独身男性・独身女性が一人で地方に移住しても大丈夫?
「地方移住」は、老後を穏やかに過ごしたい熟年夫婦や、自然が多い環境での子育てを望む家族がするもの、というイメージがありますよね。
移住に興味があったとしても「一人ではちょっと……」と躊躇(ちゅうちょ)する人もいるでしょう。しかし、独身女性・独身男性の地方移住は決して無謀なことではありません。
家族連れでの移住とはまた違った良さがあるので、ぜひ前向きに考えてみてほしいもの。独身男性・独身女性の地方移住が持つメリット・デメリットや、単身者向けの移住支援制度を見ていきましょう。
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独身男性・独身女性が一人で地方移住を考えるきっかけとは
独身の男女が地方移住を考えるきっかけにはどのようなことがあるのでしょうか。代表的な例を見てみましょう。
都会で暮らす理由がない
就職・進学などをきっかけに都会に出たものの「都会にいる理由がない」といったことで地方移住を考える人は少なくありません。
コロナ禍以降はリモートワークを導入する企業が増えたことや、働き方の多様化によって、毎日オフィスに行かなくても仕事ができるようになりました。場所を選ばず働ける環境になったことで「地方で暮らしてもよいのでは?」と考える人もいるでしょう。
配偶者の仕事や子どもの学校といった事情のない単身者は特に「毎日、満員電車に揺られ、深夜まで残業しながら都会にしがみつかなくてもよいのでは?」という考えにいたりやすいのではないでしょうか。
老後の蓄えを作りたい
老後の生活費を蓄えるために一人での地方移住を決める独身男性・独身女性もいます。老後生活を豊かに楽しむためには、どうしてもお金が必要ですよね。配偶者の年金や子どもからの仕送りを期待できない単身者は、特にしっかりとした備えが必要です。
都会で高額な家賃を払い続けるよりも、地方で居住費などを安く抑えて貯蓄や投資に回したい、生活費を抑えられる地方で老後の蓄えを作りたいと考え、地方移住を決める人もいます。
広い家に住みたい
都市部では、狭いアパートでも家賃が高額です。家が狭く、好みのインテリアを楽しめない、物を置くスペースがない、ベッドだけで部屋がいっぱい……。こうした環境での生活は、やはりストレスがたまりますよね。
地方には、都市部の半分程度の家賃で住める物件が数多く存在します。「広い家に住みたい!」という希望をかなえるには、地方移住が適しているかもしれません。
また、地方といっても交通の便が良い地域もあり、都市部での仕事を続けながら住居だけを移すパターンもあります。
地方でやりたいことがある
一次産業に携わりたい。カフェやレストランを経営したい。自分のアトリエや工房を持ちたい。こうした夢をかなえるために、地方移住を決める単身者もいます。
地域によって移住者の起業や就農に補助金を出す制度が設けられている場合もあり、制度を活用して夢にチャレンジするのですね。夢を追いかけ思い切った行動に移せるのは、独身男性・独身女性の特権かもしれません。
なお、以下の記事では移住のポイントを年齢別に紹介しています。併せてご一読ください。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
独身男性・独身女性が一人で地方移住するメリットと注意点
一人で地方に移住することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。世帯移住とは異なる事情や、知っておくべき注意点と併せて見ていきましょう。
メリット
単身者の地方移住でいちばんのメリットと言えば、身軽に動けることではないでしょうか。子どもの転校など難しい問題がないので、自分の好み・生活に合わせて移住先を選べます。もし「この地域は失敗だった……」と思ったら、さらに別の場所に移住することも比較的簡単でしょう。
また、縁もゆかりもなかった土地ですてきな出会いが待っていることも。「知り合いがいない地域で、人目を気にせず婚活に励みたい!」という人にも地方移住はおすすめ。自治体による婚活サポート制度がある地域も存在します。
単身で移住し、移住先で良い相手とめぐりあって結婚した、という話も珍しくありません。地方移住はまだまだ独身を満喫したい人にとっても結婚相手を探している人にとっても、メリットがあるといえるでしょう。
注意点
一人で移住するにあたって注意したいことは、移住支援制度の内容です。手厚い移住支援制度は新婚世帯や子育て世帯のみを対象としている場合があるのです。「支援制度をあてにして移住を決めたのに対象外だった!」ということがないように、気をつけてくださいね。
また、地方移住は人間関係の構築が難しい傾向にあると言われています。独身男性・独身女性の場合は、特にきっかけをつかみにくいかもしれません。学校行事や家族向けのイベントに参加する機会がないため、地域のコミュニティになじみにくいことが考えられます。
そして地方での結婚を望んで移住してみたものの、独身の異性が少なく結婚が遠のいたり、結婚を望んでいないのに地域の人から「お節介」を焼かれて困惑したりすることがあるかもしれません。
そして生涯独身と決めた人は、年を取っても一人で住める地域を選ぶことが重要です。豪雪地帯ではない、ある程度交通網が発達している、病院が遠くないといった条件がそろった地域が望ましいでしょう。
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独身男性・独身女性の一人移住に適した地域とは?
