鶴の湯温泉とは
ブナの原生林に囲まれた乳頭温泉郷の一つ、鶴の湯温泉。ここでは、鶴の湯温泉の概要と歴史についてご紹介します。
鶴の湯温泉の概要とアクセス
鶴の湯温泉は秋田県の東部中央、岩手県と隣接する仙北市にある温泉地です。乳頭山麓には多種多様な十種類以上の源泉があり、点在する七つの湯宿(鶴の湯、妙乃湯、黒湯温泉、蟹場温泉、孫六温泉、大釜温泉、休暇村乳頭温泉)を総称して、「乳頭温泉郷」と呼びます。
この温泉郷の中で、鶴の湯温泉は最も古い歴史を持ち、秋田藩主の湯治場としても利用された由緒ある温泉地として知られています。最寄り駅は新幹線の停車駅でもある田沢湖駅で、駅から乳頭温泉までは車で28分ほどの距離になります。
鶴の湯温泉の歴史と現状
鶴の湯温泉は開湯時「田沢の湯」と呼ばれていましたが、地元の猟師が温泉で傷を癒す鶴を見つけ、そこから「鶴の湯」という名前になったと伝わります。1638年には二代目秋田藩主が湯治に訪れ、現在も警護の武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」が残されています。一般客を相手とする湯宿としては、1688年頃からの記録に残されています。
2017年度の乳頭温泉における観光入込客数は、16万6769人となり前年度の15万4304人を上回り、対前年比108.1%%と増加傾向にあります。
参照:2017年度秋田県観光統計/秋田県観光文化スポーツ部観光戦略課
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鶴の湯温泉の泉質と周辺観光について
鶴の湯温泉では、四つの異なる源泉が楽しめます。ここでは、鶴の湯温泉の泉質と効能、周辺観光についてもご紹介します。
鶴の湯温泉の湯量と泉質について
鶴の湯温泉には、半径50m以内に泉質の異なる四つの源泉が湧いています。同じ敷地から泉質と効能の異なる温泉が湧出するのは珍しく、それぞれ白湯、黒湯、中の湯、滝の湯と呼ばれています。白湯は含硫黄ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素泉(硫化水素型)で、内湯のほか混浴露天風呂も楽しめます。
黒湯はナトリウム塩化物・炭酸水素泉。中の湯は含重曹・食塩硫化水素泉。滝の湯は含硫黄ナトリウム塩化物・炭酸水素泉で、打たせ湯を楽しめます。効能は源泉ごとに異なりますが、主に高血圧症、動脈硬化症、リウマチ、皮膚病、糖尿病など、さまざまな症状によいとされています。
参照:温泉/鶴の湯温泉公式HP
参照:鶴の湯/乳頭温泉組合 公式HP
鶴の湯温泉の観光資源について
鶴の湯温泉を代表する建物として、秋田藩主が湯治に訪れた際に、警護の者が詰めた茅葺き屋根の本陣が残されています。茅葺きは数十年ごとに、茅手(かやで)と呼ばれる職人によって葺き替え作業が行われ、大切に守り継がれています。
温泉地から車で30分ほどの所には、日本一の水深(423.4m)を誇る田沢湖があります。神秘的な雰囲気と伝説が宿るこの湖は、周囲約20kmのほぼ円形の形をしており、湖畔には歴史ある名所や旧跡のほか、遊覧船やサイクリングなどのレジャーも楽しめます。
同じ仙北市内には「みちのくの小京都」とも呼ばれる、角館があります。国の重要伝統的建造物群保存地区で、武家屋敷などの建造物が数多く残されており、東北でも有数の観光地です。
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鶴の湯温泉での働き方と暮らし
鶴の湯温泉で働く
鶴の湯温泉には1軒の温泉宿があり、宿から1.5kmほどの所には同じ系列の別館もあります。職種はフロントや配膳などの接客業務、調理師、清掃および雑務など幅広く、自身のこれまでの経験やスキル、個性を活かした仕事が選べます。
調理部門では和食を専門に、食材の仕入れや仕込み、調理を主な業務内容としていますが、経験を積むことで新メニューの考案など仕事の幅を広げ、やりがいを感じながら働けることでしょう。
鶴の湯温泉の暮らし
鶴の湯温泉のある仙北市は、大きく3つのエリア(西木エリア、田沢湖エリア、角館エリア)に分けられます。鶴の湯温泉は田沢湖エリアに属し、山や湖、温泉の大自然に囲まれて、スキーや釣りなどのアウトドアレジャーや観光産業が盛んな地域です。
冬季には平均気温が氷点下を下回る厳しい寒さですが、新緑や紅葉など四季折々の色彩豊かな景観を味わいながら暮らすことができます。温泉地から車で28分ほどの距離には市街地が広がり、スーパーやホームセンター、病院など日常生活に不便を感じることはないでしょう。
豊かな自然に寄り添って生きる鶴の湯温泉
鶴の湯温泉のある仙北市、田沢湖エリア。乳頭温泉郷などの温泉に恵まれているこの地では、日々の疲れを源泉かけ流しの温泉で癒し、渓流や山々を吹き抜ける風の音を聞きながら穏やかに暮らす日々が実現できそうです。仙北市に移住した人からは「ブナ林と田沢湖の神秘的な美しさに感動して、都会からの移住を決めた」「地元の方言がゆったりとして上品」と言った声が聞かれました。
仙北市には「移住者の会」として、県外からの移住者や移住をサポートしてくれる地域の方をメンバーとした交流や活動の場もあります。移住者の応援マガジンも発刊していますので、移住に関心のある方は一度手にとってみてはいかがでしょうか。