですが、実は仕事と子育ての両立がしやすい仕事でもあります。
子どもと一緒に入居できる住まいを用意している旅館もあるので、一人親家庭の方でも安心して働くことができるでしょう。
レベルの高い接客スキルが身につく
旅館の住み込みでみっちり働くことで、仲居としての経験を積むことができ、将来は女将を目指せるようになる可能性も大いにあります。
訪れるお客様や日々の出来事は毎日変化するので、刺激的な時間を過ごすことができるでしょう。そのなかで会話のスキルだけでなく、接客やマナーなどにまつわる知識も深められ、幅広い知識を身に付けることができます。
仲居から始まり、調理補助を経て料理人を目指すなど、手に職をつけられる可能性もありますよ。
ちなみに、旅館の仕事は女性のイメージが強いですが、仲居のリーダーとして仲居頭を男性が務めたり、板前をしたりなど、男性も活躍できる場があります。
関連記事では、旅館で活躍できる男性の特長をご紹介しているので、参考にしてくださいね。
お客様との距離が近い
旅館の仕事はお客様との距離が近く会話できる機会が多いので、人と接することが好きな方は魅力を感じやすいかもしれません。
お客様からの感謝の言葉を直接もらえたときは、とてつもない感動や達成感、そしてやりがいを得られるはずです。
住み込みで働くとなれば、常連のお客様から顔を覚えてもらいやすくなるため、おもてなしをすることがより楽しくなるかもしれませんね。
旅館の住み込みにはどんな求人情報がある?
きつい部分はありますが、旅館の住み込みならではの魅力もたくさん。実際にはどのような働き方ができるのでしょうか。おもてなしHRに掲載されいている求人情報を、いくつか見てみましょう。
奈良県の旅館
350年以上の歴史を持つ奈良県の旅館では、フロント業務やお料理の提供を行う館内スタッフを募集しています。スタッフ同士の交流がさかんで、宿泊業界未経験でも安心して相談できる環境が整っています。
勤務時間は7時から23時まででシフト制となっており、週2回・1日4時間の勤務も相談可能。2名での入居も可能なシェアハウスは、バス・トイレ別、Wi-Fi完備、まかない付きの好待遇です。
採用で重視しているポイントは、経験やスキルではなく明るくはきはきした人柄。もちろん、経験者はスキルをいかしながら働くことができます。住込みで旅館のおもてなしを学びたい方にはおすすめの求人です。
岐阜県にある旅館
下呂温泉にある温泉旅館では、客室接客係を募集しています。客室数は17室で、大型旅館とは違った温かな雰囲気が魅力です。
勤務時間は6時30から21時までのシフト制で、中抜けシフトも。家電製品がそろった寮が完備されているため、入居時の負担は少なく済みそうです。
お客様との距離も近いため、1人1人に寄り添った、質の高いサービスレベルやおもてなしの心を求められます。応募時の接客経験は不問。40代、50代のベテランスタッフも在籍しており、スキルアップしたい方にもおすすめの求人です。
なお、おもてなしHRに掲載されている寮社宅・住宅補助がある施設の求人情報を知りたい方は、以下のボタンからチェックしてみてくださいね。
旅館の住み込みはきついところもあるが、その分やりがいや魅力も多い!
旅館の住み込みは、自宅から職場に通って働くとは勝手が違うので、住み込み特有のきつい部分は出てきます。やりたいことや向いていることが旅館の仕事に当てはまっているのならば、まずは前向きに検討してみることが大切ですよ。
働くうえで不安点などがあれば、当社サービス「おもてなしHR」が力になります。専任のアドバイザーが、あなたに合った旅館探しのお手伝いをさせていだきます。