「地方移住したい!」という気持ちはあるものの、移住したい地域が明確に決まっていないという場合は、移住支援制度のある地域に候補を絞ってもよいでしょう。
2024年7月時点で、独身男性・独身女性の一人移住に活用できる移住支援制度のある地域を紹介します。
青森県青森市
青森県青森市では、地域おこし協力隊員を募集しています。地域おこし協力隊とは、都市部から過疎地域などに住民票を移し、地域のPRに携わったり一次産業に従事したりしながらその地域への定住を図るという制度です。
今回、青森市では浪岡地区の移住・定住サポート隊員を募集しています。既婚・独身に関係なくチャレンジできる制度なので、独身男性・独身女性が移住する足がかりとしても活用できるでしょう。
なお、地域おこし協力隊員は青森市以外でも募集している自治体があります。気になる地域での募集がないか、確認してみてくださいね。
参考:地域おこし協力隊(浪岡地区移住・定住サポート隊員)を募集します!
青森県青森市の仕事をご紹介
岐阜県岐阜市
岐阜県岐阜市では、東京圏からの要件を満たして移住してくる人を対象に、移住支援金を支給しています。単身移住の場合、支給額は最大60万円です。
移住支援金を受け取るための要件は、以下のような内容です。
・岐阜市に住民票を移す直前の10年のうち通算5年以上、東京23区内に住民票があった、または東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のうち、離島や過疎地域などの条件不利地域以外の場所に住民票があり東京23区に通勤していた。
・都道府県が運営するマッチングサイトにおいて、就業先の求人が移住支援金の支給対象として指定された求人であること。
・移住支援金の交付申請日において、岐阜市に住民票を異動した日後1年以内であること。
また、岐阜市に5年以上、継続して居住する意思を有していること。
就業先の求人に応募した日付や3親等以内の親族が就業先の経営を担う役職でないことなど、細かなルールも定められているので、詳細は市のホームページをご確認ください。
また、東京圏からの移住で移住支援金を受け取れる制度のある自治体は、岐阜県岐阜市だけではありません。移住先候補の自治体にこの制度があるかどうか、確認することをおすすめします。
参考:東京圏から岐阜市への移住にかかる移住支援金のお知らせ/岐阜市ホームページ
岐阜県岐阜市の仕事をご紹介
埼玉県熊谷市
埼玉県熊谷市では、30歳未満で2021年4月1日以降に就職した方を対象とした新幹線定期代の補助制度を設けています。
補助を受ける要件は、熊谷市に住民票があり、熊谷駅を新幹線通勤の起点とすることや、7年以上熊谷市に居住する意思があることなどです。
熊谷市は自然に囲まれたのどかな街でありながら、東京まで新幹線で39分という利便性の高い地域です。「ほどほどの田舎に住んで東京で働きたい」という希望をかなえられるのではないでしょうか。
参考:大好き熊谷!新幹線らく賃通勤補助金
埼玉県熊谷市の仕事をご紹介
独身男性・独身女性の移住先での仕事探しはおもてなしHRにご相談ください!
一人での移住を検討している独身男性・独身女性は、地方のホテル・旅館で働くことも視野に入れてみましょう。ホテル・旅館は、独身者向けの寮が備わっている場合があります。
無料や格安で使える寮に入れば、老後の資金を蓄えたり、趣味を楽しんだりすることにお金を回せるのではないでしょうか。また、3食のまかないが出るなど、独身者にうれしい福利厚生も期待できます。
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