宿泊業向けの履歴書の書き方と送り方のマナー
転職をする場合、どのような経歴を経てきたのかを企業側にしっかり伝えるためにも、履歴書の書き方がとても重要になります。履歴書を書く上で大切なのは、ルールとマナーを踏まえ、心を込めて丁寧に作成することです。
書き方のマナー
筆記用具は、黒色のボールペンや万年筆を使います。鉛筆やこすって消せるボールペンなどは避けるのが無難。
履歴書はさまざまなタイプの中から、自分のアピールしやすい項目に合ったものを選びましょう。手書きかパソコンの指定がない場合は、パソコンで作成するのが主流。読みやすく、パソコンスキルを証明できるという利点があります。
ただし、手書きを良しとする企業もあるため、応募する企業に合わせて選択するとよいでしょう。
書き終わったら、すべての項目を見直します。履歴書に空白やミスがあると、仕事でもミスをしやすいかもしれないとマイナスの印象につながるため注意してくださいね。
送付するときのマナー
封筒の宛名や住所は、縦書きするのが一般的です。担当者名が分かっている場合は「様」、人事部などに送る場合は「御中」と記載します。
応募書類は折りたたまず、送付状を添えてA4サイズのクリアファイルに挟み、白い封筒に入れて郵送すると丁寧な印象を与えることができますよ。
メールで履歴書を送るよう指示を受けた場合は、挨拶文などを記載し、件名はわかりやすく簡潔に書くようにします。添付する応募書類はPDFなどの形式に変換し、Zip形式に圧縮しパスワードを設定して送るとよいでしょう。
「個人宛」の封筒の書き方
「部署宛」の封筒の書き方
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宿泊業界での職務経験はありますか?
履歴書の各項目の書き方について
履歴書の各項目ごとの具体的な書き方についてご紹介します。
[1]日付/生年月日
西暦か和暦については、履歴書全体で統一するようにします。「日付」の部分には提出する日を記入し、年齢を記載する場合は送付日時点の満年齢を書きます。
[2]写真
宿泊業においては第一印象を重視されるため、清潔感のある身だしなみが大切です。
- ・3か月以内に撮影し正面を向いているもの
- ・背景色は白、青、グレーのいずれか
- ・前髪の長さと髪の毛の色に気をつける
- ・アクセサリーや化粧は控えめに
宿泊業はお客様をおもてなしする立場から、上品で知的な印象が求められます。清潔感や優しい印象を持ってもらえるよう意識できるとよいでしょう。
[3]氏名
戸籍に登録されている文字を使い、大きめかつ丁寧に書きます。読み仮名は「ふりがな」と記載されている場合はひらがな、「フリガナ」となっていたらカタカナを使いましょう。
[4]生年月日
(1)の日付を和暦(元号)で書いたのであれば和暦(元号)で、西暦で書いた場合は西暦でそろえます。
「満年齢」は今現在の年齢を書きます。(1)の日付時点でのご自身の年齢を記入してください。
[5]現住所・連絡先
住所は都道府県名から番地や建物名まで省略せずに記入します。連絡先の電話番号は最も連絡がつきやすい番号を記入し、メールアドレスは携帯電話ではなくWebのメールアドレスにします。
[6]学歴/職歴
学歴と職歴の項目は、企業が求めている人材であるか、これまでどのような経験やスキルを積んできたのかを確認する重要な項目になります。
まず一行目に「学歴」と書き、次の行から今までの学歴を入学と卒業の年月を記しまとめます。
一般的に、義務教育を終えた高校入学から記載します。学校名は正式名称で、学部や学科についても記載しましょう。
観光専門学校のホテル学科や外国語に関わる大学などを卒業している方は忘れずに記入してくださいね。
次に学歴から一行あけて「職歴」と書き、次の行から入社と退職の年月に加え、雇用形態も記入します。職歴の最後に「現在に至る」と書き、一行下に「以上」と右詰めで記しましょう。
[7]免許/資格
複数の資格を持っている場合は、取得した順に正式名称で記載します。
その際、検定や資格によって記載の有無が異なるので注意!
