【ホテルの人事職】仕事内容とは?やりがい、必要な資格・スキル、キャリアステップについて

ホテルや旅館の仕事と聞くと、フロントや仲居などの接客業をイメージされる方が多いです。しかしホテルにも、一般企業と同じように管理職やバックヤード部門で働く人が大勢います。当記事ではその中の1つである「人事」をピックアップ。人事ではどんな仕事を担当するのか、やりがいや難しさは、どんなスキルが身につくかなどについて解説します。

仕事内容

面談する女性

iStock/takayuki

人事の仕事を大きく定義すると、ヒトによって会社を支え、発展させることです。それを軸として、細かく4つの業務に分けられます。

人材採用

人事の仕事といえば「採用」を真っ先に思い浮かべる人が多いでしょう。会社を支え、発展させるためにどんな人材が必要かを考え、それに基づいた採用活動を行うのが人事の大きな仕事です。

面接時にはその会社の代表としての振る舞いが求められ、人事の印象が会社(ホテル・旅館)の印象に直結する責任ある仕事です。

最近は採用方法も多様化しており、ハローワークや人材紹介会社、求人サイトの他、ソーシャルネットワークを活用することもあります。こうした企画運用も、人事が中心となって行います。

育成・研修

採用した人材を育成するための教育や研修をコーディネートするのも、人事の大切な仕事。人事職自らが研修を行うよりは、社内外の誰に・どんな研修を任せるかを決めるのが人事の役割です。

評価制度

人が同じ会社で長く働き続けるには、それだけの理由が必要ですよね。その1つとなるのが、適切な評価だと言えるでしょう。人事では、こうした評価制度のとりまとめも行っています。

例えば、高い業績をあげた人がきちんと評価され、それに応じたインセンティブを得ること。これは社員がモチベーション高く働くために、欠かせない要素と言えます。こうした仕組みを作るのも、人事の仕事です。

参考:厚生労働省「ホテル業の人材育成のために」

人事企画

どんな人材を採用すべきか、人手の足りないポジションにどのような方法で補充するか(採用か・異動か)、人員配置をどうするか……

などなど、会社の売上を伸ばすため、社員がそれぞれの能力をしっかりと発揮するための計画を考えます。

この計画に応じて採用活動も配置換えも行われるため、人事の責任は重大。まさに会社を構成するヒトの動きをすべて統括するポジションだと言えるでしょう。

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やりがい・面白さ

喜びを分かち合うスタッフたち

iStock/gradyreese

人事として働くやりがい、面白さとはなんでしょうか。実際の声をもとに、いくつかの例を紹介します。

会社を支えるポジション

人事職は決して目立つことはありませんが、会社にとってなくてはならないポジションです。なぜなら、会社はヒトなくして成り立たないから。

会社を構成するのに欠かせない存在である、ヒトに関する業務を一手に引き受ける。その実感こそが、人事で働く醍醐味であり魅力だと言えるでしょうね。

企業の「顔」として見られる

人事担当は、会社の代表として大勢の前に出る機会が少なくありません。面接にしてもそうですし、自社の採用イベントで登壇することだってあるでしょう。大きな責任とプレッシャーが伴う仕事である一方、自分が会社の「顔」であるという意識に背筋が伸びることもしばしばです。

採用した人材が活躍する姿

自分が面接し、採用を決めた人材と一緒に働く機会もあるでしょう。そのとき彼らが楽しそうに仕事をする姿や、良い成績をあげて活躍する姿を目にすると、得も言われぬ喜びを覚えます。

ホテル・旅館の仕事の場合は、接客が好きで宿泊業界に飛び込んでくる人がほとんど。憧れの仕事に就いていきいきと働く人を間近で見られるのは、とても嬉しいものですよ。

ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事

難しさ・大変さ

悩める男性

iStock/Peopleimages

逆に、人事の仕事で難しさ、大変さを感じる瞬間はどんなときでしょうか。

業界ごとに抱える問題が異なる

人材採用一つとっても、業界によって状況がまったく異なるため、それぞれに応じた対応が求められます。例えばホテル・旅館が含まれる宿泊業界の場合、「離職率が高く人の出入りが激しい」「慢性的な人手不足に陥っており、人員確保が難しい」といった状況があります。

こうした難しい状況の中にあっても、会社に良い結果をもたらしてくれる人材を確保、教育しなければなりません。離職率の高さを考慮すると、人が辞めない土壌作りを心がける必要もあるでしょう。

臨機応変な対応が求められる

さまざまな業務に分かれていても、結局人事の仕事につながるのはヒトです。ヒトが絡んだ仕事が大半ゆえ、時には思いもよらないトラブルや問題が起こることもあります。

いわゆるマニュアル通りの対応では対処しきれない問題には、常に臨機応変な対応が求められます。それがやりがいにつながることもありますが、時には「難しい、大変だ」と感じることもあるでしょう。

会社への貢献度がはかりにくい

明確な売上目標のある営業や、お客様からの評価が見えやすい接客と違い、人事には可視化できる成果が少ないです。

人を採用するのも配置換えも教育・研修も、一つひとつはとても大切な仕事なのに、「当たり前の仕事」と思われてしまいがち。会社に対しての貢献度が見えにくい仕事と言えるでしょう。

厳しい判断を下さなければならない

人事の仕事に就く以上、減給や解雇といった厳しい決断に迫られるときがやってきます。会社を守るため、大勢の社員を守るために自分は嫌われ役になっても構わないと思える、強いマインドを持つ人でなければ務まりません。

必要な資格・スキル

参考書とノート

iStock/taka4332

人事になるために、特別な資格は必要ありません。

ですが、キャリアに関する相談や指導に関する「キャリアコンサルタント」の資格や、人事分野を含む幅広い知識・実務能力を習得できる「ビジネスキャリア検定」などがあると、実務にも転職時にも役立つでしょう。

人事に必要なスキルとしては、

  • ・コミュニケーション能力
  • ・情報収集能力
  • ・基本的なOAスキル
  • ・正確性

などが挙げられます。

身につくこと・キャリアステップ

階段を登るビジネスマン

iStock/FlamingoImages

人事の業務は多岐にわたるため、あなたがどんな仕事をしたかによって身につくスキルも変わってきます。

人材採用分野であれば、多くの応募者と対面することにより「人を見る目」が養われるでしょう。勤怠管理の分野に携われば、労働関連法令や社会保障法令について詳しくなれるはずです。

その他にも、社内のいろいろな業務に関する知識や、コミュニケーション能力が身につきます。人事の仕事をすることで、ビジネスマンとして多くのキャリアを積むことができるでしょう。

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