玉造温泉とは
古くは出雲国の風土記にも、神の湯と称されている玉造温泉。ここでは、玉造温泉の概要や歴史についてご紹介します。
玉造温泉の概要とアクセス
玉造温泉は、島根県の松江市玉湯町玉造にある温泉地です。最寄り駅は山陰本線の玉造温泉駅で、駅から玉造温泉街へは車で5分程度の距離になります。宍道湖に面し、玉湯川沿いに純和風の旅館や近代的なホテル、みやげ物屋などが建ち並びます。周辺には国宝に指定されている城や大きな神社があり、観光の拠点としても便利な立地にあります。
玉造温泉の歴史と現状
今から1300年ほど前に、日本で初めて美肌効果が噂になったとされる玉造温泉。正式な開湯は定かではありませんが、733年編纂の出雲国の風土記にも記されていることから、日本最古の湯の一つに数えられています。
その風土記によると、一度入浴すれば肌が若返ったようになり、二度入浴すればどんな病も治癒し神の湯と呼ばれている、という記述が残されています。また、美肌効果などの評判は都にも伝わり、平安時代の随筆にも記されています。
現代においては、2006年頃の玉造温泉は、経済不況も相まって時代のニーズに対応できず、老舗旅館の倒産など衰退の一途にありましたが、地域団体商標の登録、地域ブランド化の取り組みを進めてまちの活性化に成功しました。今では美肌の湯として全国の中で上位にランクインされており、女性客からも絶大な人気を得ています。
2017年度の観光入込客延べ数は61万5771人となり、2016年度の65万8595人から -6.5%のやや減少にありますが、この年の台風や大雪の影響が要因だと分析されています。
出典:2017年島根県観光動態調査結果/島根県商工労働部観光振興課
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玉造温泉の泉質と温泉街・観光資源について
万病に効果を示し、美肌の湯として名高い玉造温泉の泉質や温泉街の楽しみ方、周辺の観光スポットをご紹介します。
美肌の湯と称される秘密について
玉造温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉(弱アルカリ性)です。硫酸イオンが多く含有されており、肌にハリと潤いを与える作用があります。塩化物泉は肌の表面に塩の膜を作り、温泉で吸収した美肌成分や潤いをガードするので、しっとりとした感じが長持ちします。アルカリ性温泉の性質は肌の古い角質を取り除くクレンジング作用があります。
また、化粧品にも使われる潤い成分メタケイ酸も多く含有されているのが特徴です。源泉をコットンなどに浸し、パックをすることでより一層の効果が期待できるのだとか。この美肌湯をお土産にするため、ペットボトルに入れて持ち帰る人もいるそうです。
玉湯温泉の温泉街や周辺の観光スポット
玉造温泉の街並みは歴史を重んじた、落ち着いた風格が漂います。玉湯川沿いの整備された川岸には足湯を楽しむ人や、ゆったりと散策する観光客でにぎわいます。
周辺の観光スポットとしては、国宝に指定されている城や大社などがあり、観光拠点としても利便性がよい立地です。周辺には青メノウが産出されることから、温泉街には勾玉のオブジェが置かれ、みやげ物としても人気です。
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玉造温泉にあるホテル・旅館での働き方&その地での暮らし方紹介
玉造温泉の旅館やホテルで働く
玉造温泉には数寄屋造りの高級和風旅館や近代的なホテルが建ち並び、料金設定は高めの格式ある温泉宿が多いようです。職種もフロントやベル、仲居や調理など幅広く、未経験からの採用も多いことから、日本のおもてなし文化の基礎を学び、今後のスキルアップを目指していくことも可能でしょう。
生産性を上げるだけでなく、観光業で働くことに誇りを持ち、人生設計ができる業界にしていこうとする宿もあり、今後のさらなる展望が期待できる温泉地と言えそうです。
玉造温泉ならではの暮らしかた
玉造温泉での暮らしは、美肌の湯として誉れ高い温泉に毎日浸かることができるなど、最高の贅沢が味わえるでしょう。温泉街にはコンビニやスーパーもあり、日常生活には事欠かない環境です。
また、玉造温泉駅から電車で10分ほどの距離に松江市の市街地があるので、市街地からの通勤も可能です。松江市は島根県の県庁所在地でもあり、利便性が高く暮らしやすい環境が整っています。
歴史と伝統あふれる優れた泉質の温泉地で日本のおもてなしを学ぶ
玉造温泉は1300年の昔から神の湯として親しまれてきた、山陰地方を代表する温泉地です。贅沢なおもてなしで客人を迎える温泉宿も多く、それぞれの宿ごとに趣向を凝らした質の高いサービスを提供しています。誇りとやりがいを持って働くスタッフも多く、自身のモチベーションを高めながらスキルを磨くことができそうですね。