料理の提供マナー完全ガイド!ホテルレストランスタッフが押さえるべき基礎知識

ホテルのレストランスタッフとして内定が決まり、入社を控えている方の中には事前に料理の提供マナーについて知っておきたいと考えている人もいるかもしれません。ホテルのレストランでは、料理の提供方法・接客マナー・言葉遣いなど、細かなルールが求められます。この記事では、入社前に知っておくべき料理の基本的な提供マナーや接客のポイントをわかりやすく解説します。

レストランサービス:料理提供の基本マナー

レストランでのサービスは、料理のおいしさだけでなく、どのように提供するかもお客様の満足度に影響することがあります。

ここでは、レストランで働くうえで欠かせない料理の提供マナーについて、具体的なポイントをわかりやすく解説します。

テーブルセッティングの仕方

テーブルセッティングは、レストランサービスの基本です。

お客様が席に着いた瞬間から快適に過ごせるよう、きれいに整ったテーブルを準備することが求められます。

セッティングはアイテムごとに異なります。以下の基本を押さえておきましょう。

  • テーブルクロス:シワや汚れがないかを確認し、均等に広げる
  • カトラリー:ナイフは右側、フォークは左側。刃先は内側に向ける
  • テーブルナプキン:レストランに合った折り方でお皿の上に置く
  • お皿・グラス:お客様が座ったときに自然と中央にくるように配置する

細部まで丁寧に整えることが、レストラン全体の品格を高めることにつながります。小さな部分にも気を配り、お客様にとって心地よい空間を演出しましょう。

トレーの持ち方

トレーは、料理やドリンクを安全かつスムーズに運ぶための大事なアイテムです。

安定して持つことが基本で、正しい持ち方を身につけることで、よりスムーズなサービスが提供できます。

  • 持ち手:基本的に左手で持ち、右手は料理やドリンクをサーブ(給仕)するために空けておく
  • バランス:トレーの中心に重心を置き、手首と腕全体で支えて安定させる
  • 姿勢:背筋を伸ばし、トレーが傾かないように水平を保つ

また、トレーの上の配置も重要です。料理やグラスが滑らないように、均等に並べることを意識しましょう。また、必要に応じて滑り止めシートを使うと、より安定します。

お皿の持ち方

レストランサービスでは、正しいお皿の持ち方を身につけることで、スムーズな提供ができます。

特に、ホテルや格式の高いレストランでは、1枚・2枚・3枚と枚数ごとに持ち方のマナーが決まっているため、適切な方法を身につけることが大切です。

1枚の場合

基本は左手で持ち、右手はサーブやドリンクの提供に使えるように空けておきます。お皿のフチをしっかり支えながらも、親指が内側に入りすぎないように注意しましょう。

2枚の場合

1枚目は左手の人差し指・中指・薬指で支え、小指と親指はお皿の上に添えるようにします。2枚目は、空いている左手の親指と小指で支える形で持つのが基本です。1枚目と2枚目は少し重なってしまっても問題ありません

3枚の場合

左手で1枚目と2枚目を持ち、3枚目は右手で持ちます。右手のお皿は、親指をフチに添え、残りの指でしっかりと支えます。どのお皿も傾けず、水平を保つことを意識すると、安定して運べるでしょう。

料理の出し方

料理を提供する際は、お客様の右側から提供します。ただし、和食の場合は左側からが基本です。

お皿を置く際は、料理の正面が自然にお客様の方を向くように配慮し、盛り付けの美しさを損なわないようにしましょう。

また、料理を置く際に音を立てないように注意し、静かにそっと置くことを心がけるようにしてください。

お客様が会話を楽しんでいる場合は、無言で提供するのではなく、適度に声をかけながら自然なタイミングで対応することが大切です。

さらに、お客様に対して自然な角度で立つなど身体の向きにも気を配り、違和感のない動作を意識しましょう。

料理の下げ方

料理を下げるときは、お客様の食事の進み具合をしっかり確認し、適切なタイミングで対応しましょう。

基本的には、お客様の右側から静かに下げるのがマナーとされています。このとき、音を立てないように注意し、そっと持ち上げることを意識してください。

カトラリーがバラバラになっている場合は、お皿の上でナイフとフォークを揃えてから下げると、スマートな印象を与えられるでしょう。

また、お客様の前でお皿を積み重ねたり、手際よく片付けようと慌てたりせず、落ち着いた動作を心がけることも重要です。

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レストランサービス:水の注ぎ方の基本マナー

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レストランサービスでは、料理の提供だけでなく、水をスマートに注ぐスキルも必要です。ここでは、水の注ぎ方の基本マナーを解説します。

