ホテル・旅館を取り巻く状況
新型コロナウイルスの影響で、一時は宿泊客の減少による経営難に陥ったホテル・旅館が多くありました。しかし現在は、旅行需要が回復し、特に外国人観光客の数が急速に増加しています。
集客に関して苦戦することは少なくなったものの、旅行需要が回復して新しいホテルや旅館が増えていることで、競合他社に競り勝つための集客が課題であると感じていることはないでしょうか。
特別感があるプランや面白いプランを考えようと、日々アイデアを巡らせていることもあるはずです。
しかし、ホテル・旅館の集客に重要なのは、継続性があることではないでしょうか。日々安定した集客ができることで、収益の安定化が図れ、経営の基盤が強化されます。
新型コロナウイルスによる集客難の状況が改善した今、再び競争が激化する中で、長期的に安定した集客を実現するためのアイデアが必要なのです。
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ホテル・旅館の集客を成功させるための準備
集客に効果があるアイデアを見つけようとすると、これまでとは違ったり競合他社とは異なったりする方法を考えようとしてしまいがちです。
確かに、斬新で面白いアイデアは顧客の目に留まりやすく、ホテルや旅館を知ってもらうのには効果的です。しかし、実際に宿泊してもらえるかは、顧客のニーズに合っているかにかかっています。
そのため、集客を考えるうえではまず、来てほしい客層を決め、そのターゲットに合った集客方法を検討することが重要です。ここでは、ホテル・旅館の集客を成功させるために必要な準備について紹介します。
ホテル・旅館のアピールポイントの整理
集客を行う際には、ホテル・旅館のアピールポイントを決めることが必須です。
料理や温泉、客室の広さ、利便性、最新設備など、それぞれのホテル・旅館で、売りにしたいポイントは異なります。
しかし、あれもこれもアピールポイントとして盛り込むと、一貫性がなくなってしまい、本来の魅力が伝わりにくくなってしまいます。
温泉がアピールポイントなのにもかかわらず、駅からのアクセスや近隣の観光スポットの情報ばかりをアピールしてしまうと、温泉を楽しみたいと考えている顧客へのインパクトは半減してしまいます。
そのため、ホテル・旅館が特に強調したいアピールポイントを明確に定め、そのポイントに焦点を当てた情報発信を行うことが重要です。
温泉をメインのアピールポイントにする場合は、「自然に囲まれた静かな温泉で、日常の疲れを癒やす贅沢なひととき」をテーマにするなどして一貫性のあるメッセージを打ち出すことで、ホテル・旅館の印象が強まり、予約の決定につながりやすくなるでしょう。
集客のアイデアを考える際には、ホテル・旅館が最もアピールしたいポイントを整理することから始めましょう。
客層と伝えたい雰囲気やコンセプトの決定ホテル・旅館のアピールポイントが定まったら、次は来てほしいホテル客層を具体的にイメージし、その客層に合わせた雰囲気やコンセプトを決めましょう。
たとえば、「広々とした客室」をホテルのアピールポイントとする場合で考えてみましょう。
ホテルステイを楽しみたい富裕層をターゲットにする場合は、高級感のあるインテリア、プライベート感を重視した客室、そして一流のサービスをアピールすることで、ラグジュアリーで洗練された雰囲気を醸し出すコンセプトが良さそうです。
しかし、小さな子どもがいる家族連れをターゲットにする場合はどうでしょうか。
質の高いインテリアや贅沢感のあるアメニティ、高級食材を使用した繊細な料理をアピールしても、ターゲットからの関心を集めることは難しいでしょう。
同じ「広々とした客室」をアピールポイントにするならば、家族が一緒に過ごせるリビングスペース、子ども向けのアメニティなど、親子で楽しめる滞在をイメージさせる必要があります。家族割引や特典を含めて割安感を見せることが効果的な場合もあるかもしれません。
このように、ターゲットとする客層に合った雰囲気やコンセプトをしっかりと定めることで訴求力を高めれば、予約率の向上につなげることができるでしょう。
マーケティングの強化
ホテル・旅館の予約受付において、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)を通じて予約を行うケースが増えています。
OTAとはインターネットのみで取引を行う旅行会社を指します。
顧客は、宿泊予約サイトを使用してホテル・旅館を比較し、最もニーズに合った宿泊施設を選択します。数ある宿泊施設の中から選ばれるためには、マーケティングを強化しなければなりません。
打ち出したいと考えているアピールポイントやコンセプトが求めている客層のニーズに合っているか、競合他者の宿泊プランなどと見比べてみましょう。
近隣に同価格帯のホテル・旅館が複数ある場合は、比較することで不足や弱点が見えてくるかもしれません。
業務の効率化
人材不足や感染症の対策として、さまざまな業種でより一層「自動化」や「無人化」に焦点が当てられるようになりました。
宿泊業界も例外ではなく、「自動化」や「無人化」が注目されています。
今後、ホテル・旅館の利益率を維持・改善できるようにするには、あらゆるオペレーションを見直すことが必要となっているのが現状です。実際に、ビジネスでの利用や若い世代、外国人観光客などは、宿泊施設の利便性を重視する傾向が高まっています。
サービス業である以上、「自動化」や「無人化」には抵抗があるホテル・旅館もあるでしょう。しかし、時代のニーズに合わせて柔軟に対応していく姿勢も、集客のためには必要な場合があるのです。
