地方移住とは?
地方移住とは、定住を目的に居住地を移すことを言い、一般的には大都市から地方に移り住むことを指します。地方移住は単なる引っ越しとは異なり、移住先の環境に合わせて居住や仕事など、その後の生き方を大きく変える一大事業。
また、ひと昔前までは「第2の人生」を楽しむための選択肢というイメージがありましたが、最近では若い世代の関心が高まっています。
新型コロナウイルスの影響による生活様式の変化や、目まぐるしく過ぎる日々に疲れてしまうなど、自分の生活を省みたことで、地方に癒やしを求めるのかもしれません。
地方移住には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。地方移住の進め方と、併せて見ていきましょう。
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地方移住のメリット
近年、人気が高まりつつある地方移住ですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。地方移住のメリットを紹介します。
自然が豊かな環境で暮らせる
地方の魅力といえば、やはり豊かな自然でしょう。広大な山々に囲まれた地域や、歩いて海岸に行ける地域など、地方にはそのエリアならではの良さがあります。
自然のエネルギーや四季の変化をダイレクトに感じることで、ストレスから解放され、健康的な日々を送れるのではないでしょうか。
また、自然の中で子育てできる点も大きなメリットです。虫取りや魚釣り、キャンプといった、都会ではできない体験ができるので、子どもはのびのびと育つでしょう。
治安が良い
子育てのメリットとしてもうひとつ挙げられるのは、治安の良さです。住民同士が全員知り合いだったり、交通量が少なかったりすることから、子どもが事件・事故に巻き込まれるリスクは低いはず。
また、高齢化が深刻な地域において、子どもは宝物です。周囲の大人がしっかりと、子どもを見守ってくれるのではないでしょうか。
食材が新鮮で安い
農業や漁業が盛んな地域では、新鮮な食材が安く手に入ります。道の駅や農家の直売所の他、スーパーマーケットで地場産品を扱っていることも多いので、毎日の食事が楽しくなるでしょう。
近所付き合いを大切にしていれば、おすそ分けがもらえるかもしれません。
生活費をセーブできる
生活費を安く抑えられることも、地方移住のメリットです。食材だけでなく、土地や家賃も安いので、老後の資金を考慮して地方移住を決める人もいるでしょう。
地域によっては湧き水を生活用水として使えたり、無料・格安の巡回バスがあったりすることも。
孤立しにくい
都市部では、「マンションで隣に住む人の顔も知らない」といったことがよくありますが、地方のコミュニティは親密です。「知らない土地に引越してきてひとりぼっち……」といった孤独感に悩むことは、少ないかもしれません。
ただし、地域に溶け込むためには積極性も重要。自分から進んであいさつしたり、イベントに顔を出したりといった努力が必要です。
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地方移住のデメリット
一方、地方移住といってもその背景はさまざまで、中にはデメリットと捉えられる部分もあります。地方移住のデメリットを見ていきましょう。
交通の便が悪い
地方移住におけるデメリットと言えば、交通の便が悪いことです。電車の駅が遠かったり、本数が少なかったりというのはまだ良い方で、公共交通機関が皆無という地域もあります。
病院やスーパーマーケットに行く際も、車がなければ大変な苦労をするかもしれません。
仕事が少なく賃金が低い
移住先での生活を維持するためには、収入を得なければなりません。しかし、地方にはあまり仕事がありません。今までのスキルをいかせる働き方ができなかったり、給料が低すぎて暮らしが成り立たなかったりといったことは、ネックになりやすいデメリット。
ただし、地域によっては就業支援の制度があることも。都市部の仕事をリモートワークでこなすといった働き方も選べるので、うまく折り合いを付けましょう。
教育機関が少ない
地方での子育てにはさまざまなメリットがありますが、教育機関が少ないことはデメリット。学校が遠かったり、塾や習い事の選択肢が少なかったりということで、子どもの可能性を伸ばしにくい面があります。
子育て世帯の地方移住は、子どもの能力や将来のことも考えて、決めてくださいね。
危険な害虫・害獣が出る
自然が豊かな地域には、多くの虫や獣が生息しています。都市部でも、ネズミやゴキブリといった生き物に悩まされることはありますが、地方の害虫・害獣は危険度が高いので要注意。
シロアリに家を食い荒らされたり、タヌキやイタチに遭遇して交通事故を起こしたりしてしまうかもしれません。山あいの地域では、クマが出没することも。
危険な害虫・害獣から身を守るための対策が必須です。
人付き合いに神経を使う
地域のコミュニティが親密なことは、メリットでもありデメリットでもあります。「地域に溶け込んで生活したい!」という人にとっては良いことですが、「距離を保って付き合いたい」「地域のイベントには興味がない」といったタイプの人は、息苦しさを感じるかもしれません。
ただし、移住者が多い地域においては、ほどほどの付き合い方が確立されていることも。地域の利便性や家賃・物価だけでなく、住民の気質も考慮して移住先を選びましょう。
娯楽が少ない
地方移住で重要なのは「その地域で楽しく生活すること」ではないでしょうか。地方での暮らしはのどかな魅力がある一方で、娯楽は少ないもの。「移住したての頃は雄大な自然に感激したものの、代わり映えのない毎日にすぐ飽きた」、というケースは少なくありません。
映画やショッピング、アミューズメント施設といった最新の娯楽が好きな人は、ほどほどに開けた地方都市への移住も視野に入れると良いでしょう。
地方移住の進め方
地方移住が気になるけど何から始めればいいかわからない、という方も少なくないでしょう。地方移住を検討する際に知っておくべきことをご紹介します。
公的な支援を活用する
地域によっては、手厚い移住支援制度を設けていることがあります。移住先の候補を絞ったら、支援制度の有無など、情報を集めましょう。
支援制度の例としては、お試し移住制度や移住支援金の支給、無料や格安で入居できる家の提供や仕事のあっせんといったことが挙げられます。こうした制度を利用すれば、金銭面の負担を大幅に軽減できるはずです。
また、太陽光発電装置の設置補助や、除雪費用の補助など、地域での暮らしを支援してくれる地域もある模様。移住前・移住後に受けられる支援を調べ、自分に合いそうな地域を探してくださいね。
ゆかりのある地域へ移住する
親戚や親しい友人がいる地域、実家がある県など、ゆかりのある地域を選んで移住するという方法もあります。
身近に頼れる人がいることや、地域性をある程度理解した上で移住できる点は大きなメリット。また、親戚・知人を通して仕事や住む場所が見つかることもあります。
寮や社宅のある企業に就職・転職する
仕事と住む場所は、地方移住における2大不安要素です。その不安を同時に解消する方法としておすすめしたいのは、寮や社宅のある企業に就職・転職すること。
仕事と住む場所をあらかじめ確保しておけば、安心して移住できるはず。寮・社宅のある企業への就業を考える際にも、情報収集は非常に重要です。転職エージェントに相談するなど、プロの力を借りることも検討してみてくださいね。
地方移住には準備が必須!
今の生活から大きく環境を変えるのは、そう簡単なことではありません。交通、利便性、仕事、人付き合いなど、しっかり下調べをし、地方と都会の違いを理解することが大事です。地方移住を考え始めたら、気になる地域の情報を集め、自分に合った移住先を選びましょう。
また、寮や社宅のある企業を探す際には、宿泊業界を視野に入れてはいかがでしょうか。ホテル・旅館の仕事を探す際には、おもてなしHRをご活用ください。