丁寧な接客とは?
テレビCMや広告などで「親切丁寧な接客」というフレーズを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ゆっくり、慎重に、というようなイメージが強い「丁寧」という言葉ですが、接客においても「丁寧さ」は重要な要素となります。雑な接客よりも、丁寧な接客を受ける方が気持ちが良いものです。
丁寧な接客をするために必要な要素や、丁寧な接客に必要不可欠である言葉遣いについて解説します。
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丁寧な接客をするために必要な要素とは?
丁寧な接客を行うためには、5つの要素が必要になってきます。どのような要素が揃えば「丁寧な接客」と言えるのかを確認していきましょう。
礼儀正しい言葉遣い
丁寧な接客をするために必要な要素の一つとして、「礼儀正しい言葉遣い」を行うということが挙げられます。
お客様は友人ではありませんので、まずは正しい言葉遣いを使えるということが、丁寧な接客のスタートとも言えるでしょう。
相手を気遣った動作速度
丁寧な接客を行うための2つ目の要素は、「相手を気遣った動作速度」を行うというものです。
丁寧、と聞くとどうしてもゆっくりという印象を持ちやすいものですが、ゆっくり行うというだけでは丁寧な接客とは呼べません。
慎重に動作を行うということを心がけながらも、小さなお子様やご年配のお客様であればゆっくり、ビジネスマンであれば慎重さを保ちながらもある程度のスピードで動作を行う、というように、お客様に合わせた速度で動作を行うことも重要です。
自分主体ではなく、相手を気遣い行動を起こすことが、丁寧な接客を行うために必要ですので、覚えておきましょう。
念入りな確認
多忙となると、確認が流れ作業になったり、確認自体を怠ってしまうということがありますが、確認不足はミスに繋がりやすく、かえってお客様に時間を取らせてしまう可能性があります。
お客様の目の届く範囲は丁寧な接客ができていても、確認が不十分、ということがあっては丁寧な接客を行っているとは言えません。
丁寧な接客を目指している方は、お客様の目の届かない範囲でも「念入りな確認」を行い、丁寧に仕事をするという意識を保ち、接客にあたりましょう。
案内で不自由な思いをさせない知識
丁寧な接客に必要な4つ目の要素は、「案内で不自由な思いをさせない知識」を備えておくということです。
丁寧な接客を行う方は、準備に余念がありません。そのため、自らの勤める企業や店舗の情報などをしっかりと把握し、お客様に案内ができるように準備をしています。
「念入りな確認」が重要ということと同様に、知識がなくてはいくら言葉遣いや動作が丁寧であっても、残念な接客だと思われてしまいます。
どんなお客様からも丁寧な接客だと感じていただくためにも、日頃から知識を蓄えるように意識しましょう。
1人ひとりにしっかりと向き合う心
丁寧な接客を構成する最後の要素は、「1人ひとりにしっかりと向き合う心」を持ち、接客にあたるということです。
忙しさが増した時ほど、丁寧な接客を普段からしているかどうかが見えやすいものです。忙しい時にでも、1人ひとりのお客様に対し、気持ちを切り替えて接客にあたると「丁寧な接客をしてくれている」という印象をお客様に抱いてもらえることでしょう。
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丁寧な接客に必要不可欠な言葉遣い
「丁寧な接客だ」と最も理解されやすいのは、丁寧な言葉遣いでしょう。丁寧な接客をするための土台でもある、丁寧な言葉遣いを習得するためには、どのようなことをおさえておくべきなのでしょうか。
接客の7大用語・敬語・クッション言葉・誤った言葉遣いという4つポイントを確認し、接客の際により丁寧な言葉遣いができるようにしましょう。
接客の7大用語をおさえる
まずは、接客の7大用語をおさえることが大切です。接客の7大用語は下記の通りです。
- ・いらっしゃいませ
- ・少々お待ちくださいませ
- ・大変お待たせいたしました
- ・ありがとうございました
- ・かしこまりました
- ・申し訳ございません
- ・恐れ入ります
接客業に従事していれば、どの言葉も一度は口にしたことがあるでしょう。接客業にこれから従事するという方は、上記を空で言えるようにし、用語にあわせて表情を変化させられるようにしましょう。
敬語の正しい理解
7大接客用語を、表情を変えながら空で言えるようになった後に知識をつけていただきたいのは、正しい敬語表現です。
敬語は下記3種類からなりますが、混同して覚えてしまっているという方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
