ホテルの在庫管理
宿泊客が客室で使用するアメニティやタオル類、レストランで提供される食材。ホテルが抱えている在庫の種類は多岐に渡ります。当然のことながら、客室数や利用客数が多ければ多いほどに抱える在庫は増えるものです。
ホテルの業務の中には、これらの在庫管理があります。日々の業務の中で、膨大な数の在庫を管理するというのは簡単なことではないでしょう。在庫管理は、単に数を数えるだけではありません。必要な数を十分に確保するだけでなく、無駄がないように適正な数を判断することも重要です。
ホテルの場合は、閑散期・繁忙期の動きに合わせて在庫の数を変動させたり、お客様がより快適に過ごせるようにアメニティの種類を増減させたり、在庫管理のためにはこういった業務も発生します。食材の場合であれば、季節に合わせた食材を確保する必要もあります。
日々の在庫管理に加え、ホテル全体の在庫数を管理・更新する定期的な棚卸と言われる業務も必要です。月に1回または数カ月に1回行われる大がかりな棚卸では、数万~数千にも渡る在庫を数えます。ホテルの規模や在庫の数によっては、1日だけでは終わらないということもあるようです。
ホテルの在庫管理は手間と労力がかかり、人材確保が難しい中では従業員への負担も大きくなりがちな業務でもあるのです。
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ホテルの在庫管理の悩み
ホテルの在庫管理に、ホテルはどういった悩みを抱えているのかご紹介します。
管理が必要な物が多い
管理が必要な物の数が多いというのは、ホテルの在庫管理の悩みの1つでしょう。ホテルが管理すべき在庫の数は非常に多く、部門毎に在庫の種類は異なります。さらに、管理する場所も違い、ホテルのあちこちに保管場所があることも。
例えば客室で使用されるアメニティの場合、客室清掃時に持ち出したものを管理しています。大型のホテルであれば、客室数が100以上にもなることもあります。その分、必要なアメニティの数も膨大です。何を何個、どこに使用したのか。それを数えるというだけでも、作業が煩雑であることは想像できるでしょう。
在庫管理のための時間確保が難しい
在庫管理の方法はホテルによって異なりますが、在庫を持ち出したり使用したりした人が遂次管理表に記入し、担当者が後でまとめて集計するという方法を取ることがあります。膨大な数に異なる保管場所、それぞれをまとめる作業には十分な時間の確保が必要です。
在庫管理は担当者が行うものではありますが、他の業務も並行して実施するとなると時間の確保が難しいこともあるでしょう。万が一、実際の在庫数と管理表に記入されている数に差異があった場合には、調査する必要もあります。そういったトラブルがあると、在庫管理のために多くの時間を割くことになってしまいます。
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ホテルの在庫管理を改善するために
ホテルの在庫管理を改善するためには、どういった取り組みをすると良いのかご紹介します。
業務の棚卸
在庫管理の負担を軽減するために、在庫管理の業務の棚卸をしてみると良いでしょう。必要のない作業がないか見直すだけでも、負担軽減につながります。
作業の方法を変更するというのは、簡単なことではありません。慣れない作業に戸惑いを感じる従業員もいるでしょう。在庫の保管場所や配置を変更したり、管理表の仕様を変更したりするだけで、在庫管理が楽になることもあるはずです。実際に業務にあたる、従業員の意見を参考にしながら実施するのが良いでしょう。
システムの導入
在庫管理の業務改善のために、システムを導入するという手段もあります。専用の端末やスマートフォンを使用し、バーコードを読み取るなどすることで、効率の良い在庫管理が実現できます。
在庫数を手書きする方法で管理している場合は、ミスが発生することもあります。個数のズレが重なったことで、後々トラブルになることもあるようです。
導入費用が高額になるなどの理由で導入が難しいということもありますが、在庫管理の時間が短縮されることで、人件費が削減されるということも考えられます。長期的な視点で見ると、システムの導入を検討するのも良さそうです。
ホテルの在庫管理のムダを見つけて業務改善!
アメニティやタオル類、食材は、お客様に提供される商品のひとつ。適切で正確な在庫管理は、お客様に安定したサービスを提供するためには重要な業務です。
在庫数や保管場所が多く、在庫管理は複雑で面倒だと感じている従業員も多いかもしれません。忙しい業務の中では、管理表への記入が漏れたり、個数を誤ったり、ミスが発生してしまうこともあります。効率良く確実な在庫管理が実現できれば、本来の業務に集中できるというメリットも考えられます。
煩雑なホテルの在庫管理の負担軽減のためには、業務の無駄を見つける必要があります。実際に在庫管理をしている従業員の意見を参考にしながら、小さなことからはじめてみてくださいね。