水を注ぐ位置と手順

水を注ぐ際は、お客様の右側から行うのが基本です。これは、右利きのお客様の割合が多く、グラスを持つ手の邪魔をしないためです。ただし、テーブルの配置やグラスの位置によっては、臨機応変に対応しましょう。

<注ぎ方の手順>

  1. グラスの中央をねらい、ゆっくりと注ぐ
  2. グラスの3分の2程度の量で止める
  3. ピッチャーやボトルの注ぎ口がグラスに触れないようにする

ウォーターボトル・ピッチャーの持ち方

ウォーターボトルやピッチャーは、それぞれ持ち方が異なります。適切な持ち方を身につけ、安定して注げるようにしましょう。

まず、ウォーターボトルの場合は両手で持つのがマナーです。片手でボトルの首(注ぎ口付近)を支え、もう片方の手で底を安定させます。これにより、水滴が垂れるのを防ぐことができ、スムーズに注げるでしょう。

一方、ピッチャーの場合は片手でしっかりと持ち、もう片方の手を底に添えると安定します。 持ち手がある場合は、指をしっかりかけて支え、滑らないように注意しましょう。

水をこぼさないためのコツ

水を注ぐときは、ウォーターボトルやピッチャーを急に傾けず、少しずつ角度をつけながら注ぎましょう

グラスのフチから少し離れた位置で注ぐと、水滴がつくのを防げます。注ぎ終わる際は、手首を軽くひねるようにすると、余計な水滴が垂れずに済みます。

もし、こぼれそうになったときは、慌てずにナプキンでさっと拭き、落ち着いて対処しましょう。

お客様が手を添えた場合の対応

水を注ごうとしたときに、お客様がグラスに手を添えることがあります。

これは「もう十分です」という意思表示の可能性があるため、無理に注がず、お客様の様子を伺いましょう。必要があれば、「お水は足りていますか?」と確認すると丁寧です。

お水を求められた場合はスムーズに対応し、断られた場合は「かしこまりました」と伝えて無理に提供しないようにしましょう。

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レストランサービス:ウェイターとしての基本マナー

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レストランにおける接客では、ウェイターとしての立ち居振る舞いや身だしなみも大事なポイントです。

お客様に心地よく食事を楽しんでいただくためにも、基本的なマナーも身につけておきましょう。

立ち居振る舞いの基本

ウェイターの動作ひとつで、お客様に与える印象は大きく変わります。常に落ち着いた振る舞いを意識し、スムーズなサービスを心がけましょう。

常に姿勢を正しく保つ

姿勢は、清潔感やプロ意識を伝える大切なポイントです。背筋を伸ばし、肩の力を抜きながらも、適度に引き締まった立ち姿勢を意識しましょう。猫背や腕をダラッと下げると、だらしない印象を与えてしまいます。

歩くときは静かにスムーズに

レストランでは、足音を立てずに歩くことが求められます。大股になりすぎず、滑らかに歩くことで、上品で落ち着いた印象を与えられます。また、お客様のうしろを通る際は、軽く会釈をすると丁寧な印象になるでしょう。

お辞儀の仕方を統一する

お辞儀の角度は、状況に応じて使い分けましょう

  • 会釈(15度):お客様の近くを通るとき
  • 敬礼(30度):お客様に挨拶をするとき
  • 最敬礼(45度):感謝やお詫びをするとき

お辞儀の角度が適切でないと、不自然な印象を与えてしまうことがあります。動作のひとつひとつを意識しながら、丁寧な接客を心がけましょう。

身だしなみと清潔感の重要性

レストランでは、料理や飲み物を提供する立場として、清潔感のある身だしなみが求められます。身だしなみを整えることで、お客様に安心感を与え、信頼される接客へとつながるでしょう。

服装・髪型を常に整える

制服はシワや汚れがないようにし、ボタンをきちんと留めるなど、清潔な印象を保ちましょう。髪が長い場合は、しっかりとまとめておくことが大切です。

香りに注意する

強すぎる香水や整髪料は、お客様の食事の邪魔になるおそれがあります。また、口臭対策として、歯磨きやブレスケアを心がけることも大切です。

手や指先の清潔を保つ

料理を提供する立場として、こまめな手洗いや爪の手入れを徹底し、常に清潔感を意識することが大切です。爪は短く整え、ネイルや派手なアクセサリーは避けるようにしましょう。