- ・尊敬語:自分よりも目上の相手に対して使用する敬語
- ・謙譲語:自分をへり下らさせて使用する敬語
- ・丁寧語:「です・ます・ございます」や「お・ご」などを用い丁寧な表現にする敬語
特に、普段敬語を使っている上司を呼ぶ際などには混同し、ミスが多くなる傾向があります。電話をお客様から受けた際には、「〇〇さん(上司)は今、出張に行かれています」など、上司に対しての敬語をお客様に見せないように気を付けましょう。
クッション言葉を用いる
接客の歴が長くなればなるほど、自然と口にする頻度が増えるのがクッション言葉です。下記のクッション言葉は、誰しも一度は耳にしたことがるのではないでしょうか。
- ・お手数ですが
- ・よろしければ/差支えなければ
- ・失礼ですが
クッション言葉とはその名の通り、言葉の強さをやわらげる働きがあるため、お客様へお願いをする時や、謝罪を行う時には役立つ言葉となっています。
咄嗟に適切なクッション言葉が思い浮かばないということはよくありますので、不意の対応時でも、状況に合わせた最適なクッション言葉を使えるように普段から意識して使うようにしましょう。
誤用をしない
前項「敬語の正しい理解」でもご紹介した通り、誤用をしてしまえば丁寧な接客ができない従業員なのかな、とお客様に思われてしまいます。
「~でよろしかったでしょうか?」や「~の方をお持ちします」などという、誤った言葉遣いをしていませんか。
不安に思われた方は、下記の記事に目を通し、自分が誤った言葉遣いをしていないかを比べてみてくださいね。
ホテル・旅館などの宿泊業で見られる丁寧な接客とは?
ホテル・旅館などの宿泊業は、接客のプロというイメージがありますよね。丁寧な接客に重きをおいていることも多いホテル・旅館では、どのような言葉遣いがされているのでしょうか。よく用いられている丁寧な接客用語をご紹介します。
熟語のみではなく話し言葉を用いる
口語で「確認中です」や「地産地消を進めています」のように、熟語+ですますで終わらせると、お客様に硬すぎるという印象を与えてしまいます。
お客様に、柔らかく、丁寧な印象を抱いてもらうため、ホテル・旅館では「確認をしております」や「地元食材を豊富に使うようにしています」というように、話し言葉を使うことを心がけているようです。
「おはようございます」から「いらっしゃいませ」へと切り替える
ホテル・旅館では、お客様は夜から朝まで宿泊をします。朝早くであれば、宿泊者に対し「おはようございます」と声をかけることが正しいのですが、お昼前の10~11時であれば「おはようございます」が適切かどうかも疑わしいという時間帯になります。
当日予約や、荷物を預けるために宿泊されていないお客様がいらっしゃることもあるということを考慮し、10~11時には「おはようございます」から「いらっしゃいませ」と声掛けを切り替えるというホテル・旅館が大半です。
どんなお客様にも不自然に感じさせないという配慮は、丁寧な接客と言えるでしょう。
「とんでもございません」を用いない
お客様からお褒めの言葉をいただいた際、返答として「とんでもございません」という言葉を口にしている方もいらっしゃるのでしょうか。
これは日本語として誤りで、正しくは「とんでもないことでございます」という言葉となり、一流のホテル・旅館では当たり前のように使われています。
より丁寧な接客だと思われるためにも、お客様からお褒めいただいた際には「とんでもないことでございます」と返答するようにしてみてはいかがでしょうか。
丁寧すぎる接客はお客様から好まれない?
丁寧な接客を心がけることは大切ですが、丁寧の意味を履き違え接客を行っている方は、お客様から好まれないということもありますので注意が必要です。
ただ単にゆっくり慎重に動作を行うことが丁寧な接客だと勘違いしているのであれば、お客様から「対応が遅い」と思われてしまったり、丁寧すぎる言葉遣いはお客様との距離感が縮まりません。かえって距離が遠ざかるということもあります。
何事にも節度が必要です。業界や企業によっては、カジュアルな接客を求められる場合がありますので、自分の勤務先の基準の中で、丁寧な接客を行うようにするのがよいでしょう。
丁寧な接客を学ぶには宿泊業界がおすすめ!
「今の勤務先が自分が思っているよりカジュアルだった…」という場合や、「もう少し丁寧な接客スキルを身に付けたい…」という場合には、ホテル・旅館業界に就職・転職するのがよいでしょう。
企業規模に関わらず、宿泊業界では「おもてなしの心」を持ち経営している企業が多いため、丁寧な接客を学ぶには最適の場です。
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