カプセルホテルには鍵は付けられる?
カプセルホテルは、お客様が寝泊りするカプセルユニットには鍵を付けることができません。「簡易宿泊所」としての営業のため、カプセルユニットは家具扱いになるのです。
鍵の掛かるドアを付けて完全な個室にすると「旅館」の扱いになり、法令上のさまざまな規制をクリアする必要が出てしまいます。
そのため、カプセルユニットの出入り口はカーテンやブラインドで目隠しがされてているだけです。寝泊りする場所に鍵がかからないので、貴重の管理やセキュリティを心配する人は少なくありません。
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カプセルホテル内で鍵を付けられる場所は?
法令上、カプセルユニットには鍵の取り付けをすることはできません。しかし、鍵を付けられる場所が全く無いわけではありません。貴重品の管理や、お客様のセキュリティを守るために、鍵の取り付けが可能な場所を解説します。
貴重品をしまうロッカー
どのカプセルホテルにも、お客様用の鍵のかかるロッカーは必ず用意されています。更衣室などに置かれているものと同じくらいの大きさのロッカーであることが一般的です。スーツやコートも掛けられるので、高価な衣料品の管理も安心です。
しかしながら、カプセルホテルによっては従業員の目が届きにくい場所にロッカーが設置されており「ロッカーに貴重品を入れておくのが不安」というお客様も少なくありません。
そのため、フロントでも貴重品の預かりを受け付けているカプセルホテルが多いのです。貴重品の管理に不安を感じて宿泊を控えようと考える人も居ますよね。
そういった機会損失を防ぐためには、フロントでの貴重品預かりを受け付け、ホームページなどにその旨を記載しておくと良いでしょう。
脱衣所のロッカー
施設によってある所と無い所がありますが、バスルームやシャワールームの脱衣所にも鍵付きロッカーが設置されていることがあります。
脱衣所に鍵付きロッカーがあれば、貴重品をしまうロッカーの鍵やお財布、スマートフォンなど預けて入浴できるので便利です。無い場合は、ロッカーに貴重品を預けてからバスルームを使っていただくようになります。
施設によってはロッカーの場所とバスルームの場所が離れていて、少々ご面倒をかけることになりますね。しかし、防犯のために貴重品管理は徹底していただくよう、お客様に注意を促しましょう。
宿泊フロアへの出入口
カプセルユニットがずらりと並ぶ宿泊フロアへの出入口にも鍵を付けることができます。センサーに鍵をかざすと自動で開くタイプのドアが導入されているところが多いです。ロッカーの鍵と一体化していることもあります。
特に男女でエリアが分かれているカプセルホテルではよく導入されています。それぞれのエリアに入るには鍵が必要なので、特に女性に安心なシステムですね。
また、宿泊客でない人物の侵入を防ぐ効果もあります。宿泊フロアに入るための鍵があると「セキュリティがしっかりしたカプセルホテル」という印象になり、お客様は安心して眠ることができるでしょう。
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カプセルホテルでの鍵の受け渡しタイミングは?
ロッカーの鍵は、チェックインの際にお客様にお渡しします。この時に貴重品の管理は自己責任でしていただき、鍵の紛失をしないように注意喚起をすると良いですね。
きちんと説明することでお客様の意識を高めるとともに、万が一盗難・紛失が起こった際、ホテル側の責任になることを免れます。
返却してもらうのはチェックアウトの時です。カプセルホテルの場合、連泊のお客様でもいったんチェックアウトしてもらう必要がありますが、ロッカーには荷物を入れたままでもOKとしている所が多いです。
お客様が鍵を持って外出することになりますので、お出かけのタイミングで可能であれば「お気をつけて行ってらっしゃいませ。鍵の紛失にもご注意お願いいたします。」などと、声掛けをするのが望ましいですね。
お客様がカプセルホテルのロッカーの鍵を紛失したら?
万が一お客様がロッカーの鍵を紛失した場合はどう対応すれば良いでしょうか。
ほとんどの場合、カプセルホテルにはスペアキーがあります。スペアキーでロッカーを開けることはできますが、紛失された鍵は弁償してもらう場合が多いです。
金額は2000円~5000円くらいが相場のようですが、鍵の作り直しや付け替えに掛かった費用を実費で請求する方針のカプセルホテルもあります。
弁償を拒否する人も居ることが想定されますので、宿泊約款にしっかり明記しておきましょう。そして何より、お客様による紛失を未然に防ぐことが重要です。声掛けや張り紙などで注意喚起しましょう。
カプセルホテルでは限られた場所の鍵がお客様を守る
カプセルホテルはでは、従業員もお客様も、特に高い防犯意識を持つことが必要です。お客様の貴重品やセキュリティを守ることができるのは、限られた場所の鍵だけなのです。
それを忘れることなく、正しい鍵の取り扱いで安心・安全な宿泊を提供しましょう。