ホテルのレストランでの言葉遣いと接客のポイント

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ホテルのレストランでは、料理の提供や接客の際に適切な言葉遣いを心がけることが大切です。ここでは、ホテルのレストランでの言葉遣いと接客のポイントを紹介します。

料理を提供する際の適切なフレーズ

料理を提供する際は、ただ置くだけでなく、「お待たせいたしました。こちら〇〇でございます。」と一言添えることが大切です。

無言で料理を提供するのは避け、明るく丁寧な言葉を添えることを意識しましょう。

お客様への質問や確認の仕方

料理を下げる際やドリンクのおかわりを勧める際は、お客様の様子を見ながら適切な言葉で確認することが大切です。

料理を下げるとき

お客様が食事を終えているかを確認し、「お下げしてもよろしいでしょうか?」と一言添えましょう

ドリンクのおかわりを勧めるとき

グラスの残量を確認し、「お飲み物のおかわりはいかがでしょうか?」と声をかけると自然です。

お客様に何かお伺いするとき

お客様に呼ばれた際は、「失礼いたします。」と一言添えて対応しましょう。状況に応じて、「いかがされましたか?」や「何かお手伝いできることはございますか?」と丁寧に尋ねると、よりスムーズな接客につながります。

立ち振る舞いの基本マナー

ウェイターの立ち居振る舞いは、接客の印象に影響を与えることがあるため、以下のような行動を意識するとよいでしょう。

お客様の目線に気を配る

お客様と会話をする際は、適度に目線を合わせることが重要です。ただし、じっと見すぎると圧迫感を与えてしまうため、自然なアイコンタクトを意識しましょう。

また、お客様が困っている様子を見せたときには、すぐに気づいて対応することが求められます。

常に周囲を見渡しながら、お客様がサインを出した際にすぐに対応できるよう意識することも大切です。

話すときの姿勢を意識する

お客様と話すときは背筋を伸ばし、落ち着いた姿勢を意識すると、丁寧で好印象な接客につながるでしょう。そして、お客様に対して前のめりになりすぎず、適度な距離感を保つことも大切です。

また、手を無駄に動かさず、上品な所作を意識すると、落ち着いた雰囲気を演出できます。立ち姿や話し方ひとつで接客の印象は変わるため、丁寧で落ち着いた動作を心がけましょう。

ホテルのレストランに入社する前にやっておくべき準備

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ホテルのレストランでスムーズに働き始めるためには、事前に基本的なマナーやスキルを身につけておくことが大切です。ここでは、入社前にやっておくべき準備を紹介します。

自宅でトレーニングをしておく

レストランでの動きをスムーズにするために、基本的な所作を事前に練習しておくと安心です。

お皿の持ち方・運び方を練習すると、現場で慌てずに対応できるでしょう。自宅にある食器を使い、片手で安定して持つ練習をしてみるとよいかもしれません。トレーを使う場合は、バランスの取り方も試しておくとよさそうです。

また、料理の提供や下げる動作をシミュレーションしておくのも効果的です。実際に「右側から提供し、右側から下げる」などの動きを確認しておくと、研修時にスムーズに対応できます。

身だしなみの準備をする

レストランでは、身だしなみがサービスの一部として見られるため、清潔感のある印象を意識することが大切です。

入社前に髪型・服装のルールを確認し、必要に応じて準備を整えておきましょう。男性は髭をきれいに剃り、女性はナチュラルなヘアメイクを意識すると好印象を与えられます。

書籍や動画で知識を深めておく

事前に書籍や動画を活用して、レストランサービスの基本を学んでおくと、入社後の理解がスムーズになるでしょう。

サービスの基礎を学べる書籍を読んだり、プロのウェイターの動きを解説する動画を見たりすることで、実際の業務の流れをイメージしやすくなります。

また、ホテルの公式サイトやSNSでは、お店の雰囲気や接客スタイルを事前に知ることができるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

正しい料理の提供マナーを身につけて一流のレストランスタッフを目指そう

レストランサービスでは、料理の提供方法や接客マナーが、お客様の満足度を左右することがあります。

料理の持ち方や置き方、水の注ぎ方など、細かな動作を意識することで、スマートなサービスを提供できるでしょう。

また、言葉遣いや立ち居振る舞いにも気を配ることで、より心地よい接客につながります。料理の提供マナーを身につけ、細やかな気配りを大切にしながら、一流のレストランスタッフを目指しましょう。

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