例えばホテルビジネス実務検定のように認定証が交付されるものは「認定」、英検や簿記など合格証が交付されるものは「合格」、自動車免許であれば「取得」を正式名称の後に書きましょう。
勉強中の免許や資格は取得予定時期を明記し、意欲ある姿勢を示すことも重要です。
[8]志望動機、趣味、自己PRなど
<志望動機>
業界問わずですが、宿泊業の転職でも志望動機はとても重要視されます。「なぜ転職をしたいのか?」その理由をできるだけ簡潔に、かつ熱意が伝わるように書きましょう。
前職の退職理由を伝えるときは、ネガティブな表現にならないよう前向きな気持ちをアピールすることが大切です。
また、「なぜその企業を志望したのか」をきちんと書くこともポイント。多くのホテル・旅館がある中で企業を志望した理由が明確であれば採用担当者へ就業意欲・熱意が伝わりやすくなります。
企業への就業意欲をアピールするためには、応募先のホテル・旅館へ望む人物像の把握・企業研究が重要です。
企業理念をチェックしたり、実際に従業員の働く姿を見て感じたりして、ライバルに差をつける志望動機を作成しましょう。
<趣味、自己PRなど>
志望する転職先の企業や職種につながるような書き方だと好印象を与えますね。
たとえば、接客業からの転職ならこれまでの経験を宿泊業界でどのように活かしていけるかを具体的に記入しましょう。
趣味・特技も簡潔に書いておくと、面接で会話の糸口になったり、話が広がるきっかけになりますよ。
特にインバウンドの需要回復が見込まれる宿泊業界にとって、英語スキルのある人材は重宝されやすいそうです。
履歴書を書く前にこれまでの経験を深堀することで、宿泊業界で貢献できるスキルなどが見えてくるでしょう。
宿泊業界とつながりが薄い学歴の方や業種未経験の方は、これまでの経験から宿泊業にいかせそうなことを伝えるといいですね
[9]通勤時間
自宅から会社までの片道の通勤時間を記します。一般的には、公共機関を利用した場合の自宅から最寄り駅への移動時間、電車やバスなどの乗車時間を含めて計算しましょう。
支店配属が未定であったり、秘境の宿など通勤時間がわからない場合は、無理に記入する必要はありませんが、書き忘れと捉えられないように「‐時間‐分」と横棒を引いておきます。
[10]扶養配偶者など
採用後の事務手続きに関わる項目です。扶養家族は、自分以外の扶養家族の人数を記入しますが、子どもが配偶者の扶養に入っている場合は人数に含めません。
[11]本人希望欄
希望する職種などを書きます。特に希望がなければ「貴社規定でお願いいたします」と記入しましょう。勤務時間に制限がある場合は、現在態勢を整えるべく努力している旨を追記し、前向きな姿勢を示すことが大切です。
また、宿泊業界は24時間営業のため夜勤対応をする職種があります。そのため、小さいお子様がいる従業員のために託児所を用意している施設も。
託児所のある志望先を見つけたら、夜勤があることを想定して「託児所を利用したいです」と明記しましょう。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
【宿泊業向け】志望動機・自己PRの書き方と例文
履歴書の志望動機と自己PRの書き方は、採用を決定づけるとても重要な項目です。宿泊業で求められるのはどういう人材なのか、過去の経歴などを宿泊業でどのように活かしていくのかを考えながらまとめられるとよいでしょう。書き方のポイントと例文をご紹介します。
会ってみたいと思われる自己PRの書き方
転職に向けての意欲や自分の強み、人をもてなすことが好きだという気持ちを伝えるようにします。
エピソードを添えると、自分らしさや人柄の魅力が伝わりますよ。趣味や特技については、面接時に会話が弾み、宿泊業で希望する職種につながる内容がおすすめです。
【例文】
旅行が好きで、これまでにもいろいろな場所へ行き、ホスピタリティの素晴らしさを学びました。人と接することが好きなため、今度は自分がお客様を喜ばせる立場になりたいと考え応募しました。
実績を上手くアピールする自己PRの書き方
これまでの経験を通して、定量的に実績を残せたことがあれば上手くアピールしましょう。
成果や達成したことに具体性を持たせるためには、期間や量などの数字・定量的なデータがあればより説得力のある自己PRが完成します。
【例文】
これまで服飾品を取り扱う企業で販売スタッフとして店舗に勤務していました。お客様が商品に悩んでいるときはすぐにご提案し、試着のご案内の徹底はもちろん、お客様に快適な時間を提供することに尽力しました。その結果、前年より1.5倍の売上増に貢献し、月間売上店舗第1位を獲得しました。
採用したくなる志望動機の書き方
数多くの同業他社の中から、あえてその企業を志望する理由やその職種を志望する理由、自分がその企業に貢献できることを軸としてまとめます。転職を志望する理由も記載します。
【例文】
海外を旅する中で、おもてなしの仕事に就き日本のよさを世界に発信したいと考えるようになりました。貴社は日本の伝統を重んじ、ホスピタリティの高さでも定評があるため志望しました。前職ではチームで課題に取り組み目標を達成してきた経験があり、チームプレイを発揮し多くのお客様に感動を与えたいです。
宿泊業向けの履歴書の書き方に悩んだらおもてなしHRがサポートします!
履歴書は応募者自身を映し出す鏡のようなものです。宿泊業の転職に向けて、前向きで意欲的な姿勢や就職に対する真剣な態度は、履歴書を通して必ず採用担当者に伝わり、転職活動を成功へ導くことでしょう。
なお、自分だけの就職・転職活動に不安のある方は、当社サービス「おもてなしHR」をご活用ください。