まずは、無人でもチェックインなどができるようにタブレット端末をフロントに置いたり、客室管理の連絡のためにゲストへ自動でメッセージを送信できるような仕組みを検討したりしてもよいかもしれません。
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ホテル・旅館へ集客するためのアイデア・ヒント
ここでは、ホテル・旅館への集客につながるアイデアやヒントを紹介します。それぞれのホテル・旅館の特徴に合わせて紹介したアイデアを応用してみてくださいね。
SNSの活用
最近では、ホテルや旅館を探す際にインターネットで検索をかけるのではなく、SNSを利用するケースが増えているようです。
宿泊予約サイトでホテル・旅館の目星をつけてSNSで検索をしてから宿泊を決めたり、SNSで興味を持ったことをきっかけに宿泊予約サイトで検索したりなど、SNSからの情報が顧客の意思決定に大きく影響しています。
そのため、ホテル・旅館の情報発信の方法にSNSを加えることが集客につながる可能性は、十分あります。
写真や動画を使用して施設の雰囲気を分かりやすく伝えたり、オリジナルのハッシュタグを使って宿泊客との交流を図ったりなど、SNSを活用した集客方法はさまざまあります。
定期的な更新や動画や写真の編集などに手間がかかることがありますが、SNSの開設には費用がかかりませんので、新たな集客方法を検討している場合はぜひ導入してみましょう。
なお、SNSには複数の種類があり、それぞれで特色が異なります。発信したい内容やターゲットに合わせて選んだり、複数を併用したりするのがおすすめです。
キャッシュレス決済への対応
昨今、キャッシュレス決済が推し進められており、決済方法にはさまざまな種類があります。
キャッシュレス決済を利用する顧客は多く、特に外国人宿泊客にとってはキャッシュレス決済の可否が宿泊施設を選択するポイントになる場合があります。
規模が小さなホテルや旅館の中には、キャッシュレス決済に対応していないということもあるかもしれません。
しかし、これだけキャッシュレス決済が普及している中では、対応していないことで顧客の取りこぼしが起きてしまいます。
キャッシュレス決済には専用端末の導入や手数料が必要なこともあり、コスト面に不安を感じることがあるかもしれませんが、機会損失のリスクを考慮して再検討してみるとよいでしょう。
口コミへの返信
ホテル・旅館が利用している宿泊予約サイトの多くには、実際に宿泊してくださったお客様が口コミを記入できる機能があります。
口コミは実際に宿泊したお客様からの声ですから、それを業務改善などに役立てるホテル・旅館もあるのではないでしょうか。
口コミは、お客様からホテル・旅館に向けられた大切なアドバイスです。
良かった点、悪かった点を客観的に評価してもらえるのは、ホテル・旅館にとって貴重な財産になり得るものです。
なかには、ホテル・旅館からの返信を楽しみにしている顧客もおり、その返信内容によってリピートするかどうかを判断する方もいます。顧客の口コミにはこまめに返信するように心がけましょう。
時には、厳しい意見が書かれたりクレームが寄せられたりすることがあるかもしれませんが、そのような口コミに対する姿勢がホテルや旅館の評価につながることもあります。
謝罪が必要な場合はすぐに対応し、顧客から指摘があった場合は改善策を講じましょう。実際に、クレームに対して真摯に対応したことで顧客のイメージを覆し、リピータになっていただけたという例もあります。
また、口コミに丁寧に対応している様子から「このホテル・旅館は信用できる」といったイメージにつながることもあり、新規顧客へのアピールになる場合もあります。
過去には、ユニークな口コミの返信が話題になったホテルがありました。たった1つの口コミでも、ホテル・旅館の印象を左右することがあると心得ておくとよさそうです。
以下の記事でもホテル・旅館への集客アイデアが紹介されていますので、ぜひご覧ください。
ホテル・旅館の集客で「WEBをただ使う」だけはNG
スマートフォンの普及により、誰しもが簡単にWEBサイトにアクセスできるようになりました。電話やメールからの宿泊予約でなく、ネット予約が主となったことで業務の効率化が進み、スタッフの負担を減らすことにも貢献しています。
しかし、誰でもアクセスしやすくなった分、ユーザーにはたくさんの情報が入ってしまうことになります。情報過多に陥りホテル・旅館の情報が埋もれてしまうことがあるため、広告掲載だけでの集客はとても困難なのです。
WEBサイトをただ使うだけでは集客効果は得られないことを念頭に置いて集客に臨む必要があるでしょう。
たくさんの情報のなかからユーザーの目に留まるには、競合他社との差別化が必須でしょう。情報過多の時代を渡り歩くために、多角的な視点を持つことと、明確なターゲット設定が欠かせないのです。
先述した「ホテル・旅館のアピールポイントの整理」「客層と伝えたい雰囲気やコンセプトの決定」はこの点でもいかされるので、集客前の準備は抜かりなく行ってくださいね。
特徴に合わせた集客アイデアでお客様に選ばれるホテルに!
本記事で紹介した集客アイデアは単なるヒントでしかありません。確実に集客につなげるためには、どこかの真似ではなく、それぞれのホテル・旅館の特徴に合わせて、スタッフ同士が協力して練り上げた集客アイデアを実現させることが必要なのです。
集客には大きな労力がかかりますが、ニーズの先取りや多角的な視点を意識することで、面白いアイデアが思い浮かぶことがあるかもしれませんよ。